「安倍首相のサクラを見る会」は、「マスコミトップとの会食」という世論操作活動の一般芸能人向け企画である。

　　

安倍晋三首相が有名人を15000人（！）呼んで「桜を見る会」というのを東京の新宿御苑でやったというニュースを見ました。

●Reuters
首相、新宿御苑で桜を見る会
http://jp.reuters.com/article/jp_Abenomics/idJP2015041801001324
2015年 04月 18日 11:50 JST

　安倍晋三首相は１８日、東京都内の新宿御苑で開いた「桜を見る会」であいさつし「景気回復の温かい風を全国津々浦々に届けるのが使命だ。地方創生を力強く進めていく」と述べ、地方の景気浮揚に全力で取り組む考えを重ねて示した。

　後半国会に集団的自衛権の行使容認を踏まえた安全保障法制や農協改革などの論戦が控えていることを念頭に「戦後以来の大改革を断行していく」との決意も訴えた。

　この日は晴天で御苑内の八重桜は満開に。首相は「本当に良い天気に恵まれた」と語った上で「世の中は桜の花になりにけり」と江戸時代の僧で歌人、良寛の俳句を披露し上機嫌だった。

（転載ここまで）

そもそも、安倍政治の「メリット」は大企業や核発電推進原理主義組織や復興予算を復興とは無関係なところに流用することに成功した者たちなど、ごく一部にしか及んでいません。非正規労働者、弱者、低所得層などは無視されている...というよりも、それらの人々を踏み台にして富者と強者がさらに富を得るという方向性を持っているのが安倍政治であることはこのブログで毎日のように書いてきたとおりです。「景気回復の温かい風」と安倍が呼ぶモノは決して全国津々浦々には回っておらず、現実にいくつかの世論調査では国民の多くも景気回復は自分には及んでいないと感じています。それらのことを考えたら、こんな報道、たとえば、「景気回復の温かい風を全国津々浦々に届けるのが使命だ。地方創生を力強く進めていく」という安倍のあいさつの転記などは本当に白々しく腹立たしいばかりです。

このイベントと報道は、その白々しさや腹立たしさを覆い隠す安倍首相の宣伝（プロパガンダ）戦略としてはたいへんに巧みであるといえましょう。あ、これは批判的な意味で言っています。安倍がマスコミ（新聞社、テレビ局、出版社）の経営トップや現場トップを繰り返し会食に呼ぶという安倍官邸のマスコミ操作、世論操作活動がありますが、簡単に言えば、今回のイベントはその一般芸能人版、一般有名人版です。マスコミトップとの会食はマスコミを安倍陣営に抱き込むという目的が主ですが、今回の「桜を見る会」については、その「イベント」を報道させることによって安倍首相のイメージを上昇方向に操作し、招待客から今後出るかもしれない安倍政治批判を抑えるという目的も隠れています。つまり、今回「仕込まれた」15000人の有名人たちは、まさに安倍首相のサクラとしての役割を与えられたことになり、彼らの今後の活動で安倍政治への批判的な発言を抑えるようにという一種の要請というか圧力として機能しているのです。

この件で最も腹黒いのはこのイベントを仕掛けた安倍官邸であり、招待されてサクラとして仕込まれた有名人たちだけを批判するのは酷かもしれません。彼らは自分たちの意思とは関係なく呼ばれただけですから。しかし、このイベントにそういう機能があることを意識する人がもっと多くなってほしいと心から願うものです。

参加者を批判するのは酷かもしれないということは言っておきます。しかし、しかし、安倍政治への直接の批判とは言えないまでも安倍政治がとっている方向への疑問を口にする人たちがこのイベントに呼ばれて安倍の近くにまで来させてもらって一緒に写真などとっているところを見ると、彼らに自分たちが安倍の宣伝に利用されているという意識はあるだろうかと思わざるをえません。

参加者が誰かということも含めた批評がありますので、記録しておきましょう。私は芸能人の政治的発言に必要以上に期待するものではありませんが、それでも、安倍自民党の暴政に黙認的、協力的に応じるかのような発言や行動はやめてほしいと思う程度には「期待」しているので、何人かの参加者についてはある種の失望を感じています。

●LITERA／リテラ　本と雑誌の知を再発見
リテラ > 社会 > 政治 > なぜ？安倍首相の花見会に太田光が！
エンジョウトオル絶句！
安倍首相の花見会に太田光が！ ももクロも春クリも…みんなあっち側にいってしまった
http://lite-ra.com/2015/04/post-1040.html
http://lite-ra.com/2015/04/post-1040_2.html

2015.04.19

（前略）
　安倍政権になってからの「桜を見る会」の招待客の人選を見ていると、話題のタレント、人気がブレイクした芸能人以外に、ワイドショーや情報番組で発信力のあるMCやコメンテーターをターゲットにしている傾向がある。
　太田についても同じだ。『サンデー・ジャポン』（TBS系）という政治のニュースも扱う情報番組のMCをつとめ、ラジオ等で再び政治的発言を口にし始めていた。そんな芸人を取り込み、批判を封じ込めるために、これといった大きな話題がないにもかかわらず太田を呼んだと考えるべきだろう。
　
　そして、太田が「バカ発言」をした後も、官邸は招待をキャンセルすることなく、逆にわざとニュースになるよう安倍首相が太田にアプローチし、プラスのイメージを拡散させた。ようするに、太田は安倍首相の宣伝戦略、情報操作戦略に全面協力してしまったのである。この浅はかさにはもはや、言葉もない。
　しかも、こうした安倍首相の思惑に乗っかった芸能人は、太田だけではない。昼のワイドショーの中でも高い視聴率を誇り、官邸がマークしているという『ひるおび！』（TBS系）のMC・恵俊彰や、安倍首相の靖国参拝を「海外ではヒトラーの墓参りと受け取られる」と批判した春香クリスティーンも招待され、嬉々として駆けつけた。

　結局、権力者からのアプローチには誰もさからえないのか。今後、『ひるおび！』からさらに政権批判が減り、春クリが歴史修正主義批判を一切口にしなくなるような気がしてしようがないのだ。
　あ、それからついでに言っておくと、個人的にショックだったのは、ももいろクロ―バーZだ。ももクロは13年にもこの会に招待されているが、その年の夏に出版された古市憲寿の著書『誰も戦争を教えてくれなかった』（講談社）に収録された対談で反戦への思いを語り、「日本でも、韓国にいいイメージを持たない人もいるのと同じで、韓国には韓国の言い分があるじゃん。もっとちゃんと韓国の言い分も知りたい。歴史のこととか」と、一方的な嫌韓の空気も批判していた。
　さすがももクロ、政権に尻尾をふって広告塔に接待役まで務めるAKBとはまったくちがうと思っていたのだが、今年、そのももクロが再びこの宴に参加して、安倍首相と仲良く写真を撮っている姿を見て、ああ、ももクロちゃんたちまであっち側に行ってしまったのか、とかなり絶望的な気分になったのである。そもそも、ももクロはおまえらの側にいねーよ、と笑わば笑え。筆者はとにかく期待していたのだ。
（後略）

（引用ここまで）

安倍晋三の花見会に春香クリスティーンが参加したという記事を目にしたが本当なのか。もし「ヒトラー政権時代のドイツでヒトラー主催の晩餐会に招待され、参加してました」みたいな写真や記録が残ってたら、後世にどう評価されるか想像した方がいいんじゃないか？

— F Hiroyuki (@fjhiro3) April 21, 2015

特に、最後のF Hiroyuki (@fjhiro3)さんのツイートに同感です。この世のすべての人は、後世の人々によってその発言や行動を批判される立場にあるということを意識して政治的行動をとらなければいけないと私は思っていますから。

ということで、安倍首相のイベント「桜を見る会」に動員されたサクラの人々を見て感じたことを記録しました。

---

●国会議員への投書のための「議員一覧ポータルサイト」 (1)→http://taro-yamamoto.jp/お知らせ/【反tpp・反秘密保護法！】全国街宣キャラバンス/ ; (2)→http://publistella.jp/
●マスメディアへの投書のための「News for the people in Japan」マスメディア問い合わせ用リンク集→http://www.news-pj.net/link/media.html
●他の社会系ブログに行くにはうちの「私的リンク集　（適宜更新）」経由で→http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-136.html