ヒラリー・クリントンの大統領選敗北宣言演説は彼女の政治家生活の最大の業績だ。

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ネットでその演説の一部を見て、全文がほしいと思っていたら、全文を訳した人がいます。ありがたいです。また、ユーチューブにもあります。





●YouTube
Watch Hillary Clinton's full concession speech in U.S. presidential election
https://www.youtube.com/watch?v=EPRoAVKa2U8


ほとんどの州のアメリカの20代の有権者の票は半数以上がヒラリー・クリントンに投じられたことが報じられています。この演説はそういう若い世代へのメッセージとして素晴らしいと思います。ついでに言えば、選挙には敗北したものの、純粋な全米得票数でいえばクリントンの方がトランプより獲得票数は多かったのです。選挙制度が総得票数での決着であったなら、クリントンが当選していました。そういう事実もあいまって、彼女自身落選は残念だったと思いますが、この演説はその残念さを吹き飛ばす力があると思わされました。彼女と私の間には政治思想の違いがあること、彼女が民主党の中でウォール街経済エリートを代表する一人であること、アメリカという国の体質の中に私がなじめないものがあることから、この演説すべてに全面的に賛同するわけではありません。しかし、アメリカの若い世代を鼓舞する演説であるという意味で、この演説は彼女の政治家生活の最大の業績といっても過言ではないと私は思いました。

アンゲラ・メルケルのトランプ当選祝福メッセージ同様、ドナルド・トランプ次期大統領に対して民主主義の価値を守るようにと釘を刺している部分もあることも付け加えましょう。



私が特に良いと思ったのは演説の中の次の部分です。訳者T.Katsumi (@tkatsumi06j) さんに感謝しながら再録させていただきます。

『わたしたちの運動は,いち個人のためのものでも,いち選挙のためのものでもありませんでした。』

『もうひとつ,立憲民主制がわたしたちに求めることがあります。それは参加することです。4年ごとではありません。常にです。』

『富める人たちだけでなく,すべての人びとが経済の果実を味わえるように。わたしたちの国を,わたしたちの星を守るために。すべてのアメリカ人が夢を実現できるよう,妨げとなる障害を打ち破るために必要なことをし続けましょう。』

『挫折はつらいものです。でも、正しいことのために闘うことには価値があるのだと,信じ続けてください。だから,この価値ある闘いを,ずっと,生涯,続けてほしいのです。』

『そして女性のみなさん。とくに,この運動を,わたしを信じてくださった若い女性のみなさん。あなた方の代表として担がれたことほどわたしに誇りを抱かせるものはありません。
わたしたちは,あの一番高いところにある,もっとも硬い『ガラス天井』を打ち破るに至りませんでした。それは認めるしかありません。でも,いつか誰かが打ち破ります。』

『そしてこれを観ているすべての小さな女の子たちにも伝えたい。「あなたたちがいかにかけがえのない,力溢れる存在で,どんな時でも,自分の夢を目指して,実現する機会がそこにあるのだということを,けっして忘れないで」と。』

たしかにこれからしばらくはレイシズムと不寛容と好戦的政策と富者優遇・貧者切り捨てがアメリカにも世界にももっと吹き荒れるきびしい時代になる可能性は高いです。

しかし、二十数年後、今20代のアメリカ人女性から、バーニー・サンダースとヒラリー・クリントンのそれぞれ良いところを兼ね備え、クリントンのメール問題のようなスキャンダルのない大統領候補者があらわれること、さらには当選することも夢ではなく、それをクリントン自身が目撃することだってありえない話ではないと思います。ドナルド・トランプとバーニー・サンダースとの決選だったらサンダースが当選しただろうという世論調査もあったことでもあり、ぜひそうなることを、クリントン個人のためにも、すべてのアメリカ人のためにも、アメリカという国の政治や経済や外交のあらゆる影響をかぶる全世界のためにも心から祈ります。



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