
社会的弱者へのサディスティックな虐待を自民党・日本政府がさらにすすめようとしています。背筋が凍ります。日本政府・自民党に抗議します。
まず、「田中龍作ジャーナル」の貴重な報告。リンク先でぜひ全部ご覧ください。
●田中龍作ジャーナル
「まず書類持って来い」 生活保護申請、コペルニクス的転換
http://tanakaryusaku.jp/2013/05/0007109
2013年5月15日 20:17
弱者にとっての最後のセーフティネットが有名無実になろうとしている。今国会で安倍政権が成立を目指す「改正・生活保護法案」に、申請を絶望的なまでに厳格化する項目が含まれていることがわかった。
(中略)
もっと恐ろしいのは、保護申請者本人のみならず扶養義務者(主に親族)の資産まで行政が調査できるようになっていることだ。
親族に知られたくないので生活保護申請を諦める人はザラにいる。資産まで調べられることで親族に迷惑がかかるということで、保護申請を諦める人はさらに増えるだろう。
(中略)
田村憲久厚労相は「法律に書くだけ。運用面では変わらない」と記者会見で答えているが、現場を知らないにも程がある。長年、生活保護申請者に対応してきた田川さんによれば「運用が180度変わる」のだ。
NPO法人「ほっとプラス」の藤田孝典さんは、厚労省社会保障審議会の委員として、改正法案の検討に関わってきた。藤田さんは「(先ず書類提出ありきは)審議会の議論で一度も出て来なかった」と明言する。政府が本当に狙っていることは、法案の中にこそっと紛れ込ませる。常套手段だ。
(中略)
貧困カテゴリのその他の記事
ホームレス殺人事件と年収100万円社会
消費税増税にNO 「自殺者5万人に増える」指摘も
【生活保護費削減】 「これ以上破壊されたら命を絶つしかない」
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生活保護切り下げの底なし沼 “低所得世帯基準”に合わせるマヤカシ
(引用ここまで)
そして、「生活保護問題対策全国会議」の緊急の訴えを少しでも多くの人に伝えたく、最近のいくつかの記事を転載紹介いたします。
次に紹介されているような死亡事例をふまえれば、自民党・政府がめざす生活保護申請のさらなる厳格化は、ほとんど殺人行為の奨励に等しいのではないのでしょうか。
●生活保護問題対策全国会議
■5/15生活保護法改正法案に反対する緊急記者会見資料①「保護申請権侵害による餓死、衰弱死等の主な被害事例」
http://seikatuhogotaisaku.blog.fc2.com/blog-entry-124.html
2013年5月15日
保護申請権侵害による餓死、衰弱死等の主な被害事例 2013.5.15
<目次>
1 北九州市餓死事件(2006年5月遺体発見)
2 札幌市白石区姉妹餓死事件(2012年1月遺体発見)
3 三郷市保護申請権侵害事件(2013年2月20日さいたま地裁判決)
4 小倉北区・申請拒否自殺事件(2011年3月29日福岡地裁小倉支部判決)
1 北九州市餓死事件(2006年5月遺体発見)
(1)事案の概要
2006年5月23日、北九州市門司区の市営住宅の一室で一人暮らし、無職のAさん(56歳)のミイラ化した遺体が発見された。Aさんは、下半身が不自由なため身体障害者4級の手帳を所持しており、仕事を辞めた2005年8月以来収入はなく、水道も止められ、市内で別居する二男のパン等の細々とした差し入れによって生活していた。家賃も滞納するに至り、同年9月末、市の水道局、住宅供給公社の職員が訪問したとき自宅内で衰弱し脱水状態となっていたAさんは、二男とともに福祉事務所を訪れ生活保護の申請意思を示したが、福祉事務所は二男らに援助を求め生活保護を受付しなかった。その後、保健師が週1回家庭訪問して様々な相談に乗っていたが、二男の細々とした差し入れも困難となり、再度同年12月上旬に福祉事務所を訪れ生活保護の申請意思を示したが、この時も、福祉事務所は長男と話し合うように求め、またも生活保護を受付しなかった。9月末から12月上旬までの間、ライフラインは止まったままであり、Aさんは二男からの食物の差し入れで細々と命をつないでいた。Aさんはその後福祉事務所を訪れることはなく、前述のように翌年5月に遺体となって発見された。
(2)問題点
ア 面接票(福祉事務所での面接の記録を記した行政側の文書)で、保護申請意思が確認されているにもかかわらず保護申請を拒否(申請権侵害)。
イ 扶養を理由に拒否(扶養は保護の開始要件ではない)。
ウ 急迫状況・職権保護の可能性もあった(法4条3項、25条)。
なお、2007年に北九州市が自ら設置した、第3者による検証委員会でも、市の対応は「不適切」と認定されている。
2 札幌市白石区姉妹餓死事件(2012年1月遺体発見)
(1)事案の概要
札幌市白石区に住む42歳と40歳の姉妹(いずれも死亡時年齢。妹は知的障害者)の姉が、就職活動をするも就職できなかったため、3回(2010年6月1日、2011年4月1日、2011年6月30日)にわたり福祉事務所に生活相談に行ったが、いずれも「申請すると表明されなかった」という理由で保護申請が拒否され、死亡に至った事件。
1回目には、姉の体調不良により退職。その後再就職したが4日で解雇され生活不安になり来所しており、求職活動中であったところ、面接員は「(姉が)仕事も決まっておらず、手持金も僅かとのことで、後日関係書類を持って再度相談したいとして、本日の申請意志は示さず退室となった(関係書類教示済み)。」として保護申請には至っていない。
2回目は、「手持金が少なく、食料も少ないため、それまでの生活の相談に来た」「預貯金;1千円、ライフライン;滞納あり、国保;未加入」と記録されているにもかかわらず、保護申請には至らず、非常用パン14缶(7日×1食×2人)を支給して終わっている。
3回目は、「求職活動しているが決まらず、手持金も少なくなり、生活していけない」、「「…妹が体調を崩し、仕事に行けない状態になり、研修期間で辞める」(給料なし)その後アルバイトするも続かず、現在求職中」とあるにもかかわらず、>「保護の要件である懸命なる求職活動を伝え」「手持金も少なく、次回は関係書類を持って相談したいとのことで本日に申請意思は示さず退室となった」
(2)問題点
ア 申請権侵害
行政側は「申請がなかったから保護できなかった」と弁明している。しかし、「申請」という言葉さえ知らない市民が多い中、裁判例も、「申請行為があるというには、申請意思を内心にとどめず、これを実施機関(福祉事務所のこと)に表示することが必要であるが、しかし、生活保護申請をする者は、申請する意思を「明確に」示すことすらままできないことがあるということも十分考えられるところである。場合によっては、「申請する」という直接的な表現によらなくとも申請意思が表示され、申請行為があったと認められる場合があると考えられる」という判断を示している(小倉北自殺事件 福岡地裁小倉支部平成23年3月29日判決〔後述4の判例〕)。
イ 説明・教示義務違反による最低生活侵害
姉妹の最低生活費は、184,720円。確実な収入は妹の障害年金約66,000円程度であり、
10万円以上最低生活費を下回っている明らかな要保護状態であった。このような場合、行政は、「あなたは保護を受けられます」と説明して、保護申請を援助すべきであるが、このような説明はなされていない。
ウ 過度な就労の努力を求めている
姉の死因は、脳内血腫であった。生前から疾患が窺われ、それでも仕事を懸命に探していたにもかかわらず、さらに懸命なる就職活動を求めるという、過度な就労努力を求め、保護に至らせていない。病気の者に就労せよというのは違法である。
3 三郷市保護申請権侵害事件(2013年2月20日さいたま地裁判決 賃金と社会保障1585号52頁)
(1)事案の概要
埼玉県三郷市の職員が生活保護の請求を門前払いしたなどとして、市内に住んでいた元トラック運転手の男性2008年に50歳で病死=と妻(54)ら遺族が市を相手に、生活保護費など約950万円の損害賠償を求めた訴訟で、さいたま地裁(中西茂裁判長)は20日、市側の対応の違法性を認め、約537万円の支払いを市に命じる判決を言い渡した。
判決によると、男性は2004年に急性骨髄性白血病を発症し、勤め先の会社を退職。妻と長男、当時中学生の次女の4人暮らしだったが、入退院を繰り返す生活で収入はほとんどなくなった。妻は生活保護を申請しようと、2005年3月~06年5月に市の福祉事務所を数回訪問。自身は夫の世話などで週の半分を病院通いしなければならず、アルバイトの長男の月収も約十万円しかないなどと、生活が苦しい状況を説明した。だが福祉事務所の職員は、妻に「働けるのであれば働いてほしい」「まず身内に相談してほしい」などと求め、申請を断念させ又は申請したにもかかわらず審査・応答義務を怠った。
(2)2013年2月20日さいたま地裁判決 賃金と社会保障1585号52頁(原告勝訴確定)
「親族らに援助を求めなければ申請を受け付けない」などの誤解を与えた場合は「職務上の義務違反」にあたると指摘し、福祉事務所の職員の対応を「原告らの就労による収入を増やし、身内からの援助もさらに求めなければ生活保護を受けることができないと原告に誤信させ、生活保護の申請権を侵害した」と判断。「拒否したことはない」という市の主張を退けた。男性と妻は2007年7月に提訴したが、男性は08年3月に白血病で亡くなり、3人の子どもが訴訟を継承していた。
(3)評価
「最後のセーフティーネットとして、制度の適正な運用を自治体に求めた点で判決は意義がある。親族による援助や就労を求めて保護を受けさせないことが違法だと明らかにした」(首都大学東京・岡部卓教授)
・口頭での申請の成立を小倉北自殺事件判決に続いて認めた。
4 小倉北区・申請拒否自殺事件(2011年3月29日判決 賃金と社会保障1547号42頁)
(1)事案の概要
北九州市小倉北区の61歳の男性が、就労を始めたことを理由に収入が保護基準以下であるにもかかわらず「辞退届」により保護が廃止となったが、その後ふたたび生活に困窮し、保護の申請をしたものの申請が受け付けられずに自殺した。遺族が市を相手に慰謝料の支払いを求める国家賠償訴訟を提起した。
(2)2011年3月29日福岡地裁小倉支部判決 賃金と社会保障1547号42頁(原告勝訴確定)
判決は、保護廃止処分についての違法性を認めるともに、保護の再申請を受け付けなかった点についても、「再申請の意思を口答で表明しているのに、さらに求職活動が必要との誤った説明をしていた」として違法性を認定した。すなわち、保護申請を受けつかなかった点は、生活保護の実施機関は生活保護制度を利用できるかについて相談する者に対し、その状況を把握した上で、利用できる制度の仕組について十分な説明をし、適切な助言を行う助言・教示義務、必要に応じて保護申請の意思の確認の措置を取る申請意思確認義務、申請を援助指導する申請援助義務(助言・確認・援助義務)が存するにもかかわらず、再就職が困難である原告に就職活動を強く求め、申請意思を確認せず、保護の適用に向けた援助をせず、申請を断念させたものとして、違法性を認め慰謝料の支払いを命じた。
さらに、「生活保護申請をする者は、申請をする意思を「明確に」示すことすらままできないことがある…。法は申請が口頭によって行われることを許容しているものと解されるし、場合によっては「申請する」という直接的な表現によらなくとも申請意思が表示され、申請意思があったと認められる場合がある」として、申請意思の表示を幅広く認める見解を示した。
(3)判決のポイント
ア 口頭での申請を認めた
イ 申請を認めず、さらなる求職活動を求めたことが違法であることを認めた。
以上
■5/15生活保護法改正法案に反対する緊急記者会見資料②「書類の添付の必要性等を理由として行われた「水際作戦」の実例」
http://seikatuhogotaisaku.blog.fc2.com/blog-entry-125.html
2013年5月15日
書類の添付の必要性等を理由として行われた「水際作戦」の実例
1 事案の概要
(1)申請者
(内縁の夫妻)
夫(50歳台) 網膜剥離、白内障等
妻(30歳台) うつ状態、体調悪化
(2)状況
当面無職無収入、多重債務あり。
医療費、就職活動のための交通費等も支出不能
電話・ガス停止、入浴できず、食事は友人の差し入れ等に頼る
両名とも精神状態が悪化~友人らに自死をほのめかす
(3)家賃
月額11万円~滞納中
2 問題のポイント(前提知識)
(1)申請→審査応答義務
・次官通知第9
・局長通知第9の1
・申請書に添付書類不要
生活保護申請権訴訟 大阪高裁平成13年10月19日判決
⇒申請意思が客観的に明確であれば、口頭による申請も可
(2)住宅扶助基準額(厚労省告示)の意味
・「支給できる限度」の基準
・「実際の家賃が基準を超えたら不可」との根拠なし
・申請時に実際に困窮→保護要件あり
(3)敷金・転居費用の支給が可能
局長通知第7の4(1)カ、問第7の30の答2
・まず保護申請受け付け、適用
→保護費で生活できる住居へ転居可能となるように
敷金・転居費用を支給が「正解」
3 経緯
6.20 最初に福祉事務所を訪問・相談
「まず基準内家賃の居宅を確保せよ」と申請書交付せず
6.27 福祉事務所再訪(友人が同行) (録音)
4 やり取りの詳細
職員:(前回から)もう一週間くらい経っているけど、(転居の件は)どの辺で話しを進めてもらっているかな。
本人:結局、食事代もあれなんで…どないしたらいいか…
職員:どないしたらじゃなくて、まず自分たちで考えなあかんことがあるやろ。とにかく今のままでは住められへんやろ。ここ。
本人:今の生活費とかでは、どうもならん?
職員:あそこで、無条件では受けられへん。
本人:どんな条件ですか。
職員:だからそれは、あなた達はまず出ていかなあかんやろ。まず出ていくことを必死で努力して、引越先見付けて来ないと、何も話前にすすめへんよ。
本人:不動産屋通したら、敷金もいるし礼金もいりますやんか。
職員:(敷金礼金が)ないとこもあるよ。
本人:どないしたら、そんなとこ何処…紹介してくれるんですか。
職員:それは、周旋屋さんに行ったら、色々と考えてはって、みんなそういう形で見つけている人もあるわけや。まあ、現実的に部屋が狭くなったりで荷物捨てていかなあかん場合もあるけど、本当に行き詰まって苦しなったら、いろんな工夫して家見つけて来はります。
本人:引っ越しせえへんかったら100%無理なんですか。
職員:だってあのままあそこに居って保護受けてもらうわけに行かないから、
本人:引っ越しは、引っ越しすんのやけども、
職員:だから、見つけてくれんと。
本人:だから一生懸命探してんけどね、結局お金なんですよ。
職員:それは、生活保護が救済する問題ちゃうからな。
本人:ああそうですか…。
友人:いや、ただ、電話は止められてる、ガスも止められているということで、餓死してしまうから、食事、米を差し入れてたりしてたわけなんですね。
私自身も失業保険もらってる身分でですね、それがもうさすがに私のほうもできなくなったし、こうやって、本人たち精神的にも追い詰められているの分かりますし、ちゃんとした…
職員:あのね、勘違いしてはんのは、役所にね、何でも相談して、役所の言うとおりするんかという話やろ。どうしたらいいんですか言うけどね、私こうしたいんです、そやけどここで困ってますねん言われたら、いろんな制度があるから、あなたはここで救済できるよと。だけど今私が一番嫌なのは、どないしたらいいんですと、そんなことに、人の指図受けて生きて行くのが本来の人生じゃないやろし、あなたが自分でどないして生きて行きたいんか、ほな家決めなあかん。何処に済むか、家に住むことは、生活保護が決めることでもないし、お手伝いすることでもないよ。
本人:だから、今こういう状態やから、家を探すにも、当たったけど、お金がなくて探されない状態やから、生活が現実に困ってるから、
職員:家がなかったら生活保護受けられへん。
本人:これ、申請しても受けられへんですか。
職員:今、家賃が高くて、そこに1ヶ月しかおれませんという場合、今のままやったら却下されると思います。
友人:とりあえず生活保護の申請をしたいんですけど、申請用紙は頂けますか。
職員:で、申請して、却下されて、どないするの。
友人:いや、却下されても一応まあ構わないですから。
職員:西成区で割り切るんや、と言わはって、周旋屋さん飛びこんでいったら、敷金のいらんとこ、教えてくれはりますわ。実際に、一杯…。ものすごい条件悪いよ、そのかわり。
本人:だから勿論安いところ探してるんですけど、高いところから安いところにかわるのに、そういうのも生活保護の関係じゃないんですか。
職員:だから、もともと高かったら、緊急性がなければ保護受けられへんから。まだ…
友人:いや、かなり緊急なんですよ。
職員:それはあなた方が自分を見て思ってるだけで、周りの人間と役所は緊急性が高いと思ってない。緊急性いうのはね、例えば今日もう倒れちゃって放っときゃ命に関わると。ドクターが入院、だから入院してるんやと。そしたらとにかく治療せなあかんから家賃が高いとか言っててもしゃあないから…。
本人:だから、とりあえず申請させてもらって、また判断してもらったらよろしいやんか。
職員:いや、出す言わはんのやったら、私は、あなた方の権利やけど、却下されるから、私は保護受けれる要件がないということをお教えしてあげなあかん訳や。
友人:とりあえず分かりましたんで、あの、申請だけしたいんですけど。
職員:それは、そんな無駄なことしたい言わはんのやったら、私はあなたの権利やから、ただ申請書には病気の診断書つけなあかん、それから、家の契約書持ってこなあかん、通帳とか、いろんな書類をつけて出さなあかんから、あなた自身がそこまで手間暇かけたい言わはんのやったら、出さはることはあなたの権利として私は拒否も勧めもしません。ただ無意味なことに近いですよと。一杯書類集めて出して。
職員:生活保護申請したら、すぐ住民票移して来いいうことになるよ。
本人:よろしいわ別に。
職員:申請今日出したら、今日中に住民票持ってこなあかんよ。
本人:あ、今日は無理ですわ…
友人:今から行っても5時までやし…
職員:うん、だからその辺も出てくるよと。だから、契約書も持ってこなあかんことになってるし…。
■5/15生活保護法改正法案に反対する緊急記者会見資料⑤「稲葉剛さん:相談現場から見た生活保護法「改正法案」24条1項・2項の問題点」
http://seikatuhogotaisaku.blog.fc2.com/blog-entry-128.html
2013年5月15日
稲葉剛さん資料
相談現場から見た生活保護法「改正法案」24条1項・2項の問題点
NPO法人自立生活サポートセンター・もやい代表理事 稲葉剛
本年5月10日、自民党厚生労働部会は生活保護法改正法案(以下、「改正法案」と略す)を了承し、政府は今週中にも「改正法案」を閣議決定する方針です。
この「改正法案」の法的な問題点については、5月15日付けの生活保護問題対策全国会議による緊急声明に譲りますが、生活困窮者の相談・支援活動をおこなっている立場から、「改正法案」が成立・施行された場合に想定される問題点について指摘します。「改正法案」の問題点は多岐にわたりますが、ここでは24条1項・2項に絞って論じます。
〈もやい〉には生活に困窮された方々から、年間約1000件の来所相談と約2000件の電話相談が寄せられています。私たちはそれぞれ世帯の生活状況を聞き取り、必要に応じて申請の同行支援(年間200~300件)や電話によるアドバイス等、生活保護制度を利用するためのサポートをおこなっています。これらは、福祉事務所の窓口が生活困窮者に適切に対応していれば、本来必要のない活動ですが、現在でも各福祉事務所において生活保護を必要としている人を窓口で追い返す「水際作戦」が横行しているため、やむをえず行なっている活動だと言えます。
「改正法案」24条1項は、生活保護の申請にあたり、氏名・住所だけでなく、要保護者の資産・収入状況、さらには「厚生労働省令で定める事項」を記載した申請書を提出しなければならないとしています。また第24条2項では申請書に「要保護者の保護の要否、種類、程度及び方法を決定するために必要な書類として厚生労働省令で定める書類を添付しなければならない」と定めています。これらの規定は現行法にはないものです。
私たちの電話相談窓口には、首都圏以外の地域からの電話も多くあり、その中で「福祉事務所の窓口で申請書を出してくれない」という相談も多数含まれます。その場合、近くにつなげられる支援団体がなければ、「レポート用紙でも何でもいいので、紙に氏名・住所・日付と保護の申請意思を書き、提出してください」とアドバイスをしてきました。「改正法案」により申請書類が要式化されれば、こうした方法が使えず、窓口の「水際作戦」に対抗できなくなる危険があります。
また、24条2項に定める添付書類とは、賃貸住宅の契約書や預金通帳、給与明細、年金関連書類などが想定されます。しかし、私たちの相談窓口に来られる方の中には、ドメスティックバイオレンスや親族による虐待に遭い、着の身着のままで逃げてきた人や、入居していた賃貸住宅から「追い出し屋」の被害にあってロックアウトされた人、路上生活中に荷物をすべて盗まれた人も少なくありません。関連書類の添付が法律で義務付けられれば、こうした人々が「添付すべき書類を持参していない」という理由で申請できなくなる恐れがあります。生活の拠点を失うくらい困窮度の高い人ほど、申請が困難になるという状況が生まれかねません。
「改正法案」には扶養義務の強化も盛り込まれており、これも「親族に養ってもらえ」という口実による「水際作戦」を強化するものです。また、「自分が申請すれば、将来にわたって親族の収入・資産等が丸裸にされる」という想いから申請抑制をする人も確実に増えるでしょう。
報道各社は「現在でも水際作戦が常態化している」という状況を踏まえた上で、違法な「水際作戦」を法制化させる「改正法案」の問題点を報道していただきたいと思います。
以上
(転載ここまで)
ほかの記事もリンク先からぜひごらんください。
こんな殺人奨励に等しい虐待行為が政治と言う名で政府・自民党によって行われている様を見ると、そして、当事者の訴えが政治に届かない様を見ると、日本という国はもはや国ではなくて冷酷な虐待機関であるとしか思えなくなるのです。
自民党への支持や容認は、実質的に虐待や殺人への加担であると言わざるをえません。報道機関には、全力でこの暴政について批判的な記事をさらに出していただきたいと求めます。
●国会議員への投書のための「議員名簿」→
http://www.eda-jp.com/link/link1.html●マスメディアへの投書のための「News for the people in Japan」マスメディア問い合わせ用リンク集→
http://www.news-pj.net/link/media.html●他の社会系ブログに行くにはうちの「私的リンク集 (適宜更新)」経由で→
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-136.html
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本当は日本でもできた・「できる」ことなのですが…
日本国、否、自民国JAP津木野宇佐儀#入管法改悪反対アクション に取り組む人々の姿が、辛うじて日本国の人権意識の消滅を防いでいる。No title 週刊新潮や産経新聞の記事は、これらのメディアが人権など一顧だにしない事、ひたすら保守政権の後押しをする集団であることを如実に示しています。予想通りの行動を採るクテシフォン国会議員の居眠りについての自民党・河野太郎の言い訳(メモ)自分達の事ばっかり何から何までろくでもない野郎ですね。
主張する事は、常に自分達特権階級の擁護ばっかり。
庶民が、病院でマイナカードの不具合で受診できまいがお構い無しで、不具合隠K.Mina相模原市の障がい者虐殺事件の容疑者が釈放されてニュースキャスター長谷川豊の名でネットメディアで「透析患者を殺してもよい」と言っているのかと思った。精神障害者である自分を肯定する人もいる。 昔は精神分裂病と言われた統合失調症は100人に1人がかかるごく一般的な疾患なのだそうです。日本の人口が1億2000万人であれば120万人が罹患していることになります。発祥Takeshi自国維公が国民の医療アクセスの命綱を切る作業を本格化させた2023年6月2日。民主主義者にとって自国維公に殴られ始める屈辱の日。 #保険証廃止法案の成立に抗議しますNo title>ブログ主様
>まだまだ闘わなければ日本の民主化は成し遂げられません。あきらめた時が負けです。
>決して腐ることなく、戦い抜きましょうと、多くの人に呼びかけ津木野宇佐儀自国維公が国民の医療アクセスの命綱を切る作業を本格化させた2023年6月2日。民主主義者にとって自国維公に殴られ始める屈辱の日。 #保険証廃止法案の成立に抗議します私はマイナンバーカードを持ちません。 私もマイナンバーカード取得強制に反対でコメントを2日前から投稿したのですが,F2ブログからはねられていました。よくあることですが。
私のもとには過去に市役所Takeshi問題なく使われている現行健康保険証廃止は自国維公(地獄行こう)から日本国民への暴力的攻撃。抗議と反対を続ける。 #保険証廃止法案の採決に抗議します まだまだ使えて誰も不便に思ってない道路をわざわざぶっ壊して新しい道路を作るようなことは東日本大震災の被災地ではよく見る光景です。復興という錦の御旗があれば無駄左の人問題なく使われている現行健康保険証廃止は自国維公(地獄行こう)から日本国民への暴力的攻撃。抗議と反対を続ける。 #保険証廃止法案の採決に抗議します朝日の劣化ここ数日で「朝日は滅びろ」というのが強くなりました。
成果が疑わしいG7の報道でも「何を食った」とどうでもいいことをやっていて「核軍縮」の退行を流しもしない。
最アンドリュー・バルトフェルド首相公邸で遊ぶ岸田文雄一族。 (2)くだらん擁護が悪目立ち青瓦台で同じことがあれば、トチ狂ったように連日報道業者が喚き散らします、絶対に。
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「野党第一党は立憲と維新でどちらがいいか?」という設問ですが、それを自民党や公明党の支持者に左の人死刑FAQ (適宜更新)死刑再開を議論しなかったノルウェーについて思うこと 村野瀬玲奈さん,情報提供ありがとうございました。
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テロの犠牲になった悲しみのノルウェーの民主社会村野瀬 玲奈首相公邸で遊ぶ岸田文雄一族。岸田翔太郎が首相秘書官を辞職 岸田翔太郎が2023年6月1日付けで辞職するとのこと。6月1日付けというのは,ボーナスを全額もらうためでしょうか。岸田首相自分自身は責任をとらないのでしょうか。馬鹿息Takeshi死刑FAQ (適宜更新)戦争と死刑の間にあるもの 人は人を殺してはいけない。
個人が故意をもって他の個人を殺害すれば違法であり,死刑に処せられるというのが過去から現在に至るまでの世界的なルールです。現在は死Takeshi首相公邸で遊ぶ岸田文雄一族。岸田翔太郎はどこまでウダイに近づくのか。 独裁者の馬鹿息子としてウダイ・サッダーム・フセイン(1964.6.18~2003.7.22)が有名です。サッダームの長男として生まれてから、両親に甘やかされて育てられたと言われTakeshi死刑FAQ (適宜更新)ノルウェー政府庁舎爆発及びウトヤ島での銃乱射事件2011年7月22日,アンネシュ・ブレイビクは,、オスロ中心地にある政府庁舎を爆破し8人の命を奪った後,ウトヤ島で労働党の青年部の関係者69人を銃で殺害しました。単独犯行Takeshi立法根拠が無い #入管法改悪反対 。No title事実上難民を受け入れないのは条約違反=憲法98条違反なんですが
岸田はこの愚行で何を守ろうとしてるんですかね…津木野宇佐儀(「月乃兎」改め)石垣島への陸上自衛隊配備について住民投票を求める規定数以上の署名を集めたのに住民投票実施を行政からも司法からも却下された異常事態沖縄は今も本土の捨て石にされている。 沖縄は大東亜戦争で日本本土の捨て石にされ,莫大な民間人犠牲者を出しました。戦後も裕仁天皇の越権行為により,米軍基地が半永久的に配備されました。選挙で民意を示しTakeshi政権政党に有利に作られている、選挙の高額供託金という参入障壁制度No title 日本において高すぎる供託金が立候補の妨げとなり、結果として新しい候補や政治勢力の台頭を阻んでいます。先進民主主義国家と言われる国の中では非常識に高い供託金は、クテシフォン少女時代(소녀시대、Girl's Generation) 「다시 만난 세계」 (Into The New World、また巡り逢えた世界) (不定期連載、「気まぐれK-POPプレイリスト」)これらの曲もいいと思います。 ポーランド・ロックのシンガーソングライターであるKaśka Sochacka(カシカ・ソハッカ)のCiche Dni(静かな日々)とSpaleni Słońcem(太陽に灼かれて)
もいい曲だと思いますTakeshi政権政党に有利に作られている、選挙の高額供託金という参入障壁制度 選挙供託金制度は1920年代に普通選挙が導入された際、無産政党の参入を阻止するために制定されました。
これとセットになっているのが無産政党の活動を制限する治安維左の人日本に人道主義を導入して定着させよう。自民党政府の非人道性を見過ごせない。 #入管法改悪反対人権を嫌悪する者が付和雷同し、嫌がらせの言節を放っているのに食傷。 こんばんは。私も村野瀬さんも十数年にわたってSNSの言論の場に身を置いていますが、特に近年、「物事を丁寧に書き示す」より「対象物を手っ取り早くぶん殴れる」言節が伊東 勉広島サミットについての批判的メモサミットとは?そもそもサミットとは?
欧米列強&欧米列強の悪い部分ばかりマネしてそのおこぼれにあずかろうとしている日本が、これまで作り上げた国際秩序と自らの覇権を確保するため閉口首相公邸で遊ぶ岸田文雄一族。前近代的な日本の姿自民党は前近代的な世襲政治家が多い政党です。
岸田文雄も世襲政治家です。
首相公邸で遊ぶ岸田文雄一族。
まるで封建時代の絶対王政の国そのものです。
こういった政治家閉口日本に人道主義を導入して定着させよう。自民党政府の非人道性を見過ごせない。 #入管法改悪反対入管法改悪法案の廃案と帰国できない事情のある仮放免者に在留資格を付与することを求めます!入管法で改正が必要なのは、今の杜撰すぎる難民認定審査のあり方です。
日本は難民として認定すべき人を難民として認定していません。
それを改正するどころか改悪して難民閉口