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「意思の力! と叫んで日本人が肺病やみのような咳をした」
「意思の力! と新聞屋が云う。意思の力! と掏摸が云う。意思の力が一躍して海を渡った。英国で意思の力の演説をする。独逸で意思の力の芝居をする」
「東郷大将が意思の力を有っている。肴屋の銀さんも意思の力を有っている。詐偽師、山師、人殺しも意思の力を有っている」
「意思の力はどんなものかと聞いたら、意思の力さと答えて行き過ぎた。五六間行ってからエヘンと云う声が聞こえた」
安倍首相の施政方針演説を一読して、こういうパロディを思いつきました。
そして、思いました。
その意志の力で、オスプレイを飛ばさなくてもよい国際政治環境を外交力でつくりあげてほしい、と。
その意志の力で、東電福島第一原発の惨状を本当に収束させて、放射性物質を消し去って、放射性物質の拡散を完全にストップしてほしい、と。
そういう意志の力が存在しないのであれば、そんな「意志の力」とは単なるお題目、表面的で中身のない精神論にすぎません。
たしかに、意思の力で苦境を乗り越えた人もたくさんいます。しかし、たとえば、障がい者がみんなパラリンピックの運動選手になれるわけではありません。周囲のサポートを受けられる人もいますし、受けられない人もいます。一人の成功者の例を引いて全員にそれと同じようにしろというのは、人それぞれの境遇や事情があるのですから、現実には不可能です。
また、次のような現実もあります。現在の日本の自民党政治で行なわれているのは、苦境にある人を支援せずにむしりとって、努力だけを強制するという手口なのです。人々のがんばりが自民党政治によって足を引っ張られている状態です。貧しさから抜け出そうと必死に働いていると、貧しい親の面倒もみろと自民党政治に足を引っ張られるのです。かくして貧しい人はますます貧しくさせられるのです、自民党政治によって。
そもそも安倍本人は、権力を持っていた保守政治家の家庭に生まれて苦労もせず育ち周囲から持ち上げられて苦労もせず政治家になり、苦労もせず首相になりました。そういう幸運のもとに生まれた幸運なお坊ちゃまが、そのような特権的環境とは縁がない国民に向かって、「裕福な政治家の家庭の子どもとして生まれる努力をしなかった人も、意思の力をもってがんばればトップに立てる」と説教しているように聞こえてしまいます。そんな説教を私は屈辱と感じます。
安倍演説に戻りますと、これを評する新聞記事・社説がけっこう物足りなく思われたのですが、ある程度良いと思ったものを二つだけ記録します。
●北海道新聞[社説]
首相所信表明 独り善がりが目に余る
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/498196.html
2013年10月16日
安倍晋三首相がきのう開幕した臨時国会で所信表明演説を行った。
デフレ脱却を目指す成長戦略や国際貢献の枠を広げる「積極的平和主義」を推進するという。環太平洋連携協定(TPP)の年内妥結も明言した。
日本が進む道はこれでいいのか。多くの国民が疑問を抱いている。首相はそれに答えず、「この道しかない」と言って前に進もうとする。
あまりに独善的ではないか。
多様な意見に耳を傾け、自らの考えをきちんと説明して広く理解を得るのが民主政治の姿だ。異論を切り捨てて独走することは許されない。
1月の所信表明演説で首相は、体調を崩して首相を辞任した経緯に触れ「過去の反省を教訓として心に刻み、丁寧な対話を心掛けながら、真摯(しんし)に国政運営に当たる」と誓った。その決意はどこへいったのか。
きのうの演説で首相は自らの経済政策によって「世の中の空気が一変した」と主張した。だがアベノミクスは「期待」の膨張が止まり、賃上げの実現性や消費税増税をめぐる「不安」の方が増大しつつある。
世の中の一面だけを見て全てよしとするかのような言い分は「真摯」な態度からはほど遠い。
外国訪問では持論の「積極的平和主義」を説いて回った。集団的自衛権の行使が念頭にあるようだ。専守防衛を逸脱する懸念が大きい政策を、国会の審議も経ずに外国で吹聴する態度は到底理解できない。
首相の安全保障政策には野党だけでなく与党にも異論がある。東京電力福島第1原発の汚染水流出が続く中での原発再稼働方針や、復興法人税の前倒し廃止にも反発が大きい。
掲げた方針が全て正しいとは限らない。批判を謙虚に受け止め、政策に反映させなければならない。
ところが首相は聞く耳を持たないかのようだ。演説でも「『意志の力』さえあれば困難を乗り越えられる」と訴え、前ばかり見ている。
夏の参院選で勝利し、衆参両院のねじれ状態を解消したことが背景にあるのだろう。首相が頼るのは「意志の力」よりも「数の力」ではないのか。有権者は白紙委任したわけではないことを肝に銘じるべきだ。
自信過剰気味の首相は次第に国民の目線を失いつつある。「水俣条約」採択会議に「日本は水銀による被害を克服した」とメッセージを送り、被害者らから反発を受けた。
麻生太郎副総理兼財務相の「ナチス発言」など政権内で不適切な言動があっても厳しい姿勢を見せない。
自分の「意志」と国民の思いは一致しているのか。それを常に確かめながら歩を進めるのが政治リーダーのあるべき姿だろう。
(転載ここまで)
●東京新聞 (TOKYO Web)
首相 所信表明 復興・暮らし 具体策なく 国民の「なぜ」に応えず
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013101502000059.html
2013年10月15日 夕刊
安倍晋三首相は十五日午後、衆参両院の本会議で所信表明演説を行う。首相はデフレ脱却に向け、企業優先の成長戦略の実行へ決意を示す。しかし、政権の「看板」である成長戦略をどのように雇用の拡大に結びつけ暮らしの向上につなげていくか、具体的な施策は示さない。東日本大震災の復興の加速も宣言するが、安倍政権の経済政策によって復興が遅れている現実がある。また政府・与党が今国会に提出・成立を目指し、国民の「知る権利」を制限する恐れがある特定秘密保護法案には触れない。=所信表明要旨<2>面
首相は演説で「デフレからの脱却はいまだ道半ば」と指摘し、成長戦略の柱として企業を支援する姿勢を鮮明する。
具体的には、東京五輪開催決定で日本への投資が増えることを見込み企業対象の規制を大幅に緩和する「国家戦略特区」を創設する意義を強調。企業に設備投資などを促す「産業競争力強化法案」の早期成立を念頭に、今後三年間を「集中投資促進期間」とし、税制、予算、金融、規制制度改革などあらゆる施策を総動員して、企業を支援すると表明する。
その上で「(成長戦略の)目指すところは若者・女性をはじめ、頑張る人たちの雇用を拡大し、収入を増やすことにほかならない」と述べるが、企業支援策とは対照的に、雇用対策の具体策は示さない。
東日本大震災の復興対策についても「(二十九万人の避難生活を送っている人が)一日も早くふるさとに戻って頂けるよう、除染やインフラ復旧を加速する」と強調するが、安倍政権が経済政策として全国で公共事業を増加させたことによって、被災地で資材や作業員を調達しにくくなり、影響が出ている。
日本版「国家安全保障会議(NSC)」について「官邸における外交・安全保障政策の司令塔機能を強化する」と、創設に向けた関連法案の今国会での成立に意欲を示すが、関連法案と同時成立を目指す特定秘密保護法案については言及しない。
◆企業優先の成長戦略
<解説> 安倍晋三首相は所信表明演説で「決める政治」をキーワードに、環太平洋連携協定(TPP)交渉の年内妥結や来年四月の消費税増税に向けた決意を表明する。しかし、首相の持論を羅列するだけで、国民が抱く疑問や不安には応えない。
首相は演説でTPP交渉について「年内妥結に向けて、攻めるべきは攻め、守るべきは守る」と強調する。
しかし、政府・自民党は関税を撤廃させない「聖域」としたコメなど重要五項目の中で、関税撤廃できる品目があるかどうか検討を始めている。「聖域」を守るとしてきた公約は転換されたのだ。
それでも、首相は演説で「守るべきは守る」と従来の主張を繰り返すだけ。これまで他国とどんな交渉をし、なぜ公約を転換したのか、食料自給率や「食の安全」はどう守るのか、国民が知りたいことは語らない。
消費税増税を決断したことについても「社会保障制度を次世代に安定的に引き渡していく」と訴える。
しかし、増税に合わせて経済対策の実施を決めたことで、増収分の約八兆円のうち、五兆円は結果的に経済対策に充てられることになる。すべて年金や医療の社会保障制度に使って、財源を安定させ、将来への不安を拭うという消費税増税の目的は変質している。どう次世代に引き継いでいこうというのか。
東京電力福島第一原発の汚染水問題でも「対策を全力でやり抜く。東電任せにすることなく国が前面に立って責任を果たす」というが、現実は作業員が汚染水を浴び被曝(ひばく)するなど、トラブルは後を絶たない。決意だけで、具体策を示さなければ国民は安心できない。(城島建治)
(転載ここまで)
精神論ばかりで具体論が足りない一方で、少し具体的な数字が出てくるところは、たとえば雇用環境に触れたところなど、たくさんある指標のうち、自分の手柄然とした部分的な数字だけをクローズアップしてさも成果があったように針小棒大に手柄に見せかけています。他の指標を見れば、雇用環境や貧富の格差は悪化していることは明らかなのに、安倍政権はそれを一切無視するのです。
さらに、集団的自衛権行使を容認する憲法解釈見直しや、機密を漏らした国家公務員らへの罰則強化を盛り込む特定秘密保護法案など、平和主義や専守防衛や立憲主義や国民主権や基本的人権をこっそりとひっくり返そうという企みには触れないという卑劣さもあります。
こんな施政方針演説、安倍自民党政治を評価することは私には全く無理だし、「与野党が議論を深めてもらいたい」なんて決まり文句を言うことすら空しいと私はすでに知っています。
私の願いは、こんな安倍自民党政治の口先だけの二枚舌政治の決定的な誤りや失敗が一般国民にはっきりと、そしてできるだけ早く意識されて自民党政治が一日も早く終わることだけです。
最後に。「肴屋の銀さんも意思の力を有(も)っているし、詐偽師、山師、人殺しも意思の力を有って」いますが、安倍晋三本人はどうでしょうか。私の見るところ、安倍晋三本人が持っているのは「意志の力」というよりもむしろ、「自分だけの欲望」です。
私にとっての「意志の力」とは、マーティン・ルーサー・キング、ローザ・パークス、ネルソン・マンデーラ、アウンサンスーチーのような人たちの力であり、次の記事でのリンク先で紹介したような人たちのことです。安倍はじめ自民党の政治家はそれらの人たちの誰の足元にも及びません。
■「民主主義の偉人」が日本にはいない
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-4485.html2013-06-24
●国会議員への投書のための「議員一覧ポータルサイト」(1)→
http://publistella.jp/ (2)→
http://www.eda-jp.com/link/link1.html●マスメディアへの投書のための「News for the people in Japan」マスメディア問い合わせ用リンク集→
http://www.news-pj.net/link/media.html●他の社会系ブログに行くにはうちの「私的リンク集 (適宜更新)」経由で→
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-136.html *
*
***
記憶のための記録。
●時事ドットコム
所信表明演説全文
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013101500475
2013/10/15-14:56
【1、はじめに】
【特集】開くか、投資時代の入り口~始動するNISAの未来~
まず冒頭、過去に経験したことのない豪雨や、台風、竜巻により、亡くなられた方々に心から哀悼の意を表するとともに、被害に遭われた方々に対してお見舞いを申し上げます。高齢化や過疎に直面する被災地域も多く、そうした実態も踏まえながら、早期の復旧に向け全力で取り組んでまいります。
この道しかない。
「三本の矢」は、世の中の空気を一変させました。今年に入って、2四半期連続で、年率3%以上。主要先進国では最も高い成長となりました。昨年末0.83倍だった有効求人倍率は、8カ月で0.95倍まで来ました。
景気回復の実感は、いまだ全国津々浦々まで届いてはいません。日本の隅々にまでこびりついた「デフレ」からの脱却は、いまだ道半ばです。
この道を、迷わずに、進むしかありません。
今や、世界が、日本の復活に注目しています。ロックアーンでも、サンクトペテルブルクでも、ニューヨークでも、そしてバリでも、そのことを強く実感しました。
日本は、「もう一度、力強く成長できる」。そして、「世界の中心で、再び活躍することができる」。そうした未来への「希望」が、確実に芽生えています。
皆さん、共に、この道を、進んで行こうではありませんか。
【2、復興の加速化】
強い経済を取り戻すことは、被災地にも大きな希望の光をもたらします。東日本大震災からの一日も早い復興に向けて、取り組みをさらに加速してまいります。併せて、将来の大規模な災害に備え、強靱(きょうじん)な国づくりを進めてまいります。
被災地では、今も29万人の方々が、避難生活を送っています。高台移転は、ほぼすべての計画が決定し、用地取得や造成工事の段階に移りました。今後、市町村ごとの「住まいの復興工程表」を着実に実行してまいります。
福島の皆さんにも、一日も早くふるさとに戻っていただけるよう、除染やインフラ復旧を加速してまいります。
私は、毎日官邸で、福島産のお米を食べています。折り紙付きのおいしさです。安全でおいしい福島の農水産物を、風評に惑わされることなく、消費者の皆さんに、実際に味わってほしいと願います。
汚染水の問題でも、漁業者の方々が、「事実」と異なる「風評」に悩んでいる現実があります。しかし、食品や水への影響は、基準値を大幅に下回っている。これが、「事実」です。
抜本解決に向けたプログラムも策定し、既に着手しています。今後とも、東京電力福島第1原発の廃炉・汚染水対策を、全力でやり抜いてまいります。東京電力任せにすることなく、国が前面に立って、責任を果たしてまいります。
福島出身の若いお母さんから、1通の手紙を頂きました。震災の年に生まれたお子さんへの愛情と、ふるさとの福島に戻るかどうか苦悩する心の内をつづった手紙は、こう結ばれていました。
「…私たち夫婦は今福島に帰ろうと考えています。あの土地に家族3人で住もうとしています。私たちのように若い世代が暮らさないと、福島に未来はないと考えたからです」。
福島の若い世代は、しっかりと福島の未来を見据えています。
被災地の復興なくして、日本の再生なし。その未来への責任を、私は、首相として果たしてまいります。
【3、成長戦略の実行】
(新しい成長の幕開け)
チャレンジして「失敗」しても、それは「前進への足跡」であり、「大いに奨励」すべきもの。しかし、「失敗を恐れて何もしない」のは「最低」だ。
(ホンダ創業者の故)本田宗一郎さんは、こう述べて社員たちに奮起を促したといいます。先人たちのこうしたチャレンジ精神が、日本を高度成長へと導きました。
しかし、日本人は、いつしか自信を失ってしまった。長引くデフレの中で、萎縮してしまいました。
この呪縛から日本を解き放ち、再び、起業・創業の精神に満ちあふれた国を取り戻すこと。若者が活躍し、女性が輝く社会を創り上げること。これこそが、私の成長戦略です。いよいよ、日本の「新しい成長」の幕開けです。
(産業競争力の強化と経済の好循環)
果敢にチャレンジする企業を、安倍内閣は応援します。日本の持つ「可能性」を最大限引き出すことこそが、競争力を強化する道であると考えます。
新たに「企業実証特例制度」を創設します。あらゆる分野において、フロンティアに挑む企業には、新たな規制緩和により、チャンスを広げます。
事業再編を進め新陳代謝を促し、新たなベンチャーの起業を応援します。研究開発を促進し、設備投資を後押しして生産性を向上します。
そのために、今後3年間を「集中投資促進期間」と位置付け、税制、予算、金融、規制制度改革といったあらゆる施策を総動員してまいります。
その目指すところは、若者・女性をはじめ、頑張る人たちの雇用を拡大し、収入を増やすことにほかなりません。その実感を、必ずや、全国津々浦々にまで届けてまいります。
そのことが、さらに消費を拡大し、新たな投資を生み出す。「経済の好循環」を実現するため、政労使の連携を深めてまいります。
(成長分野でチャンスをつくる)
将来の成長が約束される分野で、意欲のある人にどんどんチャンスをつくります。
電力システム改革を断行します。ベンチャー意欲の高い皆さんに、自由なエネルギー市場に参入してほしいと願います。コスト高、供給不安といった電力システムを取り巻く課題を同時に解決できる、ダイナミックな市場をつくってまいります。
難病から回復して再び首相となった私にとって、難病対策はライフワークとも呼ぶべき仕事です。患者に希望をもたらす再生医療について、その実用化をさらに加速してまいります。民間の力を十二分に活用できるよう、再生医療に関する制度を見直します。
外国訪問では、私は、安全でおいしい日本の農水産物を紹介しています。どこに行っても、本当に驚くほどの人気です。かつて農業が産業として、これほど注目されたことがあったでしょうか。
意欲のある民間企業には、この分野にどんどん投資してもらい、日本の農産物の可能性を世界で開花させてほしいと願います。しかし、狭い農地がばらばらに散在する現状では、意欲ある農業者ですら、コストを削減し、生産性を向上することはできません。都道府県ごとに、農地をまとめて貸し出す、いわば「農地集積バンク」を創設してまいります。
併せて、成長する世界の食市場への農水産物の輸出を戦略的に倍増し、一手間かけて付加価値を増す6次産業化を進めます。これらによって、今後10年間で、農業・農村全体の所得倍増を目指してまいります。
(オープンな世界で競争する)
競争の舞台は、オープンな世界。日本は、「世界で一番企業が活躍しやすい国」を目指します。
7年後には、東京をはじめ日本中の都市に、世界の注目が集まります。特異な規制や制度を徹底的に取り除き、世界最先端のビジネス都市を生み出すため、国家戦略特区制度を創設します。
環太平洋連携協定(TPP)交渉では、日本は、今や中核的な役割を担っています。年内妥結に向けて、攻めるべきは攻め、守るべきは守り、アジア・太平洋の新たな経済秩序づくりに貢献してまいります。
公務員には、広く世界に目を向け、国家国民のため能動的に行動することが求められています。内閣人事局の設置をはじめ、国家公務員制度改革を推進してまいります。
(成長戦略実行国会)
やるべきことは明確です。これまでも同じような「成長戦略」は、たくさんありました。違いは、「実行」が伴うか、どうか。もはや作文には意味はありません。
「実行なくして成長なし」。この国会は、成長戦略の「実行」が問われる国会です。皆さん、しっかりと結果を出して、日本が力強く成長する姿を、世界に発信していこうではありませんか。
【4、強い経済を基盤とした社会保障改革と財政再建】
経済政策パッケージを果断に実行し、日本経済を持続的に成長させる。その上で、私は、来年4月からの消費税率3%引き上げを予定通り実行することを決断しました。
これから実行に移す経済政策パッケージは、かつてのような、目先の景気を押し上げるための一過性のものではありません。賃金上昇と雇用拡大などを実現するための、未来への投資です。
世界に誇るわが国の社会保障制度を、次世代に安定的に引き渡していく。そのためには、財源確保のための消費税率引き上げと同時に、保険料収入や税収の基盤である「強い経済」を取り戻さねばなりません。こうした取り組みの下、中長期の財政健全化目標の実現を目指します。
併せて、大胆に改革を進め、持続可能な制度を構築しなければなりません。少子化対策を充実し、全世代型の社会保障へと転換してまいります。医療、介護保険、公的年金について、受益と負担の均衡が取れた制度へと、具体的な改革を進めてまいります。高齢者の皆さんが安心して暮らせる社会を構築します。
「心(しん) 志(し)あれば 必ず便宜あり」
意志さえあれば、必ずや道は開ける。中村正直は、明治4年の著書「西国立志編」の中で、英国人スマイルズの言葉をこのように訳しました。
欧米列強が迫る焦燥感の中で、あらゆる課題に同時並行で取り組まなければならなかった明治日本。現代の私たちも、経済再生と財政再建、そして社会保障改革、これらを同時に達成しなければなりません。
明治人たちの「意志の力」に学び、前に進んで行くしかない。明治の日本人にできて、今の私たちにできないはずはありません。要は、その「意志」があるか、ないか。
「強い日本」。それを創るのは、ほかの誰でもありません。私たち自身です。
皆さん、共に、進んで行こうではありませんか。
【5、現実を直視した外交・安全保障政策の立て直し】
相互依存を深める世界において、世界の平和と安定に積極的な責任を果たすことなくして、もはやわが国の平和を守ることはできません。
これは、私たち自身の問題です。
戦後68年にわたる平和国家としての歩みに、私たちは胸を張るべきです。しかし、その平和を将来も守り抜いていくために、私たちは、今、行動を起こさねばなりません。
単に国際協調という「言葉」を唱えるだけでなく、国際協調主義に基づき、積極的に世界の平和と安定に貢献する国にならねばなりません。「積極的平和主義」こそが、わが国が背負うべき21世紀の看板であると信じます。
石垣島で漁船を守る海上保安官。宮古島で南西の空をにらみ、ジブチで灼熱(しゃくねつ)の下海賊対処行動に当たる自衛官。極限の環境でも高い士気を保つ姿を目の当たりにしました。彼らは、私の誇りです。ご家族にも感謝の気持ちでいっぱいです。
彼らは、現場で、今この瞬間も、「現実」と向き合っています。私たちも、安全保障環境がますます厳しさを増す「現実」から、決して目を背けてはならない。
私は、「現実」を直視した、外交・安全保障政策の立て直しを進めてまいります。
国家安全保障会議(日本版NSC)を創設し、官邸における外交・安全保障政策の司令塔機能を強化します。これと併せ、わが国の国益を長期的視点から見定めた上で、わが国の安全を確保していくため、「国家安全保障戦略」を策定してまいります。
さらに、日米同盟を基軸とし、自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった価値観を共有する国々と連携を強めてまいります。
在日米軍再編については、抑止力を維持しつつ、沖縄をはじめとする地元の負担軽減を図るため、現行の日米合意に従って着実に進めます。
拉致問題については、私の内閣で、全面解決に向けて、全力を尽くしてまいります。
首相就任から10カ月間、私は、地球儀を俯瞰(ふかん)する視点で、23カ国を訪問し、延べ110回以上の首脳会談を行いました。これからも、世界の平和と繁栄に貢献し、より良い世界を創るため一層の役割を果たしながら、積極果敢に国益を追求し、日本の魅力を売り込んでまいります。
【6、おわりに】
「TOKYO」。
ロゲ国際オリンピック委員会(IOC)会長(当時)のアナウンスで、ブエノスアイレスの会場は歓喜に包まれました。「みんなが頑張れば、夢はかなう」。そのことが証明された瞬間でありました。
歓喜の輪の中に、成田真由美さんがいました。パラリンピック水泳で、これまで15個もの金メダルを獲得した、日本が世界に誇るアスリートです。
その成田選手が、かつて、私に、こう語ってくれました。
「私は、失ったものを数えるのではなく、得たものを数えていきます」。
「意志の力」に裏打ちされているからこそ、前を向いて生きていこうとする姿勢に、私は、強く心を打たれました。
13歳から車いすでの生活となり、その後も交通事故など数々の困難を、成田選手は、強い「意志の力」で乗り越えて、素晴らしい記録を生み出してきました。
今の日本が直面している数々の課題。復興の加速化、長引くデフレからの脱却、経済の再生、財政の再建、社会保障制度の改革、教育の再生、災害に強く安全・安心な社会の構築、地域の活性化、そして、外交・安全保障政策の立て直し。これらも、「意志の力」さえあれば、必ず、乗り越えることができる。私は、そう確信しています。
先般の参院選で、自由民主党および公明党の連立与党を支持してくださった国民の皆さんに、心より感謝します。この選挙により国会のねじれが解消されたことは、「困難を乗り越えていけ」と、背中を力強く押していただいたものと認識しています。
この選挙結果に、政策を前に進めることで、応えてまいります。いや、応えていかねばなりません。
定数削減を含む選挙制度改革について、現在のこう着状況を打破し、結論を得ようではありませんか。
憲法改正について、国民投票の手続きを整え、国民的な議論をさらに深めながら、今こそ前に進んで行こうではありませんか。
皆さん、「決める政治」によって、国民の負託にしっかりと応えていこうではありませんか。
国民の皆さまならびに議員各位のご理解とご協力をお願い申し上げる次第です。
ご清聴ありがとうございました。(2013/10/15-14:56)
(転載ここまで)
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もいい曲だと思いますTakeshi政権政党に有利に作られている、選挙の高額供託金という参入障壁制度 選挙供託金制度は1920年代に普通選挙が導入された際、無産政党の参入を阻止するために制定されました。
これとセットになっているのが無産政党の活動を制限する治安維左の人日本に人道主義を導入して定着させよう。自民党政府の非人道性を見過ごせない。 #入管法改悪反対人権を嫌悪する者が付和雷同し、嫌がらせの言節を放っているのに食傷。 こんばんは。私も村野瀬さんも十数年にわたってSNSの言論の場に身を置いていますが、特に近年、「物事を丁寧に書き示す」より「対象物を手っ取り早くぶん殴れる」言節が伊東 勉広島サミットについての批判的メモサミットとは?そもそもサミットとは?
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首相公邸で遊ぶ岸田文雄一族。
まるで封建時代の絶対王政の国そのものです。
こういった政治家閉口日本に人道主義を導入して定着させよう。自民党政府の非人道性を見過ごせない。 #入管法改悪反対入管法改悪法案の廃案と帰国できない事情のある仮放免者に在留資格を付与することを求めます!入管法で改正が必要なのは、今の杜撰すぎる難民認定審査のあり方です。
日本は難民として認定すべき人を難民として認定していません。
それを改正するどころか改悪して難民閉口不祥事で議員辞職する維新議員はほとんどいない。こんな政党を支持・容認したり批判せずにいたりすることは維新の不祥事を支持するようなものだ。 #維新は最悪の選択肢 いわゆる「身体検査」が機能していないのでしょうね。日本共産党や公明党は選挙資金は党が負担するのが大前提です。大切な党のお金を使うのですから、候補者の選定基準も左の人袴田巌さんの完全無罪を勝ち取り、無罪の者を無理に有罪にして真犯人を逃がした検察の過ちと暴力を解明すべき。検察の指向性と日本政府の無謬性主義はパラレル 泉田裕彦に裏金を要求した星野伊佐夫元新潟県議が不起訴になりました。女性に強制性交すべく女性に受傷させたプロ野球選手は,不起訴の可能性が高いとも言われています。Takeshi差別主義経営者のいるホテルチェーンと日本サッカー連盟との不適切なナショナルチームパートナー契約郵便局の窓口でアパホテルカレーを販売中郵便局に行ったら,窓口にアパホテルの元谷芙美子社長の写真が載ったアパホテルカレーが390円で販売されていました。買いませんでした。アパホテルは自民党に要望し,自民Takeshi#奪マスク #脱マスク を他人に強制しようとするな。徹底的に抵抗する。>ewkefcさん>自動車事故に遭わないため、遭わせないためには自動車を運転しないことなのね。
「生きているといろいろな問題があって大変です。だから、それらの問題を避けるためには村野瀬 玲奈#奪マスク #脱マスク を他人に強制しようとするな。徹底的に抵抗する。No title『#奪マスク #脱マスク を他人に強制しようとするな。徹底的に抵抗する。』に対する意見
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-9123.html
>コロナウィルスに感ewkefc#奪マスク #脱マスク を他人に強制しようとするな。徹底的に抵抗する。 マスクの効果は偉大ですよ。私のようなブサイクでもマスクをつければ堂々と人混みを歩けます。堂々と女性と会話することもできます(笑)。目の前でふんぞり返っている市左の人自民党のおかげで日本のGDPはG7最下位になった。 もっともっと貧しくなるでしょうね。
新自由主義をやめないからです。何でもかんでも非効率だとこの30年間国内の産業を空洞化させてきました。曰くこれからは金融だエ左の人の死刑FAQ (適宜更新)この世はダブル・スタンダードにあふれている。 差別はいけないと多くの人が言います。ところが自分の息子や娘が死刑囚の子と結婚するとなったら猛反対して必ず結婚をつぶすでしょう。「お前が結婚するということは,殺Takeshi#はだしのゲン を隠そうと大日本帝国主義勢力が広島はじめ各地で裏で動いていることが、この戦争漫画が戦争推進者の本質を突いていると証明している。 #はだしのゲンを無くすことに抗議します教育行政の犯罪・不当行為(広島県) 2003年3月に広島県尾道市立高須小学校で就任1年の民間人校長の慶徳和宏さん(56)が校舎正面1階の壁面に体をさらして自殺しました。2年半後,遺族の請求に対し,地方公務Takeshi大阪府 #堺市長選挙 では、維新の利益よりも市民全体の利益が重要。維新の利益は市民の利益を削ったところで生まれる。だから維新現職から野村ともあき氏へと #堺市長を変えよう 維新=犯罪組織「あなたが維新も自民も支持しないとしても、維新首長はどんどん落選させるべきです。そうでないとつけあがりますから。」
野村氏の言うとおり。
入管による「殺人」の被害boof同意の無い性行為を性的暴行として処罰するスペインの法改正性暴力を受けた苦しみは一生続く。yaping20 野田正彰さんは,海南島リー族の元従軍慰安婦の精神鑑定を求められ,現地に赴いたそうです。
〇〇さん(79歳)は14歳のとき,村に押し入った日本兵に拉致され,駐屯地Takeshi「東電の電気を使っている人は原発を支持していることになる」という勘違いああいえばこう言うの典型ですね「反体制も無謬性を訴えている訳ではありませんが、何か?」とこのツィに言い返しても問題はありませんよ。
こんなのを聞いていたら、自分が間違えた時に引き返せなくて周アンドリュー・バルトフェルド自民党のおかげで日本のGDPはG7最下位になった。No title『自民党のおかげで日本のGDPはG7最下位になった。』に対する意見
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-9120.html
>自民党は日本を経済的に貧しくすることにewkefc軍拡(防衛)財源確保特措法案が通ると、日本を完全な戦争国家に固定してしまい、国民生活への良い影響は一つもないと予測される。永山則夫死刑囚の予言は的中するのか。 永山則夫死刑囚は,ノート8(1970.5.25~6.27)の中で次のように述べています。
一言的に表現すれば,帝国主義国家であるかぎり,人間精神は五十歩百歩で進歩しないTakeshi