東電福島第一原発の燃料棒取り出し作業には人類史上最大級の危険が伴うと思った方がよいのか。 (5)

　　

「東電福島第一原発の燃料棒取り出し作業には人類史上最大級の危険が伴うと思った方がよいのか。 (4)」のさらに続き。

まず、福一の燃料棒取り出し作業について警鐘を鳴らしている『ウィンザー通信』ブログの2013年10月25日の記事「最新の核燃料棒取り出しプランはあまりにも酷く不適切。この惑星を東電から守るためにも断固中止に！」という記事などで知った、村田光平氏という元外交官の人のサイトを紹介しておきます。

●村田光平 オフィシャル サイト
http://kurionet.web.fc2.com/murata.html

自らの元外交官としての立場から、日本の国内外の要人に対して燃料棒取り出し作業についての要望を出してそれをこのサイト上に公開しています。目を通していただきたくご案内します。

そして、週刊朝日の少し前の号の記事をメモ。

●週刊朝日-朝日新聞出版｜dot.（ドット）
専門家が本気で心配する福島第一原発4号機の燃料棒溶融
http://dot.asahi.com/news/domestic/2013103000005.html
(更新 2013/10/30 07:00)

　福島第一原発の汚染水漏れがいまだに止まらず、「完全にブロック」発言の修正に追われる安倍晋三首相。ほとんど報じられていないが、新たな危機に今、直面している。11月から始まる4号機からの燃料棒の取り出しだ。燃料プールに残された1533本もの燃料棒を、4号機から約50メートルの距離にある共用プールに移す。

　プールからの移動は原発事故前にも行われていたが、事故で破損した不安定な原発での作業は世界初で、“未知の世界”だ。事故前に燃料棒の移動に携わっていた元大手原発メーカー社員が語る。

「作業には熟練の技術が必要。まず水中で機器を操作し燃料棒を数十体ずつキャスクという金属容器に詰める。燃料棒をちょっとでも水から露出させたら、作業員は深刻な被曝を強いられる。水中で落下させて燃料を覆う金属の管が破れても汚染は深刻。フロアの全員退避は避けられない」

　無事にキャスクに詰めたら、今度は大型クレーンで空中に吊り上げ、専用トレーラーに載せて共用プールまで移動。そこで取り出しとは逆の工程を行い、燃料棒をプールに収める。

　ここが、最大の難関だという。クレーンで吊っている最中に大地震など不測の事態が起きた場合、約100トンもあるキャスクが地上に落下する恐れがあるのだ。廃炉工程を検証している「プラント技術者の会」の川井康郎氏が指摘する。

「キャスクが落下して破損し、中の燃料が露出したら、大量の放射性物質が放出される。作業員はもう近づけません。燃料棒はまだ崩壊熟を帯びており、本来は常に冷やし続けなければならない。長時間放置すると燃料が溶融する可能性があります。こうなると燃料の回収は困難になり、作業全体が頓挫してしまう」

　むき出しになった燃料は、「人間が近づけば即死」（原子力工学の専門家）というすさまじい放射線量だ。こうなると、1～3号機のメルトダウンに匹敵する深刻な危機に直面する。東電の今泉本部長代理によれば、キャスクは事前に落下試験を行って頑丈さを確認しているが、実際の作業では試験以上の高さまで吊り上げるという。

「落ちれば当然、何らかの破損があることは想定される。ワイヤを二重にするなど、落下させない対策をしっかりやる」（今泉氏）

　だが、東電はこんな危険な作業を、4号機だけでも2014年末まで、約1年間も延々と続けなければならないのだ。

　それならやめればいいかというと、そうはいかない。4号機の建屋は、今も地震や地盤沈下による倒壊の危険があるからだ。プールが壊れて1533体もの燃料がむき出しになった場合、放出される放射性物質はチェルノブイリ事故の約10倍ともいわれる。「東日本に人が住めなくなる」と言われる最悪の事態だ。作業が頓挫して現場に近づけなくなれば、危機を解決する手段が失われてしまうのだ。

「危険な作業でも、やらねばならないのは確か。われわれの命にかかわるので、作業の映像を全公開してほしい」（前出の川井氏）

　先の原発メーカー元社員は、記者の前で手を合わせて拝むしぐさをしながら、こう語った。

「まさに“神頼み”。私が携わった通常の取り出し作業は年に数回なので、地震の確率は『ないもの』として無視していた。1年もの長丁場で、大地震が起きない保証はない。原発の最大の恐怖は原子炉ではなく、大量の放射性物質が格納容器にも守られずに1カ所に集まった燃料プールなんです」

　そして無事に1533体を運び終えても、問題が解決したわけではない。1～3号機のプールにはさらに計約1500体の燃料がある。燃料を運び出した先の「共用プール」は、6千体以上の燃料棒で満たされたままだ。作家の広瀬隆氏がこう語る。

「共用プールも、いつ余震でヒビが入り水が漏れだすかわからない。プールに移すのではなく、水を使わない『乾式キャスク』に入れて地上で保管するように東電に求めているのですが、聞く耳を持ちません」

※週刊朝日 2013年11月8日号

（転載ここまで）

そして、上記の『ウィンザー通信』ブログの記事の呼びかけを紹介して今回は終わります。

●ウィンザー通信
『福島第一原発第4号機、使用済み核燃料棒の取り出しについての要望』を送ろう！自分で声を上げよう！
http://blog.goo.ne.jp/mayumilehr/e/cc56b69c2eca09b32c154e015c0d3a98
2013年11月09日

フェイスブック友のKazuya Shintoさんが、こんなん考えてくれはりました。

↓以下、転載はじめ

燃料棒取り出しについての要望を、コピって東電へ送信しよう！

ご協力何卒宜しくお願い致します。
やり方は、簡単です。

１. 下記の、『第4号機使用済み燃料棒取り出しについての要望』以下の文章をコピって下さい。（あなたのオリジナルでももちろんオッケーです！）
２. URL（右記の青文字部分）⇒https://www4.tepco.co.jp/info/custom/service/form-j.htmlをクリックして下さい。
３. 東電の『ご意見・ご要望』受付の画面が出てきますので、ご意見のところに、１.でコピッた文章をペーストして下さい。
４. そして送信。

東電からの返信が欲しい方は、ご自分の情報などを入力して下さい。
返信いらない、匿名でイイ、という方は、ペーストだけでも送信可能です。
実際、二通りのやり方で送信できました。
只今返信待ち。

燃料棒取り出しについての要望

出来れば、アメリカのエネルギー省だけでなく、世界中の叡智と技術、そして莫大な予算をつぎ込み、
別の方法で収束していただきたいのが本音です。
しかし、何が何でも、福一の燃料棒を取り出す、というのであれば、以下、要求致します。

一、直ちに日本国民に対して、メディア・マスコミを通じ、きちんとした公聴会を開催してください。
　
二、開始するなら、24時間、ライブカメラなどによる現場の撮影を含め、徹底的な情報公開をしてください。

三、福一周辺住民、及び近県住民、並びに、関東圏内住民に対する、緊急時の避難経路における、徹底的な対策を確立してください。

以上三点、遵守出来ないのならば、燃料棒の取り出しというあまりにも危険すぎる作業は、即刻中止してください。
世界中が、あなたがた東電の蛮行を、固唾を呑んで注目しています。
ご存知ですか？

危険なのは百も承知で開始する、と言うのであれば、あなたがた東電は、本当に頭が狂っている。
日本ばかりか、世界中を敵に回したら、どうなっても本当に知りませんよ。

いかがですか皆さん。
できる事をできる人が。
それも、とんでもなく多くの数でやる。
それが市民の力の見せどころです。
せっかく作業開始が延期されたのですから、これをチャンスとして使いましょうよ。
始まってしまうまでに、とにかく、せめてちゃんと避難できるように、それぐらいきっちりさせましょう。
報道も、呆れかえってばかりいないで、そろそろガツンと喝を入れてあげましょう。
あなたは日本の主権者であり、国民であるということを、思い出してください。

あなた方は家畜でも奴隷でもありません。
ましてや、ただの金のなる木で、生きても死んでもただのone of themでもありません。
人間の誇りとしぶとさを、取り戻してください。

（転載ここまで）

アメリカがこの燃料棒取り出し作業に協力するとのことですが、日本の「宗主国」であるアメリカだけでは不足です。もっと広い世界からの協力と監視を受け入れるべきだと思います。

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