#都議会選挙2021 のまとめ

　　

2021年都議会選のまとめを。ポイントは次のようなことかと思います。

マスメディアによる争点設定、焦点設定のダメさ。そして、都議会の現実が十分に報道されておらず、各党派の行動も検証、吟味されておらず、その時々の選挙公約と政局話だけがマスメディアで流されるだけ。それでは各党派の本質はわからない。低投票率の責任はマスメディアにかなりある。特に、都ファ自公が都議会を閉じたがったという事実をどれだけの有権者が知っていたか。それを有権者は良しとするのか。
各党派の「実績」や行動や主張を有権者は十分に知っていたかどうか、報道業者は各党派の言うことをただコピーペーストするだけではなく各党派が都議会の場でどのように行動したかを十分に報道していたかどうか疑問。低投票率もそういう情報を有権者が知らないからではないか。
良かったのは、立民、共産が今回は、地方自治法上、都政与党が都議会を開かないことを許さないだけの議席数を確保したことと、女性議員が増えたこと。
野党側の選挙協力は超重要。


以下に、少し詳しく書いていきます。

１）　投票率が低いです。

何をどう言ってもこれがすべて。 https://t.co/nLkf5kFWcW

— 中野晃一　Koichi Nakano (@knakano1970) July 4, 2021

日本の政治教育（のダメさ）、報道業者の政治報道や政局報道（のダメさ）、日本人の自民信仰的な国民性など背景はたくさんあります。とにかく、気づいた人ができるところから改善していかないと。先は長いけど、諦めたら負けです。諦めたら民主政治は実現しません。
（この記事の最後に、付録として投票意欲の低さについてのツイートをメモします。）


２）　報道業者の争点設定、焦点設定は全くダメでした。報道自体の、量はともかく、質、あるいは着眼点が低調だったとも言えます。特に、「自公対都ファの対立構図」は、政局話の視点でしかなく、「政治そのもの」にとって焦点では全然ないです。この両者には政策面、方向性面で現実的にほとんど差はないので、その間でその時の状況によって支持層が右往左往したことよりも、今回で言えば「五輪中止」の民意がどのように出たかの方がずっとずっと重要です。コロナ禍の終息のためには、来たる衆院選の時まで、本当の焦点は「命を守る政策の象徴である『五輪中止要求』の民意がどこまで出たか」ということだと繰り返し言い続ける必要があります。そして、そのように有権者が意思表示をしないとコロナ禍を終息させられない、ということも。

有権者の大きな関心の一つが「五輪」だったからこそ、有権者の一定数がそこにきびしい視線を注いでいたからこそ、自民党はこう反応しました。
まさに五輪の中止か強行かが争点だったからこそ、自民党候補も自民党も五輪に言及しない「戦術」をとらざるをえませんでした。

自民党、"五輪開催色を前面に出さない"候補者が当選したらしい。🙄

（でも開催するもんねー🤗）って感じですか？片山さん。#CancelTokyoOlympics https://t.co/2w8ZdlmvVU

— 🔱国会議員いちらんリスト (@standbycitizens) July 5, 2021

引き続き五輪反対を言い続けること、コロナ禍の終息が何よりも優先されること、自民党政治はコロナ禍終息に大失敗していることを言い続けましょう。

さて、各党の本音は報道を通じて有権者にどれほど理解されたかがそもそも疑問に思えます。それを示唆する指摘をいくつかメモします。

東京都議選投票分析　五輪反対56％、賛成37％ | 毎日新聞 https://t.co/7sA77GSsII
えっ？汚リンピック反対なのに都ファに入れた人いそうだね😰
バカすぎる。

— さより《人類》 (@sayori27) July 4, 2021

しかしNHKも、開票してから突然総力をあげて特集組むあたり相変わらず意図的…今日が都議選選挙だったこと、かなりの都民は知らなかったんじゃないんだろうか…

— 岩槻優佑 (@yuu_iwatsuki) July 4, 2021

国政選挙じゃないのに大河ドラマを遅らせてまで速報して、一時間丁寧に説明して、さらにまた22時半から続報するほど大切だったのに、これまでのNHKのニュースでこれまで大々的に取り上げていた記憶全くない

— 岩槻優佑 (@yuu_iwatsuki) July 4, 2021

いかに自公政権が投票率を上げたくないのかこれを見るとよくわかる。「投票は国民の権利」などと言いながら、何とかして選挙から国民の目をそらし、無党派層には寝ていてもらい、組織票と強固な支持層だけで何とか逃げ切る作戦…

— 岩槻優佑 (@yuu_iwatsuki) July 4, 2021

無党派層が一番に投票した先が都ファだったという事実も。その無党派層は都ファのコロナ対策と五輪強行主義についてどう評価しているのでしょうね。

結果的には自公の議席数は選挙前より伸びてるし、
都民ファーストは百合子旋風ブームの遺物が、こんなに議席を維持するとは意外だったし、
無党派層の投票先が、都民フ27％▽立憲15％▽共産14％、とか（https://t.co/CugJi08V1E）投票後ネット調査
都民ファーストの謎の強さ興味深かった〜。 pic.twitter.com/eds1pBEuD1

— マナヒ (@manahiyama) July 4, 2021

都ファ、自公を含む都政与党が都議会を開こうとしなかったことについても、どれほど知られていたのでしょうか。都ファ自公が都議会を開きたがらなかったことを都の有権者はどれほど知っていて、どのように評価していたのでしょう。

医療崩壊だけでなく、東京は行政も崩壊している。全ては無能で無為無策な小池百合子の責任です。言葉遊びやパフォーマンスだけ！
緊急事態宣言中なのに都議会も開かない無責任で仕事放棄している小池都知事と都民ファーストの会議員はろくでもない人間の集まりです。 #都民ファーストの会は全員落とす

— 選挙に行こう @野党共闘 (@7hq5PyYXTIBg76p) January 23, 2021

これらのことを考え合わせると、意図的かどうかは別として、報道業界全体に、なるべく都政与党の後ろめたいところは有権者に知らせないようにしようという意思、なるべく投票率を上げないような報道を心がけようという暗黙の合意があると疑わずにはいられないレベルです。あるいは、個々の政策の正当性とかここの施策の成否とか各党の政策方針や民主主義度の違いとか、本来の政治にとってもっと重要な視点で政治を分析する能力が足りないのかもしれません。だから、「自公対都ファ」が焦点だなどという無意味な焦点設定が出てくるのです。政局報道は政治を理解するうえで有害であるとここで言わせていたきたいです。


３）野党内での選挙協力、候補者調整、政策調整は超大事です。選挙協力はいくつかの選挙区で奏功しました。しかし、立民、共産が両方立候補して取りこぼした二人区の選挙区は衆院選に向けた致命的に大きな課題です。

立民と共産が両方候補を出して両方落選した選挙区の例二つ。
南多摩
https://www.nhk.or.jp/senkyo/database/togisen/2021/49619/
港区
https://www.nhk.or.jp/senkyo/database/togisen/2021/49585/

このポイントは、こちらのツイート↓の指摘によります。

「#TokyoAssemblyElection」As expected, the Oppositon paties are on the verge of getting locked out in 2-seat Districts after not running unified candidates: Minami-Tama (https://t.co/2cztR6abA0) and Minato Ward (https://t.co/QTOZyuTicS)

— Japanese Politics & Elections🇯🇵🗾⛩️ (@Nihonpolitics) July 4, 2021

４）　女性の当選者が増えたのは喜ばしいことです。女性議員増加に最も貢献したのは共産党。自民、公明の貢献率は最も低いです。

野党女性候補・政治家へのセクハラが多い中、これは立派。「女性の当選者は４１人…過去最多を更新…３２％…。…政党別…上位から共産１４人、都民ファ…１２人、自民と立憲民主が…４人」政党ごと当選女性割合共産７４％、都民ファ３９％、立民２７％…政権与党の自民は１２％、公明は１３％と低い。 https://t.co/z5qBOye9pH

— 舩田クラーセンさやか Sayaka Funada-Classen (@sayakafc) July 4, 2021

5）　新しい議会構成は前とは違います。大きな良い変化がありました。

あと、新しい都議会は日本共産党、立憲民主党などが要請すれば、都議会を開ける。

これまで自民・都ファ・公明が応じなかったために、コロナ禍でも都議会が開けず、知事の専決処分を繰り返してきた。

これからはそうはいかない。

これだけでも大きな変化です。 https://t.co/6r9MWq2cl8

— 佐藤直樹 (@satonaoki69) July 4, 2021

地方自治法の定めにより、議会の1/4の議員が要求すれば議会を開催しないといけません。

これまでは日本共産党や立憲民主党などで要請してましたが、あと1議席たりずできませんでした。

新しい議会はそれをクリアできます。 https://t.co/g7yAM4fWfA

— 佐藤直樹 (@satonaoki69) July 4, 2021

都議会開催を要求しても与党が議会開催を拒否して小池百合子知事の専決処分を繰り返してきた欠陥が是正されます。これは良かったです。

それから、自公でも都ファ公でも過半数にならず、自都ファで過半数というこの議席構成で、過半数の多数派を形成するために自公都ファで都政与党を組んだら、自公と都ファには差がないことの証明になって、多くの報道業者が「自公対都ファ」という構図を作って報道したことが無意味だとばれることになります。


6）　全議席確定。創価学会信者という固い支持者層に支えられた公明党は強かったですね。公明党を負かすには公明党以上に票を集めなければいけないということ。自民党についても、支持者層は固いので、自民党を負かすには自民党以上に票を集めなければいけないということ。

都議選　全議席確定

自民　33（+8）
都民　31（-14）
公明　23（±0）
共産　19（+1）
立憲　15（+7）
ネット 1（±0）
維新　 1（±0）
れいわ 0（±0）
国民　 0（±0）
嵐の党 0（±0）
無・他 4（-1）

— 三春充希(はる)⭐2021衆院選情報部 (@miraisyakai) July 4, 2021

政治への有権者の不満を、投票次第で政治は変わるという実感を有権者に持ってもらうことで解消していき、投票率を上げるように、野党の役割はますます重大になります。特に、立憲民主党。


7）　惜敗。

目黒の星見てい子さん、６票差の惜敗が悔しくてならない。偽りの選挙情勢を大規模に流す勢力による謀略的行為の結果、「星見さんは大丈夫なんでしょ」という声が、選挙前も選挙中も投票日にいたるまで、街中のいたるところで聞かれた選挙でした。こうした卑劣なやり方に負けない力をつけるしかない。

— 宮本徹 (@miyamototooru) July 4, 2021

6票差で涙をのんだとは！次の選挙ではこれをばねにこの地区で日本共産党あるいは野党の当選者を出したいですね。
それにしても6票差。「私が一票を投じても何も変わらない」ということではないことがわかります。一票差でも負けは負け。一票差でも勝ちは勝ちです。本当に、選挙は一票から始まるということです。


8）　知名度人気投票。自民の伝統的典型的世襲議員と、保守の流れから出てきた新興政党からの有名人の家族の若い女性候補。このどちらかからしか選べないなら後者だけど、この都ファ議員はどのような仕事をしているのか、よく見極めないといけないはず。

これはこれで東京っぽい…知名度×知名度の勝利
引用）サッカー長友佑都選手の妻でタレントの平愛梨さんを姉に持つ都民ファの現職平慶翔さん（３３）の知名度の前に屈した。

「自民のドン」の娘婿・内田氏が苦杯　「ワクチン確保や五輪で逆風」＜都議選＞：東京新聞 TOKYO Web https://t.co/IQBtYC1oMC

— 🔱国会議員いちらんリスト (@standbycitizens) July 4, 2021

ひとまず、以上です。

最後に、（１）に関連した付録をメモして2021年都議会選のまとめを終わります。

コロナ禍対策で国政でも都政でも感染者続出を招いているダメダメな政党が自分たちに有利な選挙結果だけを欲しがる時のツイートの典型例がこちらになります。自分たちの政党がコロナ禍対策で成果を出していると言えないことを自覚しているからこういう「アピール」になるのです。 https://t.co/4MKB2h3c3G

— Muranose Rena (@muranose_rena) July 4, 2021

白票の呼びかけというのは、現状に対して漠然とした不満を持っている有権者が野党に投票することを阻止するためのプロパガンダ。「これを変えられるのは……」というポーズで現状維持を狙ってるわけ。 https://t.co/PcDNtKrBOx

— 能川元一 (@nogawam) July 4, 2021

急に選挙にいっちょかみし出したかと思えば以前話題になったオンライン紙爆弾と全く同じこと言ってて、なあTakaくんそれは本当に自分で考えたことなのかい？と訊いてみたくなる。 https://t.co/yCIwJcqGjg / “手を洗う救急医Taka（木下喬弘） on Twitter: "結局これを変え…” https://t.co/hhvAKwO2g8

— 瀬川深　Segawa Shin (@segawashin) July 4, 2021

コレを思い出したけどもう7年も前か。白票は現状維持にしかならんし、ナンボ投じたところで当選しちまえば屁でもないですよ。こちらの漫画の下手人は謎のママだったけど、手を洗うBakaがどこらへんの振り付けで踊ってるのかは興味あるなー。https://t.co/yCIwJcqGjg https://t.co/yRHhCjK7jb pic.twitter.com/lODCv9hNGd

— 瀬川深　Segawa Shin (@segawashin) July 4, 2021

選挙のたびにしたり顔で白票に意味があるという人は絶対に信用してはいけません。
特にそれが議員だったり公人だったりした場合は故意に組織票を勝たせる意図があると考えて間違いないです。
もし政治家になって何年も経つのにこれを言う人は間違いなく詐欺師です。#白票は白紙委任状#都議選2021

— yukan (@yukankmr) July 4, 2021

ただ一回の恋愛やお見合いで一生の伴侶を選ぶんじゃないのだから、一度の選挙で選んだ候補や政党がダメだとわかったら何度でも選び直せばよいだけですね。選挙という民主主義のプロセスについて人が持つ変な思い込みを、そういう人に会うたびに常日頃から崩していく必要がありますね。 https://t.co/RGoTtew3Jt

— Muranose Rena (@muranose_rena) July 4, 2021

次のツイートにも考えさせられます。日本の政治教育、選挙教育は失敗していると思わされます。

初めて選挙権を得た若者に、なぜ投票に行かないのかと聞いたら、「自分のような何も知らない者が投票して、投票結果を乱して迷惑をかけたくないからだ」という答えが返ってきたことがあった。以前は「自分が投票しなくても問題なし」という声があった。前者は一票の重みを考え、後者は軽視する。 https://t.co/0XPUcVclzh

— 住友陽文 (@akisumitomo) July 4, 2021

自分が投票して迷惑をかけるも、自分が投票しなくてもこの国は何とかなるも、投票に行かないという結論は同じだが、投票の影響については正反対の捉え方をしている。ただ、迷惑をかけたくないから行かない人も、政治のことを知らないなら、選挙をきっかけに知ろうとしたらどうだろうか。完璧はない。

— 住友陽文 (@akisumitomo) July 4, 2021

候補者だって完璧な人はいない。選挙とは、よりマシな人を当選させるシステムなのだから、理想がいないといって棄権するより（どうせ棄権しても誰かは当選するのだから）、できるだけマシな人をチョイスするという感覚になったらどうか。

— 住友陽文 (@akisumitomo) July 4, 2021

私はこの住友陽文先生の一連のツイートに次のように考えました。

ただ一回の恋愛やお見合いで一生の伴侶を選ぶんじゃないのだから、一度の選挙で選んだ候補や政党がダメだとわかったら何度でも選び直せばよいだけですね。選挙という民主主義のプロセスについて人が持つ変な思い込みを、そういう人に会うたびに常日頃から崩していく必要がありますね。 https://t.co/RGoTtew3Jt

— Muranose Rena (@muranose_rena) July 4, 2021

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