共謀罪についての甘い誤解を誘う問題だらけの世論調査

　　

共謀罪についての甘い誤解をふりまく悪質な世論調査があります。

構成要件、厳しくしたっけ？立法事実もないのに。ミスリードな質問？

「「共謀罪」の構成要件を厳しくした「テロ等準備罪」を設ける法案への賛否…「賛成」は5割台後半(57.2%)で、3割台前半の「反対」(32.9%)を大きく上回った。」 https://t.co/Ji4iKRD0px

— Hideyuki Hirakawa (@hirakawah) 17 April 2017

因みに読売新聞の電話世論調査では、共謀罪については「テロ準備罪法案」とされ、そしてその中身については「これまで検討されていた共謀罪の要件を厳しくしテロ組織や組織的な犯罪集団が、殺人などの重大犯罪を計画・準備した段階で罪に問えるようにするもの」と説明されている https://t.co/x4rm39gFj8

— ガイチ (@gaitifujiyama) 18 April 2017

ひどい世論調査と、誤解へと誘導するミスリーディングな説明です。

ちょっと考えてみましょう。重大犯罪の計画や準備を発見できるためには、警察がすべての日本住民を絶え間なく盗聴し、メールやLINEを盗み見し、張り込みして、密告の利用などで国民の日常生活の隅から隅まで監視、介入する必要があります。そんな強大な権限を警察や政府に与えたら、必ず濫用されて、国民が政治批判をすることすら困難になります。自民党は、世界各国で当たり前のように合法的に行われている市民の意思表示の手段としてのデモを「テロ」扱いしているわけですから。次の指摘を噛みしめていただきたいです。

共謀罪の審議で安倍が「テロ対策はこれで十分だなどという政党は無責任だ」みたいなこと言ってたけど、反対論は市民の権利とのバランスを考えろという話で、安倍のこの論理ではなにをやっても十分なことにはならないし、この論理でいきつくのは完全な全体主義国家ですよ。

— Ｔ－Ｔ (@tcy79) 7 April 2017

現実に、国会審議での政府答弁では、法務大臣が法案の内容や運用について全く説明できない姿をさらしており、共謀罪ができたら必ず濫用されることが目に見えています。こういう現実を踏まえたら、共謀罪の中身について深く調べることなく、理解することなく、安易に共謀罪について賛成している人には、次の指摘をよくかみしめていただきたいです。

提案者である法務大臣が内容を理解していない法案の適否をどうやって国会が審議できるのか、その理屈がわかりません。「何を定めているのかよくわからない法律」をどういう基準で運用することになるのかはそのあと行政が恣意的に決定しうるのだとしたら、それは「なんでもできる」法じゃないですか。

— 内田樹 (@levinassien) 19 April 2017

そう、共謀罪は「なんでもできる」法。それは「法律」というよりも、「法の支配の破壊」です。別の言葉を出すなら、罪刑法定主義の破壊でしょう。

罪刑法定主義とは、「ある行為を犯罪として処罰するためには、立法府が制定する法令（議会制定法を中心とする法体系）において、犯罪とされる行為の内容、及びそれに対して科される刑罰を予め、明確に規定しておかなければならないとする原則」のことです。しかし、国会審議の与党政府側答弁からわかるのは、何を犯罪とするかを恣意的に警察や政府が決めることができるという事実です。法の枠を無視することができるのが共謀罪です。それはもはや法律としての体をなしていません。

そもそも日本は犯罪率が低い国です。そして、すでに現在でもテロ対策の法律などたくさんあるのだからそれらを活用すればいいのに、共謀罪を導入したら、何も犯罪にかかわっていない人たちへの重大な影響が出ます。というか、自民党政府は一般人を取り締まることを目的としているふしがあります。犯罪行為など何もしていないのに、政府批判をするだけで逮捕されて生活を踏みにじられる人も出ることが予想されます。沖縄で市民運動家がしばしば逮捕されていることはその前触れです。そのような状況が広がれば、言論の委縮も起こります。民主主義の死です。冤罪を起こさないようにという実質的努力が全く足りない日本の司法にあっては、その心配はさらに重大なものになります。

共謀罪が成立したらどういうことになるかの予測。

もし「共謀罪」が成立したら、私たちはどうなるか【全国民必読】
知らなかったと後悔する前に https://t.co/X8ToQxic7p 　RTしてください。とりわけ数十万のフォロワーを抱える有名なみなさんにお願いします。僕たちの社会はもうギリギリかもしれない。

— Kenji Okada (@ganaha22) 7 April 2017

最後に、今回の記事の締めとして、共謀罪の害悪と違憲性、凶暴ぶりについて、法律家である徳岡宏一朗さんの最近と最新ブログ記事をご案内します。違憲の法律を作ることはできないというのは民主主義国家の基本ですが、自民党政府はそれを破壊しようとしています。重大な事態であるという理解をひとつでも多くの報道機関が共有することを強く求めます。上の「世論調査」など言語道断、最低最悪です。共謀罪は法体系の破壊であり、民主主義の重大な危機であると一人でも多くの日本人が理解することを心から願います。

●Everyone says I love you !
■すでに出来てしまっている通信傍受法と司法取引に、共謀罪が加わった時の恐怖社会。
http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/102005a78b28e662a46edf0abd61e74a
2017年03月04日

■共謀罪　一般人の人権侵害の危険はもちろん許せないが、「炭鉱のカナリア」を見捨ててはいけない。
http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/a25eda4eed0ebf047e8ab108686c3b1d
2017年04月21日

■共謀罪は憲法１３条、１９条、２１条、３１条に違反する。
http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/f54653d6bc568efc6f991fcb643edae9
2017年04月23日

違憲の法律を作る国家は、信用できない国家です。つまり、違憲の法律をつくる日本は信用できない国家になるという意味です。

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●国会議員への投書のための「議員一覧ポータルサイト」 (1)→国会議員いちらんリスト - 政治家（衆議院議員475名 & 参議院議員242名）に声を届けたい人のためのサイト ; (2)→http://publistella.jp/
●メディア一覧 - 私たちの声を国会へ→http://rpj-action.jimdo.com/%E3%83%A1%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2%E4%B8%80%E8%A6%A7/
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