『テロリスト』に告ぐ

　　

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7年も先の2020年東京オリンピックのために2013年の今から「爆弾テロ」に対応する訓練を警視庁がやっています。今回訓練した警察官、7年先までそのノウハウを覚えていればいいのですが。

●MSN産経ニュース
早くも選手村予定地で爆弾テロ訓練　警視庁
http://sankei.jp.msn.com/sports/news/130912/oth13091211350004-n1.htm
2013.9.12 11:32 ［２０２０年夏季五輪］

２０２０年東京五輪開催にともない、国際テロ対策の一環として行われたテロ対処訓練。仕掛けられた爆弾（写真右）を収納筒（写真中央奥）に運ぶ、警視庁の爆発物処理班　＝１２日午前、東京都中央区（大西史朗撮影）

　２０２０年東京五輪で選手村の建設予定地となっている東京都中央区の晴海地区で１２日、五輪に反対するグループによる爆弾テロを想定した訓練が行われた。警視庁の警備犬が出動して不審物を確認し、防護服に身を包んだ爆発物処理班がマジックハンドなどを使って慎重に撤去した。

　訓練は選手村の建設予定地から約１キロ離れた商業施設「晴海アイランドトリトンスクエア」で実施。五輪開催決定を受け、急（きゅう）遽（きょ）、五輪を標的にした爆弾テロという設定に変更された。

　同施設の総合防災センターに「爆発物を仕掛けた。われわれは五輪に反対するテログループだ」と脅迫電話があり、警備員が同施設入り口近くで手提げバッグに入った不審物を発見。

　通報を受けた月島署員の要請で出動した警備犬「ヤーゴ」号が爆薬のにおいを確認し、爆発物処理班がＸ線撮影で爆発物の疑いが強いと判断、回収した。

　月島署の千葉正樹署長は「過去の五輪では選手村を狙ったテロ事件が起きており、万全の態勢で臨まなければならない。テロリストは必ず下見や爆弾を仕掛けるなどの準備をする。異変に気付いたら警察に通報してほしい」と話した。

（転載ここまで）

「爆発物を仕掛けた。われわれは五輪に反対するテログループだ」って、日本にそんな「グループ」が存在して、そんな「グループ」がわざわざそんな告知電話をかけてくるという想定が現実離れしています。本当に爆弾を作る能力があって、本当にオリンピック会場の厳重な警備をかいくぐって爆弾を仕掛けられる能力があって、本当にオリンピック会場を爆破させたい動機のある命知らずのテロリストが日本にいるとはとても思えません。しかし、そういう能力のある者が現実に本当にいると無理に仮定するなら、爆弾を爆発させてから犯行声明を出す、という方が現実的なシナリオではないのでしょうか。爆弾を仕掛けて、それが爆発する前に警察に電話して回収させるテログループ（笑）なんてあるとは思えません。警察の想定がおかしいです。

これは、「五輪反対」の意見を持つ者に「テログループ」というイメージを結びつける、警察による卑怯な印象操作としか思えません。「原発や放射能汚染がこんな状態でいつまた事故や再臨界があるかわからないのに、東京五輪なんてやっている場合ではないし、7年後に福一や放射能汚染の状況がどうなっているかわからない」という真っ当な意見を持つ「五輪反対」の人への、合理的なところがひとつもない重大な侮辱、名誉棄損だとすら思います。

そもそも、東京オリンピックに反対する人たちがテロを起こすだろうという根拠は何もありません。この調子だと、日本政府の暴政に対して言葉で異議を唱えるだけで霞が関に爆弾を仕掛けるテロリスト扱いされる日も遠くないように思われます。（怒）恐怖以外のなにものでもありません。

実際は、原発事故や放射能汚染被害を過小評価や放置して汚染を広げるままにして、経済政策や財政政策や雇用政策においては弱者をさらに絞り上げて企業に回す自民党政府や東京電力や財界の欲求や行動こそが、自らの政治的目的達成のために人々の命と生活を破壊しているのではありませんか。さしずめ、放射能汚染の広がりを放置する日本政府や東電は、いつか必ず爆発することがわかっている目の前の爆弾をいつまでも処理しようとしない警察のようなものでしょうか。

さて、アメリカの言語学者で2001年9月11日以降、テロリズムに関する深い考察をしているノーム・チョムスキーによれば、テロリズムの定義は「政治的、宗教的、その他の目的を達成する意図のもとに市民に対して向けられる強制的手段の使用」ということです。（そのことを、『「テロリスト」という言葉の意味をもう一度確認。』という記事でチョムスキーの著書の一つからメモしています。）

テロリズムの定義がそうであるならば、他人を自分に従わせるために爆弾をオリンピック会場に仕掛ける者が仮にいたとしたら、それは確かにテロリズムです。

しかし、上に示した意味を持つ『テロリスト』という言葉はむしろ、国家主義的目的や富裕層優先的目的や経済優先的目的などを達成する意図のもとに市民に対してさまざまな強制的手段を使用してくる自民党政府や東京電力や財界ムラのほうに当てはまるのではないでしょうか。原発事故や放射能汚染被害を過小評価や放置して汚染を広げるままにして、経済政策や財政政策や雇用政策においては弱者をさらに絞り上げて自分たちの利権に回す「政策」のもと、無力な国民は日々恐怖と不安の中を生活しているのですから。そんな国民のうちで真っ当な理由で東京オリンピックに反対する者をテロリスト扱いする警察が私は怖いです。私は何も犯罪行為をしていないのに警察に銃を突きつけられている気持ちがします。私は暴政に反対なだけなのに！

自民党政府や経済界トップや核発電推進原理主義組織など政治権力と経済権力を使って好き放題やっている「権力ムラ」グループこそ、福一のさらなる崩壊や放射能汚染のさらなる広がりや不安定な雇用や負担増と社会保障削減や基本的人権の制約や国民主権の無力化などの政策によって、多くの人に恐怖と不安を与えていることは事実として何度でも繰り返します。

さて、テロリストのみなさん。もしあなたがたがこの文章を読んでいたら、あなたがたが本当にこの社会を破壊したいのであれば、あなたがた自身が爆弾などを使った破壊行為を実行する必要はないと言いたいです。そんなテロリズムは絶対に思いとどまってください。

実は、逆に、自民党や日本政府や核発電推進原理主義組織や財界ムラや御用学者ムラなどの組織に属するかなりの数の者たちがその発言や行いや政策によって多くの国民の生活と生命を破壊しています。彼ら一人一人に邪悪な意識はないと言うでしょうけど、たとえそうであったって、「グループ」として多くの国民の生活や生命を破壊しているという結果は変わりません。

さらには、日本政府が世界からの応援もつのって福一収束作業に真剣に取り組もうとしないという怠慢や、拡散し食品にたまる一方の放射性物質も着実に日本の国土と環境を破壊しています。それこそが日本における恐怖と不安の根源、まさに『テロリズム』と呼べる行為です。そして、上の報道で紹介したように、『彼ら』はそういう破壊行為あるいは『テロリズム』をやめさせようと懸命に声を上げている人たちをテロリスト扱いしているのです。

ですから、テロリストのみなさん。あなたがたはどうかテロリズムを思いとどまってください。日本社会と日本の国土を破壊している、結果的にテロリズムと同じことをしている人はすでにおおぜい日本にいるのですから。

うちのブログを「ノーム・チョムスキー」のキーワードで検索すると、政府の政策に反対する人をテロリスト扱いする日本の権力者の記事を私が過去に書いていることを思い出します。憲法も国民主権も基本的人権も平和主義も立憲主義も次々に破壊して強制的手段によって国民生活と国民の命を危険にさらす『テロリスト』たちにテロリスト呼ばわりされる屈辱に、私は怒りを新たにしています。

このように、「福島の被害よりも東京の経済を優先するかのようなオリンピックになりかねないことを心配するから東京オリンピックに反対する人」をテロリスト扱いする非礼な者が出てくるからこそ、東京にオリンピックが来てほしくなかった、という主張だって成り立つのではないでしょうか。

さらには、いるかどうかすらわからないテロリストが、当然厳重警備をしているはずの東京オリンピック会場に爆弾を仕掛けるという現実性の薄い「危険」の心配をするよりも、次に地震や地下水による地盤崩壊でもあれば日本を完全に終わらせる大被害が予想される現在の福一の危険の心配や汚染水問題解決の心配をして、全世界と協力してその破滅を回避することに全力を注ぐことの方がはるかに重要だとはオリンピック招致ムラの人々や警視庁は思わないのでしょうか。危険についての判断基準が全くおかしいです、日本のオリンピック招致ムラも国際オリンピック委員会も。

「自民　公明がくれたもの」 苦痛、不安、放射能、汚染、内部被曝、癌、病気、 「自民、公明が奪ったもの」 家、ふるさと、家族、健康、夢、思い出、財産、希望、安らぎ、 アホのミクす、怒り心頭放射能汚染は、日々悪化している、日本人はどんどん減っていく。　

— ローコストインベスター (@lowcostinv) September 19, 2013

鋭いギャグでこの記事の締めにします。

外国にもこんなに放射脳共が！こいつらは五輪に合わせて爆弾テロを行うに違いない！国益の為に先制的自衛権を行使して外国の放射脳を国防軍が鎮圧できるように改憲だ！ http://t.co/wlwR1XMw5B

— 西大立目 (@relark) September 17, 2013

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