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「テロ、犯罪」を理由にしても、人権は無制限、恣意的に制約されるものではありません



「日本に入国する外国人の指紋採取、顔写真撮影義務付けに反対します(インターネット署名のお願い)」
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-491.html

↑引き続き、まだ署名していない方で賛同いただける方は、こちら↑をお読みのうえ、リンク先で署名よろしくお願いします。

今日の記事は、その時以来もらった記事への反響や私の知る範囲の外国人の反応などをふまえた、その続きです。

まず、この生体情報収集の施策について、何人かの外国人と話してみました。彼らの言うことで的を射ていると思ったのは、日本政府がテロリズム予防を口実としていることについての

「政府が恐怖をあおって人々の意識を操作することは許されない」

というコメントでした。

恐怖は人間の感情として否定することはできないわけですが、それをもてあそべば権力者は人民に対していくらでも好き放題のことができてしまう。そして、一般人は権力者に吹き込まれた恐怖から逃れようと、一方的に権力者のいいなりになる。恐怖による精神的奴隷制だと思います。

で、次の言葉を思い出すわけですけど...。

もちろん国民は戦争を望みませんよ。

運がよくてもせいぜい無傷で帰ってくるぐらいしかない戦争に、貧しい農民が命を賭けようなんて思うはずがありません。

一般国民は戦争を望みません。ソ連でも、イギリスでも、アメリカでも、そしてその点ではドイツでも同じことです。

政策を決めるのはその国の指導者です。……そして国民はつねに指導者のいいなりになるように仕向けられます。

国民にむかって、われわれは攻撃されかかっているのだと煽り、平和主義者に対しては、愛国心が欠けていると非難すればよいのです。

このやりかたはどんな国でも有効です。

ヘルマン・ゲーリング (ナチスのヒトラーに次ぐ実力者)



生体情報を政府に預けると安心と考える方もいます。しかし、その政府とは、放っておくと国民に虚偽の情報を流し、国民に損害を与えても責任をとろうとしないことが非常に多い存在であることはたくさんの例が示しています。日本にはそういう例がたくさんありました。(他国にそういう例がないという意味ではありません、念のため。)また、その生体情報をどのように使い、保存するのか、一切といっていいほど公開されていないのです。悪用されないということを保証する手段がないのです。

そんな日本政府に生体情報を与えることに警戒感を持つことには十分な理由があるのです。それは理解してもらえると思います。

国家への現実的な警戒感以外に、犯罪者でもなんでもない普通の人から生体情報を強制的にとるのは、「人権」についての国際的理解からして、十分に人権侵害なのです。

さらに、その人権侵害を加える対象を正当な理由なく外国人一般に限定することは差別であり、二重の人権侵害なのです。

このことは、「人権」について長年にわたって積み上げられた国際的合意から導かれることであり、誰かが「人権侵害にはならない」と考えたからこのことが人権侵害ではなくなるという性質のものではありません。

いったい、外国人の生体情報を集めることがテロリズム防止になるのでしょうか?現実に、いったい、日本では外国人によってテロ行為が行われたことがあるのでしょうか?

たとえば、オウム真理教のサリン散布事件は日本人による犯行でした。アルカイダの犯行でもビンラディンの手下の犯行でもありません。

「日本人全員 / 外国人全員」という粗い区別の仕方は潜在的犯罪性や現実の犯罪発生率の点で合理的なものではなく、外国人からの生体情報一括収集は、政策の法的な正当性からみても、現実の効果やかかる費用の点からみても、重大な疑問が残るのです。

さらには、「外国人一般」への偏見と差別を拡大し、日本と日本人への外からの不信を増大し、外国と日本の間のあらゆる交流に不利となります。日本が鎖国をして日本国内だけで人も資源も食料も自給しているのならともかく、「外国人からなんと思われてもいい。日本人だけが安全であればいいのだ」という考え方はあまりにもばかげています。それに、日本人にだって犯罪者はいるのですから、「日本人だけの安全」なんてありえません。

犯罪を減らす方法は、犯罪と犯罪者に対する警察の捜査の徹底、犯罪の温床となる社会的環境の改善などであって、外国人を一括して犯罪者予備軍扱いして生体情報を一括収集することではありません。

ここで少し話を変えます。「人権」という言葉を上で使いましたが、ここを読んでくださっている方一人一人が「人権」について持っている理解は千差万別なのでしょう。私は、人権を考える基準としての「世界人権宣言」をよりどころに考えますので、それにもとづいてこの記事も書いています。ですから、この記事を読む方はぜひ世界人権宣言にも目を通していただくようにお願いします。

...世界人権宣言、目を通していただけましたか?では、人権を尊重するとはどういうことか、少し考えてみます。まず、絶対的な前提として、人権は誰であっても等しく尊重されなければなりません。たとえば、第5条に「何人も、拷問又は残虐な、非人道的な若しくは屈辱的な取扱若しくは刑罰を受けることはない。」とあります。普通の人はもちろん、犯罪者だからといって、罰という名目であっても虐待を加えてはいけないのです。罰は民主主義国であれば、法的に正当なものが決められており、それを逸脱する虐待は、たとえ「刑罰」という名目があっても認められません。

さて、そのことを確認したところで、ある政策が「人権の尊重」という原則と衝突し、人権の制約が行なわれる場合とは何か、それが認められる場合とは何か、認められ得る人権の制約とは何かという問題を考えてみます。

「人権」という言葉の意味を忘れかけている方は、次を読む前にもう一度「世界人権宣言」に目を通してくださいね。m(__)m

で、私の考える原則です。でも、これは私だけの勝手な考えではなく、人権を尊重する考えに適合していると思っています。

* 人権の尊重は最大限尊重されなければならない。

* 仮に、人権を一部制約する場合でも、それは、人権の制約につながらない他にとりうる手段をすべてとってもなお本当にやむをえない場合に限られる。

* また、やむをえない事情で人権を制約する場合でも、その人権制約は合理的かつ最小限でなければならず、また、恣意的、無制限であってもならず、永続的であってもならない。


今回の生体情報収集はこれらにことごとく適合しないのです。

別の角度からこれを説明するために、かなり反響を呼んだ私の最近のエントリー、
『強姦についての俗論を分析し、「強姦予防法」試案を小声で提唱してみる。 (追記3まであり)』
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-456.html
をもう一度引き合いに出してみます。

そのエントリーでは、強姦罪で女性が受ける被害の重大性と、ある割合で存在する男性側の強姦容認論、セカンドレイプ擁護論の怖ろしさにかんがみて、男性を一括して強姦予備軍とみなして、「この際男は全員潜在的なレイプ犯とみなして予防的に全員拘禁し、被害を受ける側の女性が解放してよいと認めた男だけを解放する」という内容を含む「強姦予防法」を「提唱」してみたわけです。

テロリズム予防のために人々の生体情報をもれなく採取、保存しなければならないのなら、強姦防止のために、男性の生体情報(指紋や虹彩の写真、もちろんDNAも含みます)ももれなく収集しておく、あるいは予防的に男性を拘禁することが女性の安全につながる...ということになります。テロよりも強姦罪のほうが発生率が高いわけなので、この「強姦予防法」が成立しても、男性の方々、もとい、「外国人からの生体情報を一律に採取する施策に賛成する男性の方々」、人権侵害だとはおっしゃらないでくださいね。笑

実は、ここまで書いたのは、日本に入国する外国人の指紋・生体情報採取問題についての前回のエントリーに、この「新制度」に賛成のコメントをいくつかいただいたからでもあります。これらのコメントには、賛成側の方々の正直な気持ちが含まれているのでしょう。上に書いたことがそれらの人々に対するお答えでもあります。

匿名性の高い無個性なハンドルネームのコメントは本来受け付けるつもりはないのですが、この件に関しては匿名性ゆえにむき出しの本音が出ているとも考えられるため、それらもいくつか、あえて以下に出すことにします。(一部です。全部ではありません。)

人権侵害?全くそう思いません
日本のイメージ?日本国は信用ならない犯罪国家という感じが漂ってきてますが、別にどうとも思いません。誰が信用できるのかを間違えて失敗するのは本人ですから。



件名 : 指紋押捺賛成です

テロリストの入国防止云々よりも、犯罪歴のある人間の再入国防止に役立ちそうであり、賛成します。
他人の善意に頼ってきた結果、外国人の犯罪がこれだけ増えた現状を考えればこの処置は当然と思います。
他国からどう思われても、安全な社会である方がよいです。また、外国籍の在留者にも行っていただきたいですね。
脛に傷が無いなら問題はないはずですから。
まあ、私は日本人全員やっても良いと思ってます。犯罪の抑止力にもなりそうですから。
以上、駄文にて失礼しました。



日本に入国する外国人の指紋採取、顔写真撮影義務付けに大賛成します。日本ではすでに北朝鮮による拉致というテロに遭遇しているのです。ましてや自衛隊を海外に派兵して拉致被害者を取り返すこともできないのが現状です。又、外国人犯罪者の場合、国内で逮捕できない場合、帰国されると捜査できない場合が多々あります。できれば日本国籍を持たない、長年居住しながら帰化することもなく、特別永住者という不自然極まりない存在にも適用すべきです。



これらの書き込みは、上で説明した人権に関する原則を全然もしくはほとんど踏まえていないのです。たとえば、犯罪歴のある人間の入国を断るにしても、犯罪歴のない人々の生体情報をとる必要はありません。犯罪歴があればデータが警察にあるでしょうから、それだけを使えばいいのです。なんとなく「役立ちそうだから」という理由だけでこんな大掛かりな人権侵害の制度化を認めることはできないのです。

同様に、うえに引いた意見では、北朝鮮の拉致をあげていますが、それに対処するのになぜそれとは関係のない他のすべての外国人からも生体情報をとるのか正当化できる理由を述べていません。

もう一度繰り返させていただきます。

* 人権の尊重は最大限尊重されなければならない。

* 仮に、人権を一部制約する場合でも、それは、人権の制約につながらない他にとりうる手段をすべてとってもなお本当にやむをえない場合に限られる。

* また、やむをえない事情で人権を制約する場合でも、その人権制約は合理的かつ最小限でなければならず、また、恣意的、無制限であってもならず、永続的であってもならない。


「犯罪者への対処のために、犯罪者でない人々の人権を侵害することは許されない」というのも付け加えていいかもしれません。

どうしても外国人の生体情報を収集することに賛成したいのなら、私は、それと同じ論理にもとづいて、上で書いた「強姦予防法」の成立、施行を強く主張しなければならなくなります。その時のエントリーには、「自分の考案した強姦防止法を改めて見なおしてみ?かなり差別的な法案になると思うよ?」というコメントが、私の記事の真意を読めていなかった反対者からついたのですが、この外国人対象の生体情報採取も同じように人権侵害であり、それに加えて、外国人のみを対象にするということで差別的であり、許されないのです。

最後に、私の説明を補強してくれる記事(とコメント)を書いている記事も紹介させてください。

●ミクロネシアの小さな島・ヤップより
じぶんの指紋や顔写真はお上に渡したくないもんね!
http://suyap.exblog.jp/6562207/#6562207_1



自公チュー政治に有権者、納税者からの「ノー」を!

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8件のコメント

[C1919] コメント欄TBです

「郵便局」を信じるな!
http://kihachin.net/klog/archives/2007/12/diamond071222.html

「週刊ダイヤモンド」(12/22号)の郵政民営化批判特集は必読ですよ!
http://dw.diamond.ne.jp/index.shtml

[C1923]

 こんばんは。
 もともと悩んでいた問題のところ、こちらの記事を拝読したので、問題提起をしてみたいと思いコメントを書いたのですが… あまりに長くなりすぎてしまい、そのまま書き込んでページを荒らしてしまうのが申し訳なかったので、自分のブログの記事にしてTB送らせていただきました。
http://8910-1000.at.webry.info/200712/article_15.html
 作法から外れているのは、大変申し訳ありません。

 お考え、もし書かれることがありましたら、お返事はご都合の良い場所に書いていただければと思います(こちらでも、拙ブログでも、あるいは新記事としてでも)。無理強いするつもりは毛頭ないのですが、他の方のお考えを知る機会が得られればうれしいです。
  • 2007-12-18
  • 投稿者 : birds-eye
  • URL
  • 編集

[C1925] >birds-eye様

ざっと記事を読ませていただきました。注意深く読んでいただいたことがよくわかる問いかけをありがとうございます。たとえば歴史問題や死刑廃止問題で私と正反対の意見を持つ方も、このくらいていねいに私の意見や資料を読んで、このくらい筋道立ててていねいに私の意見への批判を書いてほしいと思ったりして。

お書きいただいた内容はもちろん問題意識として記憶しておこうと思いますし、できればお返事したいところですが、内容的にも時間的にも今すぐにお返事できるかどうかは今なんとも言えません。少しお待ちいただけますか。結果としてお返事できなかったらごめんなさい、になりますが...。
  • 2007-12-19
  • 投稿者 : 村野瀬玲奈
  • URL
  • 編集

[C1928] 歴史・文化的な面から

ひところ、中学校での丸刈り強制が問題になったことがあります。最近では好んで丸刈りにする人も多いですから、問題になったのはその強制性です。
人間の髪の毛一本でも奪えば、それは罪です。なぜならヒトの体は親から受け継いだ、いわばヒトの歴史と尊厳が詰まったものだからです。髪の毛一本でも不当に奪うことは、それは肉体的な苦痛を全く伴わなくとも、相手の人生に対する侮辱となる。(決闘だ!)

なぜ昔の人たちは、「名前」や「髪の毛」を奪うことによって、ヒトを呪うことができると考えたのか。(丑の刻参り)それはとりもなおさず、「名前」や「髪の毛」を奪われることが、そのヒトにとって重大な尊厳の侵犯だったからです。
ヒトは皆、自分自身について「ワタシはどこから来たのか」神話を持って生きている。ヒトの意識の根源が解明されない以上、当り前のことです。その神話が侵された時、ヒトは自らの根源・家族が侵されたと感じる。「文明人」が「未開人」のタブーに触れることで様々な不幸を引き起こした歴史、日本においても命より家名を重んじる層がいた歴史を考えれば、理解しやすいと思います。

指紋や顔写真もこれと同じなのですよね。どちらもそのヒト固有の、そのヒトと家族にとってはかけがえのない宝物です。第三者がそれを横取りしていくとなれば、まさにその「横取りしていく態度」が原因となって、現代のマゼラン殺しが勃発したとしてもおかしくはないと考えます。
ワタシなどの類は閉鎖的な農村文化の出ですから、指紋も顔も「親から授かった」ものという連続性・歴史性によって自己を規定している訳です。従ってこれに対する侵犯は、「わが一族に対する侵犯」として受け止めることになりますね。
  • 2007-12-19
  • 投稿者 : 人生アウト
  • URL
  • 編集

[C1929]

こんにちは。
この件について、私も拙いながら記事を書きました。
ぜひ、玲奈さんの充実した記事をTBしていただけませんか。
  • 2007-12-19
  • 投稿者 : さくら
  • URL
  • 編集

[C1931] お礼 & 人生アウト様へ

>村野瀬さま
 お忙しい中あつかましいお願いに応えて記事を読んで下さり、ありがとうございます。批判的な記事内容だったのに好意的に受け取っていただけたこと、本当にうれしく思います。
 お返事については、僕としても無理強いするのは本意ではありません。どうかお気遣いなく、機会があれば思い出していただければと思います。


>人生アウト様
 「名前」「髪の毛」「指紋」など自分自身に関わるものを尊く思い、それを根拠に制度に反対される方がおられることがよく分かりました。ご意見、非常に勉強になりました(もしも僕の記事へのコメントでもあったのなら、ありがとうございます)。
 しかし、一方で「制度容認派」の立場は、この点について考え方が異なるようです。曰く「自分は指紋を採られてもかまわないから、いいんじゃないか?」 これは、様々な人がそれぞれの考えを持つ、個人の価値観の問題だと思います。
 僕は以下の二点を悩んでいます。
  ・「価値観の問題」という理由を持ち出してしまう前に、他に検討すべき問題はないか?
  ・仮に「価値観の問題」であるならば、この二つの立場でどう折り合いをつけて社会的同意を作り、
   制度の採否を決定すべきか?


 今のところの僕の答えです。
 一つめの点は、このことを考えるために先の記事を書きました。価値観の問題を抜いて考えるなら今の僕は「修正して容認」です。
 二つめの点、価値観については、これは国民の相対的多数を占める価値観に従って政策を決めるしかないと考えています。(※必ずしも「絶対多数」である必要はありません。例えば「指紋は嫌」派が4割しかいなくても、その4割にとってこの問題が人生の根幹に関わる重大な問題で、残りの6割にとっては「どっちでもいいけど僕は気にしないよ〜」程度の認識であれば、制度は否定されるべきです。)

 ご意見拝読して僕の考えを述べさせていただきました。
  • 2007-12-19
  • 投稿者 : birds-eye
  • URL
  • 編集

[C1934] な、長いorz…すみません

>birds-eye様
こんにちは。レスありがとうございます。
>価値観以前に検討すべきもの
指紋採取による犯罪抑止効果は、もちろんあると思います。人間が犯罪や外国旅行を行えるのは10代〜80代くらいでしょうから、今からデータベースの蓄積を始めて、70年後には水も漏らさぬデータベースが完成すると思います。
現在20歳の外国人青年が入国し、これの指紋を採取。データはずっと保存されますから、例えば彼が40代になって日本で犯罪を犯した時、簡単に検挙できるでしょう。彼が子を持ち孫が生まれ、80代に来日した時には、三世代揃ってデータベースに指紋が連なるわけです。
これらは、2030年になっても2050年になっても、しかるべき権限を持った立場の人間ならば閲覧可能でしょう。

年月を経て、データが蓄積され整理されるに従って、ますます犯罪抑止効果は高まります。
問題は、この巨大なデータの塊に責任を負いうる個人が存在しえるのか、ということだと思います。あまりにも便利なこのデータベースは、無論多くの人から支持されます。善用したいと考える人も、悪用したいと考える人もいます。どこまでも発展を続けるデータベースに対して、責任の取れる役職とは一体どのようなものでしょうか。
どんな仕事でもそうですが、無限に責任がある職業は存在しないと思います。誰しも、有限な責任を有限時間背負うことで有限な対価を得、仕事時間外には一個人に戻ります。
しかしこれだけのデータベース、「役職中の十年は責任もつけど後は知らないよ」では困る訳です。データは蓄積され続ける訳ですから、時間が経つほどにシステムの「重み」は増します。前任の責任者より、後任の責任者はその責任が大きくなる。
5年後10年後のデータベースに責任を持つことは可能でしょう。しかし60年後70年後、大きく成長したシステムに責任を持ちうる個人が存在しえるのか。この、システムの無限性が人間には負いきれないのではないかと考えています。

>価値観の問題
長くなってしまいましたので(汗)、こちらは短く…。
「自分は指紋を採られてもかまわないから〜」というのは、「自分は指紋を採られたくない」との対立概念ではないのですよね。
1.「自分は指紋OK」「他の人も指紋OKでしょ?」
2.「自分は指紋OK」「でも他の人の指紋強制はNG」
3.「自分は指紋NG」「他の人のもNG」
4.「自分は指紋NG」「でも他の人の指紋は採る」
の四つに大別されて、最後のひとつは論外ですので(笑)、残り三つ。
これらは、「自分の指紋にどんな価値観を持つか」「他人の指紋にどんな価値観を持つか」の組み合わせですよね。「自分の指紋」については、純粋に価値観の問題で人それぞれ。
しかし「他人の指紋」については、人それぞれな価値観の問題ではなく、人権の問題に収束すると考えます。
自分の指紋をどう扱うかはさておき、他人がその人の指紋をどう扱うか干渉しない。これは価値観の問題ではなく、近代社会の土台をなしているものだと考えます。これを否定してしまえば、社会が根っ子から否定されてしまう…というのが村野瀬さんや世界人権宣言の骨子だと思います。
  • 2007-12-19
  • 投稿者 : 人生アウト
  • URL
  • 編集

[C1937] >人生アウト様

 お返事ありがとうございます。

 いただいたお返事の前半は、「超長期的に行政システムが個人情報を管理する不安」という内容と拝読しました。おっしゃることは大変よく理解できます。
 ただ、その点は戸籍情報なども同じなので、この一点だけで制度を否定する決定打にはならないかなとも思います。戸籍が国民の幸福に寄与しているのと同じように、指紋情報が国民の情報に寄与するか? その点が問われるのだと思います。
 政府が国民の個人情報を取得し管理するのは、その漏洩リスクに見合ったメリットがなければならず、その場合でも細心の注意の元に厳重な管理がなされるべきだと思いました。逆にメリットに見合わなかった場合に、その制度が否定されるのだと思います。


>価値観の問題
 思わずうなってしまいました。おっしゃることは非常に説得力があります。確かに「他人に自分の価値観を押しつける」のは、思想の自由を侵すもので、正当な理由がなければ人権侵害です。

 ただ、制度のメリットによっては留保がつくのではないでしょうか? というのが僕のお返事になります。

 一般論として、今回のように個人の価値観が絡む社会制度を検討するときは、個人それぞれの価値観とは別に社会で共有された価値観を構築し、その物差しによって制度の功罪を評価する物だと僕は考えています。これが「社会的合意」だと思います。
 そしてそれは、社会的合意から外れた価値観を持つ少数派には不自由をかける事でもあると思います。(※決して僕は少数派の価値観を軽視するつもりはありません。やむを得ない事情で不便を忍んでもらう、ということです。)

 例えば今の日本では、信条を持ったヌーディストであっても全裸で街を闊歩することは許されない事になっています。それは、裸を許す弊害(性犯罪? 通行人の不快感?)を防ぐ方が、信念あるヌーディストに服装の自由を保障することより価値があると、「社会的合意」があるからだろうと思います。
 (※決してヌーディズムを否定するつもりもありません。例の一つとして挙げました。)

 今回の指紋認証制度では、「犯罪防止の効用」と「指紋を採られない尊厳」にどれほどの価値を≪社会として≫見積もるか、という点が議論になっているのだと思います。その意図で、僕は前コメントで「社会的合意」と述べました(誤字ってますが… orz)。

 「俺は指紋を採られても平気だから、社会的にも尊厳の保護は10の価値でみな納得するだろう。でも犯罪防止は50の価値がある。いやガイジンは犯罪者だから100の価値があるはずだ」
 という人と、
 「指紋は自分のアイデンティティだから、尊厳の保護は80の価値くらいは認められるべきだろう。犯罪は日本人だって犯すんだから、外国人渡航者だけ縛ることには5ほどの価値もない」
 という人が議論する中で、
  ・いかにして不当な偏見を排除し
  ・いかにしてより多くの人が納得できる社会的合意を形成するか

 ということに悩んでいる、というお話でした。

 以上、長文失礼しました。

※大変申し訳ないのですが、
 以後のレスが少し遅れるかもしれません。
 私事ですが所用で家を空けますので。
 ご容赦いただき、気長に待っていたければ幸いです。
  • 2007-12-19
  • 投稿者 : birds-eye
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村野瀬 玲奈

Author:村野瀬 玲奈
日本の民主主義化運動のために、国会議員、行政機関、マスメディアに主権者、納税者、市民の声を届けるお手伝いをするサイバー政治団体(笑)「世界愛人主義同盟」秘書。護憲派アマゾネス軍団労働組合所属(笑)。派遣秘書としてこちらにも勤務(笑)。
この秘書課広報室備え付けの国会議員の政党別・委員会別・都道府県別などの名簿の一覧と使い方はこちら。たとえば、民主主義的の原則からして正当で透明度の高い政策や立法を行なうように民主党幹部に要望の投書をするなど、自由にご活用ください。名簿の最終更新日は2008年1月23日。
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「世界愛人主義同盟」(笑)は死刑に反対です

『司法の現実の中では、死刑とは何でしょうか。12人の男女の陪審員。2日間の審問。事件にまつわることがらの奥底まで触れることは不可能。そして、数十分、時には数分で罪悪性についての非常にむずかしい問題に断定的に判断をくだす。それ以上に、ほかの人の生死を決定するという恐ろしい権利もしくは義務。12人の人が、ある民主主義国で、次のようなことを言う権利があるというわけです。「こいつは生きていてよい、こいつは死ななければならない!」と。私ははっきり申します。この司法の構想は、自由の国のそれではありえません。まさに、そこに含まれる全体主義的な意味のゆえにそう言えるのです。』

1981年9月17日、フランス国民議会、死刑廃止法案の審議における、法務大臣ロベール・バダンテール Robert Badinter の演説から引用)

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世界人権宣言を読もう

『第十九条 すべて人は、意見及び表現の自由に対する権利を有する。この権利は、干渉を受けることなく自己の意見をもつ自由並びにあらゆる手段により、また、国境を越えると否とにかかわりなく、情報及び思想を求め、受け、及び伝える自由を含む。』

命落とすな自公を落とせ

ココロさんの標語が出発点になって、なごなぐ雑記さんがデザイン

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