若者の発言の場をマスコミはもっともっと提供しなさい

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二つ前の記事、『次世代のためにあきらめずに変革の意思を掲げ続ける』の続きのような記事です。

こんなコラムを読みました。善意で書いているのだろうけど、いくつかの点で困ったコラムだなと感じました。

●毎日jp(毎日新聞)
熱血!与良政談:若者が言い出すしか=与良正男
http://mainichi.jp/opinion/news/20130703k0000e070221000c.html
毎日新聞 2013年07月03日 12時31分

 3年前の参院選は選挙戦直前に当時の菅直人首相が消費税引き上げを言い出したのが最大の特徴だった。政治家が選挙で増税を口にするのは異例だった。私たち毎日新聞をはじめ大半の全国紙の社説は「画期的な変化だ」と高く評価したものだ。
 結果は民主党の大敗。勝った自民党はもっと早くから「消費税率は当面10%」と公約に打ち出していたから増税自体が有権者に全面否定されたわけではなかったと思う。
 民主党は消費増税に関しても実際には党内は激しく対立。政権交代を実現した前年の衆院選で消費税に触れなかった点も「うそつき」と批判を浴びた。何より政権交代後、1年足らずで早くも失望を招いていたことが大きな敗因だっただろう。
 ただし、この参院選が後の政治に及ぼした影響は極めて大きい。多くの政党が「やはり選挙で国民の負担増を打ち出すのは得にならない」と逆戻りしてしまったからだ。
 今度の参院選は一段とその傾向が顕著だ。少子高齢化が進む中、年金や医療制度を持続させるためには、消費増税だけでなく、社会保障の負担を増やすか給付を減らす検討が不可欠なことは多くの政治家が認めるところだ。ところが、自民、公明、民主3党などの公約にはとりわけ高齢者の痛みを伴うような改革案への言及がない。
 今の社会保障制度は毎年10兆円も借金してしのいでいる。そのツケを払うのは若い世代だ。でも若者より高齢者の方が投票に行ってくれるから政治家は高齢者の批判を招くような話をしない。「シルバーデモクラシー」などと呼ばれるゆえんだ。
 最近は「世代間格差」という言葉もあまり聞かなくなった。「世代間」だけでなく、資産を持つ高齢者と、資産どころか頼るところもない高齢者との「世代内格差」もさらに拡大しているというのに。
 選挙後、しれっと負担増を決めるのがいいはずはない。政治家が口にしなければ私たちメディアが、そして有権者が言い出すしかない。幸い今度の参院選はインターネットでの選挙運動が解禁される。社会保障で割を食っている若い世代が、得意のネットを通じてこの問題についてもっと語るべきではないか。そこで議論を掘り下げていく。それでこそネット解禁の意味がある。(論説委員)

(転載ここまで)

今日特に強調したい本題の前にいくつか簡単に触れておきたいいくつかの点をまず。タイトルからもわかるように、それらの点はこの筆者与良正男氏の今回の主張の中心ではないでしょうから、私も簡単に。

この手の消費税談義が必ずと言っていいほど忘れる、消費税の増税がもたらす弊害と企業優遇税制とのアンバランスを論じなさい。消費税を増税しながら法人税を下げることの愚かさについてこの与良正男氏は考えたこともないのでしょうか。消費税を増税したら消費者の購買力が落ち、消費にブレーキがかかることについてこの与良正男氏は何とも思わないのでしょうか。

そして、国民への負担増だけを国民に押し付けるのが政治とマスコミの役割なのかどうか。この与良正男氏は国民負担を増やして給付を削ることしか考えていないようですが、「税による富の再分配」という概念を知らないのでしょうか。国民に負担増を求めるだけではなく、企業、特に大企業はその活動を通じて得た利益を法人税負担増という形で社会に還元し、国民の財布を潤すことによって経済活動を回すことを考えよ、とでも言えないのでしょうか。自分も大企業勤務だから自分の所属先の法人税負担が増えるのは嫌だ、というわけでしょうか。そういえば、新聞業界は、「新聞は知識を流通させるものだから消費税は軽減税率を適用せよ」と自分にだけ都合のよい主張をしていましたね。激おこぷんぷん丸です。

「格差」についての与良正男氏の意識について言うなら、彼は「世代間格差」や「世代内格差」という言葉を使っていますから、「格差」が問題を起こすことはある程度意識しているのでしょう。だったら、国民と大企業の間の「格差」についてもぜひ問うていただきたいと思います。

さらに、国民に負担増をのませることが良いことであるとして書きながら、消費税の増税がもたらす弊害と企業優遇税制とのアンバランスについて触れず、そこで「選挙後、しれっと負担増を決めるのがいいはずはない」と矛盾したことをしれっと言っています。

これらの点だけでも困ったコラムだと思います。

しかし、本題はここからです。(笑)与良正男氏はこう書きます。

『選挙後、しれっと負担増を決めるのがいいはずはない。政治家が口にしなければ私たちメディアが、そして有権者が言い出すしかない。幸い今度の参院選はインターネットでの選挙運動が解禁される。社会保障で割を食っている若い世代が、得意のネットを通じてこの問題についてもっと語るべきではないか。そこで議論を掘り下げていく。それでこそネット解禁の意味がある。』

「若者が言い出す」、そうですね、大切なことです。だけど、若者は高齢者に比べて人口比ですでに数が少ないですから、ただ投票するだけでは「シルバーデモクラシー」にはなかなか勝てないのです。また、ただ「得意のネット」で語ったとしても、ネットというのはテレビや新聞雑誌といった既成メディアに比べたら意外に小さい世界です。(私は6年間政治ブログをやりながらそれを日々実感しています。)ネットで必死に語ったとしても自民党政府になかなか若者の主張は伝わらないものです。「そこで議論を掘り下げて」いったとしても、それが社会全体に伝わらない限り、その議論の影響力は限られてしまいます。それに、ネットの伝播力について語る以前に、そもそも主張というのは、相手が聞く気がなければまったく伝わらないというのが現実です。最近そのことを強く感じたのは、ワタミで過労自死に追い込まれた森美菜さんのご両親が自民党にワタミ元会長の参院選擁立を取り下げるように自民党本部に求めに行った時の自民党の冷血な対応と、それについての報道が既成メディアではほとんどなかったことです。

毎日新聞の記者の中には、若者がおかれたきびしい状況について取材して記事にして紙面に出す立派な仕事をしている記者もおおぜいいることを私は知っています。しかし、与良正男さん。そもそも、あなたには、ブラック企業で過労自死に追い込まれた若者の言い分を聞き、広める気があるのですか。

もちろん、若者はもっと語るべきですが、毎日新聞は発言の場を若者に今以上にもっと提供する気があるでしょうか。与良正男さん、あなたが若者の心配をするなら、新聞社内で署名原稿を書ける立場にいるあなたが率先してその意思を示し、あなた自ら実行に移してほしいのです。

そして、社会保障で割を食っている若い世代が仮に発信力を発揮して、あなたが属するであろう年齢層に応分の負担増を求めながら、先進国では給付されるが日本では返さなければならない奨学金の返済や、給与の安さや雇用の不安定さで苦しんでいる若者層の負担を軽減せよと主張した時に、あなたは人生の先輩として若者たちを助け、大企業で安定した職にいる自分の負担増を受け入れる気があるでしょうか。

与良正男さん。「若い世代が、得意のネットを通じてこの問題についてもっと語るべきではないか」と当たり前のことを貴重な紙面を使って語るよりも、あなたのコラムのせめて半分を使って、苦しい状況にある若者一人の発言だけでも紹介し、世論を喚起するというのはどうでしょうか。「若者が言い出す」ことを後押しし、応援してほしいのです。

私が与良正男さんの立場にいたらそうします。いえ、それだけではなく、毎日新聞の若い記者たちを集めて、毎日新聞の紙面にもっと若者のおかれた苦境を世に知らせる連載記事でも出すように毎日新聞社内での政治力を発揮しようとするくらいは努力します。それが年長者の持つ、未来の世代に対する責任であると思うからです。若い世代が「割を食っている」と思っているならなおさらです。

与良正男さんに限らず、大新聞社のそれなりの年齢のそれなりのポジションにいる管理職クラスの人々にもそうお願いしたいです。



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