
「Die Zeit des Rechts」ブログ、もしくは「あそぶログ」ブログのあそびたりあん(asobitarian)さんの、「憲法改定」についての次の記事は全日本人、全政治家、全マスコミ人必読の記事です。私自身の記憶と記録のためにも、ここにも転載させていただきます。
後で私も少し思ったことを書くのですが、まず、あそびたりあんさんの記事をお読みください。
●Die Zeit des Rechts
96条改憲は憲法クーデターである
http://d.hatena.ne.jp/asobitarian/20130414/1365941848
2013-04-14
安倍自民党が憲法「改正」に執念を燃やしている。そのための突破口と位置付けているのが憲法改正手続きを定めた96条の改憲である。現行憲法が憲法改正の発議要件を国会の各議院の3分の2以上の賛成を要するとしているのを、過半数の賛成に緩めようとしているのであり、来る参院選の争点に掲げると息巻いている。言うまでもないことながら、自民党が改憲の争点としてまず真っ先に96条を持ってきたのは、いったん憲法改正の発議要件を衆参各院の2分の1にまで緩和してしまえば、自民党の長年の悲願であった9条改憲をはじめ、人権制約の根拠を人権の内在的制約原理である「公共の福祉」から外在的制約原理である「公益・公の秩序」に置き換えることによる人権保障の骨抜き(無制約化)や天皇の元首化、国民の義務規定の乱立など、次々とやりたい放題の改憲が容易になるからである。そのためには、衆参両院で改憲勢力が3分の2という現行憲法の改正手続き要件を満たす可能性がある次期参院選後を千載一遇のチャンスと見て、ここで一気に改憲要件を緩和してしまおうとしているのである。
そこで、安倍首相は9日の衆院予算委員会で、96条改正の意図を、「2分の1以上の国民が(憲法を)変えたいと思っても、3分の1をちょっと超える国会議員が反対すればできないのはおかしい」と述べている。確かに、安倍首相が96条の意味を全く理解できず、国民投票の賛成要件と国会議員の発議要件が違っていることを「おかしい」と思っていることは十分に理解できる。先日の記事(「アベシンゾーと「驚愕の事実」」)でも指摘したように、安倍首相には憲法の意味が全く理解できていないので、なぜ改憲要件が通常の立法よりも厳しくなっているのかということ自体が理解できないために、「おかしい」と感じているのであるが、それがどれほど大問題であるかも先日の記事で指摘した。
自民党は昨年、改憲草案とともに公表した「憲法改正草案Q&A」の中で、96条改正の理由について、「世界的に見ても、改正しに くい憲法となっています」と述べているが、これが事実に反する大嘘であることは4月13日の東京新聞特報面「チェック改憲 改正手続き 国際比較すると」でも詳細に証明されている。成文憲法を持たない英国やニュージーランドといった特殊な不文憲法の国を除けば、今日、成文憲法を持つ国はほとんどが硬性憲法(通常の立法や法改正より厳しい改正手続きを定めた憲法)であって、そうでなければ、そもそも立憲主義の国とは言えないのである。立憲主義とは、人権を保障するため権力分立を定めた憲法を制定し、そうすることで時々の為政者の恣意的な権力行使を制限し、人々の自由を確保しようとする思想であるから、憲法改正手続きが通常の立法手続きと同様であれば、到底この役割を果たしえないことは自明である。
そこで、憲法が立憲主義の憲法たりうるためには、憲法改正についても、おのずから一定の限界がある、というのが憲法学界の通説である。憲法改正の限界については、細かく言えば色々な学説が分かれているが、現在、日本の憲法注釈書としておそらく最も権威のある『注釈 日本国憲法』(青林書院)によれば、憲法改正の限界として、第1に、憲法制定権力の担い手である主権の変更は認められないこと、第2に、元の憲法との同一性を失わせるような改正は認められないこと、第3に、憲法改正手続き規定および改正禁止規定の実質に触れるようなことは改正行為として認められないこと、の3点が挙げられている(『注釈 日本国憲法(下)』1461頁)。これが憲法改正規定の限界をめぐる通説中の通説と言うべきものであろう。憲法改正手続きの改正が改正権の限界を超えていると考えられる理由は、国の最高法規(98条)である憲法の改正行為が法的に秩序づけられた行為であるためには、立法手続きを定める法規範が法律に上位する憲法規範と考えなければならないのと同様、改正規定そのものが、憲法典のなかにあっても、他の諸規定よりも一段上位の法規範と考えなければならないからである。それゆえ「改正手続き規定は、憲法制定権力が憲法典成立以後法的に行為しうる唯一の道筋であり行為準則であって、改正手続きの実質に触れる改正はできない」(佐藤幸治『憲法』)のである。
憲法を一度もまともに勉強したことのない安倍首相のような改憲派議員がこの説明を理解できるかどうかはわからない(ことにしてあげる)が、こうした憲法学の常識もない連中が数の力に任せて96条を改憲するようなことがあれば、まさしく憲法クーデターと言うべき由々しき事態である。
(転載ここまで)
あそびたりあんさんが上の記事ですでに完璧に書いていて、これにさらに何かを付け加えようとするのはたいへん僭越ですけど、私も簡単にいくつかの点を指摘します。
安倍の次の発言が一つの大問題です。
「2分の1以上の国民が(憲法を)変えたいと思っても、3分の1をちょっと超える国会議員が反対すればできないのはおかしい」
今曲がりなりにも民主的な内容で作られている憲法は、争うようにしてわずかのスコア差で変えるようなものではありません。基本的人権の尊重や国民主権や平和主義の強化のために行なう、言葉の高貴な意味における「改憲」であれば、国会議員の発議が二分の一であろうと三分の二であろうと、ごく自然に行なうことができるはずです。
逆に、基本的人権の無効化や国民主権の制限や平和主義の弱体化をねらう壊憲を、本当に二分の一以上の国民が望んでいるのだとしても、それをしてしまうと、それは文字通り民主主義の破壊であり、民主国の看板を名実ともにおろすことになるのです。だから、改憲のハードルは高いのです。
本当に日本国民の二分の一以上が「基本的人権の無効化や国民主権の制限や平和主義の弱体化をねらう自民党流の改憲」を望んでいるのか、一度世論調査をやればいいのです。
質問項目としては、こんな感じでしょうか?
1)あなたは基本的人権とは何かご存知ですか。
2)現行憲法では基本的人権の尊重が原則としてうたわれていますが、自民党の改憲案では基本的人権に国家による制約がかけられています。あなたは自民党の改憲案に賛成ですか、反対ですか。
...以下略...
国民が自民党の改憲が何を意味するか理解しないうちに、政治家が「2分の1以上の国民が(憲法を)変えたいと思っても」と言うのは順序が全く違います。国民が内容を理解しないうちにだましうちか詐欺のように憲法を改定してしまおうというのが自民党のやり方と言えましょう。だから、こう言わなければならないのです。
自民党による96条改憲は憲法クーデターです。大切なことなので、大声で(大きな文字で)もう一度言いました。
●国会議員への投書のための「議員名簿」→
http://www.eda-jp.com/link/link1.html●マスメディアへの投書のための「News for the people in Japan」マスメディア問い合わせ用リンク集→
http://www.news-pj.net/link/media.html●他の社会系ブログに行くにはうちの「私的リンク集 (適宜更新)」経由で→
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-136.html
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二・二六事件のような軍事蜂起が期待されない。しかしながら、国家騒動員法制定さながらの柿ノ木潜蔵コロナウィルスのクラスター発生、医療・福祉施設で45%との2020年12月の分析を読んで (個人的メモ)No title政府がまた“支援”と銘打った悪巧みをしているようです。なんでも、コロナ禍で苦しむ女性を支援するための「情報発信を強化する」プロジェクトチームなのだとか。
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学校の歴史教科書も時の権力を肯定的に記載しています閉口圧政、暴政に抵抗する人は民主主義の偉人である。 ( #ゾフィー・ショル 生誕100年)皆さまほとんどコメントに返事せずコメント公開も遅れがちないつもの不義理についてのお詫びの気持ちとともに、記事公開後たった数時間の間に早速コメントいただいた皆さんに少し村野瀬玲奈圧政、暴政に抵抗する人は民主主義の偉人である。 ( #ゾフィー・ショル 生誕100年)我々日本人が我々自身を改革する必要に迫られている久々にコメントさせていただきます。
なるほど、我々日本人の歴史を見ても真の意味での『民主主義の偉人』はいない、もしくは少ないと言っていいでしょう。江戸時代初期のNeutalizer鳥取県の女性差別的婚活パンフ森喜朗は中世欧州からのタイムトラベラーか 6世紀のヨーロッパでは,女に魂があるかどうか投票で決めたそうです。
13世紀にはトマス・アクィナスが「女は神がおつくりになった失敗作である」と言ったそうです。
Takeshi圧政、暴政に抵抗する人は民主主義の偉人である。 ( #ゾフィー・ショル 生誕100年)英雄がいない社会をつくりたい。 反戦ビラをまいただけでギロチンにより処刑されたゾフィー・ショルは,たしかに民主主義の英雄であり,その悲劇的な最期を語り続ける必要があるとは思います。
しかしTakeshi圧政、暴政に抵抗する人は民主主義の偉人である。 ( #ゾフィー・ショル 生誕100年)恥ずかしながらこんにちは。
更新、お待ちしていました。
恥ずかしながら、初めて知りました。
現代の私たちも、抵抗する人でありたいものです。DANGER MELON第二次大戦中の大日本帝国軍による性的な目的の女性の人身売買はひどい人権侵害との立場を米国務省が表明 (+ラムザイヤー論文問題メモ)日本政府及びメディアの対応を予想する。 日本政府高官及びメディアは,アメリカの国務省が言うのであれば何も言わないと思います。「О嬢の物語」(テーマ:完全な幸福は,服従にある)のО嬢か「家畜人ヤプー」みTakeshiフランスの経済学者トマ・ピケティに注目する奴隷制によって栄えたアメリカ トマ・ピケティは,「21世紀の資本」の中で次のように述べています。
米国南部と北部の州を区別して1770-1810年のこの二地域の資本構造を同時期のイギリス,フランスTakeshiバイデン・米大統領が第二次大戦中の日系人強制収用について反省と公式謝罪の声明アメリカは建国に際しての先住民虐殺を謝罪できるか。 アメリカでは,毎年1万人以上が銃で殺されています。6歳の男の子が6歳の女の子を射殺した事件もありましたし,銃の乱射事件により複数の犠牲者が出ることも珍しくありまTakeshi放射性物質を含む汚染水を海に放出する日本政府の決定は世界から見られている。日本だけの問題ではない。 #汚染水の海洋放出決定に反対します格納容器の損傷拡大か 2021年2月13日,福島県沖を震源とする比較的大きな地震がありました。福島県と宮城県に被害が出たと聞いています。
地震発生直後,東京電力は原発について「異常の報Takeshi死刑FAQ (適宜更新)パキスタンの最高裁が精神疾患者の死刑執行を禁止 アムネスティ・インターナショナル・ニュースによると,パキスタン最高裁判所は2021年2月10日,精神疾患を持つ死刑囚2人の刑を減刑する判決を言い渡しました。
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「解放軍はほんとうに患者を大事にするんです。”敵も味方も医療従事者は,患者のためTakeshi死刑FAQ (適宜更新)修復的正義の実例 石原明子・熊本大学大学院人文社会科学研究部准教授が,「福音と世界 2021年3月号」に修復的正義の実例を紹介していました。一部引用してお知らせします。
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1910~11年の「大逆事件」に象徴されるように,「死刑」とTakeshiフランスの経済学者トマ・ピケティに注目する「21世紀の資本」を読み終えました。「21世紀の資本」(トマ・ピケティ・みすず書房)608ページをようやく読み終えました。論点は多岐にわたりますが,印象に残った個所を書き出したいと思います。
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