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「日本のことを知るためには外国の報道を読まなければならない」



ちょうどヤメ蚊弁護士さんがGlobal Voices on lineというニュースサイトについて紹介する記事を書いていらっしゃるので、「広報室」である私のブログでも、日本の従来型マスメディアとしての新聞やテレビの日本語での報道に接するだけでなくて、外国のマスメディアやジャーナリストや一般人が日本について外国語で書く記事から日本について多くのことを教えられることがあるということをお伝えしたいと思います。

私も、日本の新聞やテレビの報道が本当に必要な事実を伝えなかったり、その報道機関が対象とする読者向けに事実を隠したりねじ曲げたりするだけではなく、こじつけの誘導的論陣を張ったりもしているさまを多く見ているうちに、日本での日本語による報道に欲求不満をどんどん感じるようになっています。

新鮮なショックだった一つの例は、フランスのカルチェ財団が現代美術展示会を東京で行ったとき、石原慎太郎都知事が開会の式典に出て出展作品への中傷としか聞こえない「来賓スピーチ」をおこなって主催者側のひんしゅくを買った事件を日本の報道機関はみごとに全くといっていいほど報道しなかったのに対して、フランスの新聞(リベラシオン紙)にはこの件がしっかりと掲載されたこと。(古い記事だからか、ウェブ版でも見られなくなっていますが。)

もう一つの新鮮なショックだった例は、日本ではあまり知られているとは言えないフランスの、低俗からはほど遠いけど高級論壇誌とも言えない(ごめんなさい!)ニュース週刊誌「マリアンヌ」のウェブ版で、2007年に強行採決させられた「(国民投票法という通称の)改憲手続き促進法」の本質を解説する記事が出たこと。当秘書課広報室でもこの記事で詳しく紹介しました。

『「日本国憲法の改正手続に関する法律」を報じるフランスの記事』
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-218.html

あえて言えば日本の政権べったり新聞よりも簡潔に的確に本質をつかんだ記事だと思いました。感情に曇った目で日本の内側から見るよりも、冷静に外からの第三者的な目で見た方が物事の本質に迫れることが多い、そういうことなのだと私は思います。

そういうことで、この秘書課広報室でも、そういう海外の一般報道機関や外国語による日本についての報道が読めるニュースサイトをできるだけたくさん、サイドカラムのリンク集に入れています。どのくらいの方が気づいていらっしゃるかわかりませんが、よろしければ自分の好みに合うものを選んで読んでみることをおすすめいたします。(でも、私もすべてチェックできていないのですが。滝汗)

世界各国の現地語のニュースサイトに行けるポータルサイトだけでなくて、第三者的な冷静な目を持った日本のブロガー、日本について外国語で書かれたニュースサイトも選んで載せています。(私が読める言語である英語とフランス語のものを中心に拾いましたが、スペイン語やドイツ語や中国語などでも似たようなニュースサイトがあれば読者のみなさんにご教示をいただければ追加したいと思います。)で、その中には、冒頭に紹介した「Global Voices on line」もあり、ヤメ蚊弁護士さんの日本語記事が英語に訳されて紹介されています。

情報を得る経路、手段、窓口は多いほうが良い。情報の自由な流通こそが民主主義である。曇りのない目で見ることによってより深く知ることができる。

当たり前すぎて恥ずかしい言葉ですが、これをこの記事の締めの言葉にいたします。


付記
ただ、一つ注意を促したいと思います。今、外国語で書かれた日本についての記事、と言いましたが、論理にごまかしがあったり内容をあいまにしたり論点のすり替えをおこなったりするような主張や言説は、外国語にすると悲惨なほどにその愚かさが際立つということです。良識を持った外国人が読むとなおさらそれがばれてしまいます。最近の例では、ワシントンポストに出された「The Facts」という従軍慰安婦否定の意見広告。あるいは、こういう言い方をすればいいでしょうか。小林よしのりの歴史修正主義本や山野車輪の嫌韓本を外国語に訳して外国で出版したとしたら、その主張の内容への賛成反対はおいといて、その文章の書きぶりや論理が受け入れられるか。もとの論理がダメであったりもとの文章が弱い場合、いくら文法的に正しく外国語訳しても出来上がった訳文はやはりダメなのです。

外国語で書くというのは、バックグラウンドが違う読者を説得するという作業なので、単に文法的に正しい文章であれば日本人に対するのと同じように理解される、というわけではないのです。



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6件のコメント

[C2142] 私の場合

ん〜。そうだと思います。というか最近は日本について書かれた日本のマスコミの報道よりも、BBC とか The New York Times とか、日本のマスコミでもある The Japan Times に注目する癖がつきつつあります。インターネットに接続する際、BBC World News のラジオ番組を掛けっぱなしでネットサーフィンするのが最近のわたしのパターンで、日本関係の報道で気になったときには、Google News で検索するようになりました。これによって信頼度が高まるとは思っていませんが、少なくともスポンサーの意向を気にする日本のマスコミとかなり違った報道になっていると思うし、実際そう感じることは少なくないという気がしています。
  • 2008-01-08
  • 投稿者 : Devlin
  • URL
  • 編集

[C2153]

>>外国語で書くというのは、バックグラウンドが違う読者を説得するという作業なので、単に文法的に正しい文章であれば日本人に対するのと同じように理解される、というわけではないのです。

池田信夫氏に聞かせたい言葉ですな。よせばいいのにあのセンセイ,英語ブログやってらっしゃいますから。

Comfort Women and other lies about Japan
http://ianfu.blogspot.com/
  • 2008-01-08
  • 投稿者 : Niphonese
  • URL
  • 編集

[C2158] >みなさま

>Devlinさん

ありがとうございます。ニュースサイトだけではなくて、たしかに、インターネットラジオもありますね。

>Niphoneseさん

ありがとうございます。池田信夫氏はあまりよく知りませんでしたが、そのブログ、ちょっと読んでみました。日本の歴史修正主義者の主張の滑稽さを外国人に説明するときに、私自身で歴史修正主義者本をいちいち訳す必要がないという使い道くらいはありそうですね。
  • 2008-01-09
  • 投稿者 : 村野瀬玲奈
  • URL
  • 編集

[C2162] 日本の「経済」で見るマスコミ報道のゴマカシ

村野瀬さんの本記事に触発されて(笑)私も関連記事を書いたのですが、まさに同感です。

私の場合は、日本の政財マスコミ癒着の典型例(苦笑)でもある自動車問題を主に調べていることもあって、この問題には着目しているのですが、かといって海外メディアの関心を引かない国内問題もあることから、国内メディアのうちまともな所を探して見つけるという作業も重要だと思っています(そういう所を見る人が増えれば、大手マスコミも変わらざるを得なくなるでしょうし……)。

その点、昨年以降は国内勢でも少しまともな所が(この場合、広告収入に頼らない、といった意味になりますが)出はじめているように感じられ、少しずつ期待が持てるようになってきました。

また、日本人が慣れてしまったことでも、外国から見ると異様に映る場合もあるように思います。下記の "karoshi" や、日本が過去半世紀におよび実質的な政権交代をしていないことの異様さを指摘する記事などを検索してみると、まさに「日本の政権べったり新聞よりも簡潔に的確に本質をつかんだ記事」を見つけることができます。それが正しいかどうかは別としても、今までにない視点を与えてくれることと思うので、(言葉の問題はあるにせよ)できれば見てもらいたいなと、私も思います。

Google: LDP power Japan democracy
http://www.google.co.jp/search?num=50&hl=ja&q=LDP+power+Japan+democracy
Google: karoshi Toyota
http://news.google.com/news?hl=en&ned=uk&q=karoshi+Toyota
(参考)外国特派協会でkaroshi会見、質疑続々「トヨタはメディアの沈黙をカネと換えてるのか?」
http://www.mynewsjapan.com/kobetsu.jsp?sn=796

[C2165]

下のリンク集にもあるABYZ News Linksはわたしも(主にアフリカの情報を知りたい時に)使っています。

スペイン語系でよく見るところでは
ipcdigital.com, el diario en español de noticias de Japón(その名の通り、日本のニュースを取り扱うスペイン語サイト)
http://www.ipcdigital.com/default1.asp?descrIdioma=es

Prensa Escrita(スペイン語圏の新聞サイトリンク集。カナダ、アメリカで発行されているスペイン語新聞も含む)
http://www.prensaescrita.com/

>外国語で書くというのは、バックグラウンドが違う読者を説得するという作業
わたしは「書く」ではなく専ら「話す」作業の方が多いですが、これは本当にそう思います。まあそれは外国語に限らず、時代背景の異なる人々を相手にするわたしの仕事においては、日本語でもそうだったりするんですけど。
  • 2008-01-10
  • 投稿者 : えぼり
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[C2170] >みなさん

>>coryさん

コメントありがとうございます。そうですね、大手マスコミのうち良い部分を見つけてそこを勇気づけることも必要ですね。たまには朝日新聞の良いところを見つけてほめないといけません。笑

>日本人が慣れてしまったことでも、外国から見ると異様に映る場合

そう、そう、そうなんです。おかしいことをおかしいと言っていいのに、おかしいことをおかしいと言う人をおかしいと言うケースが多くて、日本人が自分の気持ちをいかに抑圧しているか、その不自然さに愕然とすることがあります。検索していただいたURLを見ると、私が派遣秘書として勤めている(笑)「私たちは現日本政府の体制変革(レジームチェンジ)に反対します」が入っているではありませんか!これで少しは外国人の日本理解に役立てばと思うのです。

トヨタは日本最大の企業グループ、良くも悪くも日本の顔、従業員を大切にする経営をしてほしいと思っています。

>>えぼり総料理長閣下

ありがとうございます。さすがえぼりさん。時間があるときにのぞいてみたいと思います。英語圏やフランス語圏と違うのか、興味あります。

>日本語でもそうだったりするんですけど。

本当ですね。日本語でも、思想背景の異なる人々を相手にする場合もそうですね。歴●修●主義者とか。(^^;;
  • 2008-01-11
  • 投稿者 : 村野瀬玲奈
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