千葉県で推進されていた学校連携パラリンピック観戦の中止と、熊谷俊人県知事の甘さとずるさについて

　　

以前は千葉市市長、今は千葉県知事の熊谷俊人という人。コロナ禍の中をしつこくパラリンピックへの児童動員観戦をすすめていて、感染者が出たことで渋々学校連携観戦を中止にしたというニュース。

【速報】千葉市教委は２９日、市立貝塚中学校で教諭６人が新型コロナウイルスに感染したと発表しました。そのうち２人は東京パラリンピックの学校連携観戦で生徒を引率しており、バスに同乗した生徒ら計約１５０人に検査を行うということです。

▼詳しくはこちらhttps://t.co/hFPmxF8CzN

— 千葉日報 (@chibanippo) August 29, 2021

【速報】東京パラ「学校連携観戦」 千葉県が一転して中止の方針決める（NHK）
《午後４時半から熊谷知事が臨時の記者会見を開いて詳しい内容を説明する見込みです》https://t.co/FeHK8aCHCS

— 赤旗政治記者 (@akahataseiji) August 30, 2021

《千葉県 東京パラリンピックの「学校連携観戦」中止の方針決定》
中止は当然だが、緊急事態宣言と医療崩壊、デルタ株が猛威をふるうなか、子どもたちを動員する計画に最後までしがみついた責任は重い。#学校連携観戦はただちに中止を https://t.co/2Ssain1iRQ

— 志位和夫 (@shiikazuo) August 30, 2021

決定は妥当だと思うが、遅い。子どもの命や健康に関わる問題なのに、どうして最初から中止しなかったか。

一部の大人の政治的・金銭的利益のために観戦動員された子どもが感染していないことを祈る。

千葉県 東京パラリンピックの「学校連携観戦」中止の方針決定（NHK）https://t.co/iwec5hPJPi pic.twitter.com/Dom29kw7tL

— 山崎 雅弘 (@mas__yamazaki) August 30, 2021

千葉県 東京パラリンピックの「学校連携観戦」中止の方針決定 https://t.co/K8rgfVUl4a

昨日の夜市教委は「子どもたちの教育環境を考慮すると、引き続き実施」といってたと今RTしたばかりだが流石にわかったか。
てか学校でクラスタ出してからでないとわからなかったのか。責任重大。

— yukan (@yukankmr) August 30, 2021

学校連携観戦なんてそもそも最初からやるべきではなかったというのが私の意見です。

誰からどこで感染するか、感染させられるかわからないのです。そんなリスクを子どもや家庭に負わせること自体が間違っています。彼は「少なくない子ども達・保護者が希望していた」と言っていますが、果たして何パーセントの子どもたち・保護者が集団圧力などでなく自分の意思で希望したのかはっきりしませんし、ウィルス感染のリスクを背負ってでも観戦を希望した子どもや保護者がいたとしても、「今はその時ではない」と判断する勇気が行政の責任者には必要です。パラリンピックが東京を中心とした首都圏で行なわれている以上、遠くに住む人たちはコロナ禍の中を見に来ることはできないのですから、首都圏の住人だけが観戦するという特権を享受していいのかという考え方だってあります。

ここで、熊谷県知事本人の学校連携観戦中止の言い訳を記録しましょう。

千葉市の神谷市長と協議し、学校連携観戦については中止することとしました。
学校連携観戦は保護者の理解が大前提であり、多くの保護者が安心して子どもを送り出せない以上、実施にこだわるべきではないと県・千葉市ともに判断しました。

— 熊谷俊人（千葉県知事） (@kumagai_chiba) August 30, 2021

報道にあった千葉市の教員は発症日から、パラ観戦以前の感染と考えられます。
観戦自体の感染リスクは低いと考えていますが、明日以降、保護者の皆さんや引率する先生方に安心して頂くためには、引率者のPCR検査等、更なる対策が必要と考え、先ほど神谷市長とオンライン会議を開催し、意見交換しました

— 熊谷俊人（千葉県知事） (@kumagai_chiba) August 30, 2021

神谷市長からは、更なる感染防止策を講じるには教育現場の負担が大きいとのことでした。
そのため、明日以降の全ての学校連携観戦（千葉市の各学校と県立学校１校）について中止することで合意したところです。

— 熊谷俊人（千葉県知事） (@kumagai_chiba) August 30, 2021

楽しみにしていた児童達には申し訳なく思います。少なくない子ども達・保護者が希望していたことから、県としては選択肢を用意しましたが、この間の報道、保護者の不安の高まりを考慮し、事業効果が十分に得られないのであれば、ここで判断すべきと考えました。

— 熊谷俊人（千葉県知事） (@kumagai_chiba) August 30, 2021

千葉市はこれまでも全ての学校の体育の授業でパラスポーツを取り入れ、各種大会の観戦、障害者の福祉講話、パラアスリート学校訪問などを重ねており、今回のパラ観戦にも力を入れていました。改めて市教委、学校現場の皆さまに敬意を表します。

— 熊谷俊人（千葉県知事） (@kumagai_chiba) August 30, 2021

最初から「保護者の不安の高まりを考慮」して実施を見送るべきであったというのが私の意見です。感染するのを仮に自己責任としたって、感染したら本人だけが発病するわけではなく、その周囲の人にも影響が及ぶのです。行政が旗を振ってそのような状況を招くことは不適切です。失敗したら取り返しがつきません。

そして、数日前まで学校連携観戦に突き進んでいた時の彼のツイートも記録しましょう。

①今日からパラリンピックの学校連携観戦が実施されています。千葉市の保護者同意は直前集計（8/23）で小学校で約9割など、全体で約78%とのこと。
私たちは保護者の理解の上で、各自治体・学校設置者の判断で実施可能としましたので、選択肢を作ることができて良かったと考えています。

— 熊谷俊人（千葉県知事） (@kumagai_chiba) August 24, 2021

②千葉県の場合は幕張メッセが会場で、無観客となった会場を広く活用した観戦座席の間隔確保、屋内会場のため熱中症のリスクが低い、メッセ駐車場を活用して子供たちが貸切バスで直行直帰が可能等の条件が整っています。
千葉県の児童生徒が他都県の会場を観戦することはありませんし、逆も同様です。

— 熊谷俊人（千葉県知事） (@kumagai_chiba) August 24, 2021

③私はオリンピックの聖火リレーの走行中止も首都圏で最初に判断しましたし、3県が有観客で行われようとした際には、「東京と同様に千葉県なども期間中に緊急事態宣言が発出される可能性もあり、リスクを高く見て東京と同様の扱いとすべき」と組織委幹部にも伝え、1都3県全て無観客となりました。

— 熊谷俊人（千葉県知事） (@kumagai_chiba) August 24, 2021

④プロ野球等は今も有観客で実施されていますが、都県をまたぐ移動自粛等を県民に要請している立場からオリパラ全体においてコントロールできない人流を抑制する立場を貫いています。
その上で、それら人流と、教員等の引率による直行直帰が確定される校外学習や学校連携観戦は切り分けて考えています

— 熊谷俊人（千葉県知事） (@kumagai_chiba) August 24, 2021

⑤千葉県はオリンピックの際も学校連携観戦は実施できないか組織委に打診しましたが、直前での有観客⇒無観客への切替で組織委は手一杯で実現されませんでした。
茨城県では学校連携観戦のみで実施され、感染防止対策を徹底して無事終了しています。

— 熊谷俊人（千葉県知事） (@kumagai_chiba) August 24, 2021

⑥私達は保護者や子供達の意向次第では完全無観客も選択肢としていました。
8月初旬の千葉市の意向調査で多くの希望があることから、選択式で保護者同意が必要なこと、観戦しない場合も欠席扱いとしない等、学校において十分な配慮が行われることを前提に各市町村・学校で実施可能としました。

— 熊谷俊人（千葉県知事） (@kumagai_chiba) August 24, 2021

⑦各学校はこれまでも貸切バスで校外学習を行っており、パラだけが特別ではありません。学校現場の実態をご存じの方とそうでない方で意識の差があるかもしれません。
当然ですが、会場内は選手・関係者とは導線は区分されているほか、入れ替え毎に座席を消毒するなど、さらなる対策徹底を行います。

— 熊谷俊人（千葉県知事） (@kumagai_chiba) August 24, 2021

⑧当然ですが、どのように感染対策を実施してもリスクはゼロではありません。
家から出ること、仕事をすること、学校に行くこと、どれもリスクがゼロではありませんが、我が国はリスクの高い行動の自粛を要請した上で社会を一定程度維持する選択を取っています。

— 熊谷俊人（千葉県知事） (@kumagai_chiba) August 24, 2021

⑨私達は学校連携観戦と同様、教員等の引率による校外学習は感染対策を徹底した上で、保護者同意等に基づき、各市町村や学校の判断で、必要に応じて実施は可能との立場です。
今後も実施する市町村を県としてサポートしていきます。

— 熊谷俊人（千葉県知事） (@kumagai_chiba) August 24, 2021

⑩一方で、高校に関しては十分な警戒が必要です。高校生は感染傾向も大人に近く、行動範囲が広く、授業よりも放課後等のコントロールできない行動のリスクを警戒すべきです。
そのため、県教委が分散登校・時差通学、部活動の原則休止、不織布マスクの推奨等を発表しました。https://t.co/bOhlwwNiE1

— 熊谷俊人（千葉県知事） (@kumagai_chiba) August 24, 2021

熊谷氏はできるだけの対策をとったうえで学校連携観戦を実施するという趣旨で説明しています。しかし、支持者からすらツイートで疑問が出されています。熊谷氏は保護者同意の高さをツイートの中で書いていますし、ウィルス対策を実施していることをあれこれと説明してはいますが、感染例が出た場合の責任はとりきれないでしょう。責任を保護者や子どもに転嫁する「逃げ」であると思わざるをえないです。特に、「当然ですが、どのように感染対策を実施してもリスクはゼロではありません。家から出ること、仕事をすること、学校に行くこと、どれもリスクがゼロではありませんが、我が国はリスクの高い行動の自粛を要請した上で社会を一定程度維持する選択を取っています」というところにその「逃げ」を感じます。リスクの高い行動の自粛を要請したうえで補償はせず、社会での行動はさせるという矛盾したメッセージ。

熊谷氏支持の方々も以下のように心からの心配をしています。

市長の頃から応援してますが、今回に関しては考えが甘い。保護者の多くが消極的賛成（同意）だったのでしょう。「中止」という第三の選択肢をアンケートに加えるべきであったと思料します。
東京パラ学校観戦 直前辞退相次ぎ初日参加は３割 千葉市｜NHK 首都圏のニュース https://t.co/rdrJlaqEng

— NEWSwatcherP (@newswatcherP) August 26, 2021

私は熊谷知事の支持者ですがそもそもパラリンピックの学校連携観戦は首都圏の小中学生しか観戦できないので反対です。例え、観戦が中止になっても全国的な視点に立ったら些細なこと。それ以上に県民の命と生活を優先すべきです。 pic.twitter.com/H2SdTUATZG

— 千葉のヤーミー#ﾂﾜﾓﾉ (@oZde5eYWyV118Q2) August 25, 2021

コロナ禍とは別に、後者の指摘も重要です。「そもそもパラリンピックの学校連携観戦は首都圏の小中学生しか観戦できないので反対です」という意見が熊谷氏の支持者から出るという事実は重要です。首都圏の子どもたちとそれ以外の地域の子どもたちの間で、たしかにこれは公平ではありません。

熊谷知事のそもそもの判断の甘さ、そして、ずるさを強く批判せざるをえません。彼は支持されやすいプロフィールを持っているため、なおさら彼の判断の甘さとずるさは危ないとも考えます。私はこうツイートに書きました。

他人の命を勝手に賭けてギャンブルをする熊谷俊人・千葉県知事。この手の人物は、感染者や死者が出てもたぶん責任はとらない。政治家に最もなってはいけない人物。
https://t.co/5XH7XCVRYL

— Muranose Rena (@muranose_rena) August 30, 2021

実際、熊谷氏は子どもの命や健康をあまり大切にしていない人だと私は以前から感じています。今回のこの件でも、上の彼のツイートはかなり未練たっぷりです。本当に子どもの命や健康を最初から第一の優先に考えているのであれば最初から学校連携観戦は実行しないでしょうし、実行しようとしたとしてもコロナ禍の中すぐに中止の判断がとれるはずでした。しかし、感染者が出るまで中止しなかったことは、彼は間違った判断や危険な判断をすっぱりと捨てられないということであり、彼の政治家の資質には大きなマイナスポイントだというのが私の考えです。実際、彼が千葉市長時代、学校へのエアコン設置を渋っていた時に次のようなツイートを私はしています。

千葉市で熱中症で死亡する児童・生徒が出るのが早いか、現在千葉市長である熊谷俊人氏が学校にエアコンを設置するのが早いか、心配でしかたありません。

— Muranose Rena (@muranose_rena) July 23, 2018

残念ですが、私は彼を政治家として評価していません。

とはいえ、熊谷氏からも名言が出ることはあるということは、私が瞬間的にキャッチした彼の発言を評価したくなったこともあることから、一応言っておきます。

2013年参院選の結果への思いなど (5) ： 『低投票率は政治不信ではなく政治過信』（熊谷俊人・千葉市長） http://t.co/RdzpuAeLE8 村野瀬玲奈の秘書課広報室

— Muranose Rena (@muranose_rena) August 1, 2013

しかし、まさに、熊谷県政を過信してはいけないということの教訓が今回の学校連携観戦推進の失敗から言えるのだと思いました。熊谷氏に支持的な気持ちを持っている千葉県民の方がこの記事を読んでいらっしゃるなら、少し彼についての評価を考え直してほしいと思います。

上にあげた例から、彼は子どもの命や健康をその子の立場で尊重するという考え方がどこかで弱いのだと私は考えています。仮に子どもが亡くなったり健康を害した例が出た場合に責任を取らない危険性が高いと思います。責任を取るとしたらどのような取り方をするのかも疑問です。彼が記者会見をした時には、「学校連携観戦でコロナウィルス感染者が出たらどのような責任の取り方をするつもりでしたか」とツッコむべきだと思います。

以上、千葉県の事例から、行政主導の学校連携感染に反対し、その裏に隠れている責任転嫁とずるさについての私の意見でした。

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