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「改革」としての郵政民営化のカタルシス(満足感)のなさ

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郵政民営化、またの名を郵政米営化がスタートして4日がたちました。

相変わらず、西川善文社長(元・三井住友銀行頭取)の白々しい新聞全面広告。新聞全面にイメージ広告を出して「安心感」や「国民のため」を訴えるのはだいたいいかがわしい目的を隠すためのものだと思っている疑い深い(笑)私です。

さて、今日はかなり主観的な話をします。読んでくださっているみなさんにいきなり質問ですが、金融界のトップや政府与党の中心部にコネを持っていない(笑)一般のみなさんは、この民営化がスタートして、「おお、画期的な改革がはじまった。日本の将来は明るい」という具体的なイメージがあるカタルシス(代償行為によって得られる満足を指す心理用語)を持つことができたでしょうか。

少なくとも、私は全然そういうカタルシスはありませんでした。それは私が、郵政民営化は外国が日本の郵政や金融を支配することになるだろうという理由から意識的に反対しているからではありません。

だって、具体的に、この「郵政民営化」というオペレーションの中には、人間の英知を集めたと感じさせるもの、歴史の進歩を実感できる進取的精神、要するに、斬新なインパクトが何もないじゃないですか。

郵便局がコンビニになる?巨大な官の金が民に解放される?だからなんだというのでしょうか。一般の人にとっては、官の金が民に解放されたって、別にそれが私に支給されるわけでもないし(笑)、手数料が上がるとか過疎地の郵便局が閉鎖されるとかきくと、「人間一人一人の暮らしを見ていない」と直感的に思います。

こんなものは改革ではない。

なぜこのような書き方をするかというと、私はまさに、人間の英知を集めたと感じさせるもの、歴史の進歩を実感できる進取的精神を感じさせてくれた金融的変革の瞬間にその場にいて、大きなカタルシスを感じたことがあったからです。

2002年1月1日の、現金通貨としてのユーロの導入がそれです。

十数もの国が自国の通貨を捨てて、統一通貨を導入する。この発想がいつどこから出てきたのか、どのような思想のもとに練り上げられていったか、また、どのように実現にいたったか、それだけでひとつの物語です。

第二次世界大戦まで、ヨーロッパ大陸で間断なく続いた覇権争い、戦争、蛮行、独裁、破壊。第二次世界大戦後に欧州連合の芽が出て、6ヶ国でスタートした「統一欧州」の夢、欧州の拡大、共同の安全保障の拡大。統一された単一通貨で自国の自律的金融政策をある程度捨ててそれを欧州連合に預け、金融政策で相互依存の体制を人工的に作ることによって欧州という文化圏を意識させる。統一通貨によって、人や物や資本の往来が容易になる。経済的な相互依存体制は、国と国との対立を欧州連合の中で中和させることにもなる。

かなり主観的な書き方をしましたが、今までの通貨を捨てて統一通貨を導入するというのは、少なくとも冒険的、実験的、進取的、野心的な試みであることはたしかです。多くの国の人間の理性や英知を長年にわたって集め、議論し、熟成させる過程。実際の導入に当たって求められる各国間の調整や慎重な手続き。

ユーロの導入というのは単なる経済政策、金融政策ではなくて、ヨーロッパの哲学の表出だとすら私は思います。

導入の瞬間のインパクト。前日までそれぞれの国の通貨を出していた金融機関のキャッシュディスペンサーが、一晩にしてさりげなく新しい通貨を出してくるのです。これはすごいインパクトでしたよ。昨日まで日本円を出していた日本の街角のキャッシュディスペンサーが今日から米ドルを出すようになった、みたいな。(違)

ユーロ現金流通に先立つ数週間前から、金融機関ではきりのいい金額の旧通貨紙幣(フランスでは100フラン札)をビニール袋入りのユーロ硬貨セットに換えてくれました。そもそも、ユーロ現金流通に先立つ数ヶ月前からユーロへの移行について説明書などが政府や金融機関を通じて配布され、市民の理解をすすめていきました。当時のユーロ硬貨セット、そのうちにヤフオクかeBayで高く売れるのではないかと思い、未開封のセットを私は今でも持っています。(笑)一番最初に両替した折り目のない新札も使わずにまだ大切に持っていたりします。(爆)

ユーロ紙幣は中立的デザインで各国共通ですが、硬貨は各国がそれぞれのデザインを使うことができるので、各国がお国柄を出しており、そこから感じ取れるお国柄からは文化の香りもし、なによりも旅情を誘います。流通量の多いフランスやドイツの硬貨はまあ感激が相対的に少ないわけですが、ギリシャやフィンランドやアイルランドやルクセンブルクやオーストリアやポルトガルの硬貨を手にするとやはり感激するものです。(でも、モナコやバチカンやサンマリノのユーロ硬貨にはまだお目にかかったことがありませんが...。)

要するに、こういうインパクトを具体的に感じさせるものが改革だと思うのです。

(通貨単位が変更になったことによる便乗値上げなど、ユーロ導入にあたってはネガティブな面もいくつもありましたが。)

日本の郵政民営化なんて、いきさつだけ見ると、哲学や文化の香りがなく、単に強引なだけの馬鹿騒ぎ、つまらない政治上の手続きだったという印象が残っています。そして、スタートしたら何のカタルシスもありませんでした。

ユーロ導入は大きなニュースで当時のヨーロッパの報道をにぎわしました、郵政民営化スタートの新聞報道は醒めていたという気がしました。

みなさんはどうでしょうか。

話を現実に戻すと、やはり郵政民営化は国民の財産をこっそりとアメリカに売り渡すプロセスであり、国民共通のセーフティネットを少しずつなくしてゆくプロセスだと少しずつ気がつく人が増えてゆくことを願いながら、国民新党や民主党をはじめとする野党にはこれを見直すことを求め続けます。


統一通貨ユーロについて知りたい方のために、駐日欧州委員会代表部のサイトと欧州中央銀行のリンクを紹介しておきます。

駐日欧州委員会代表部による、「ユーロと経済通貨同盟」のページ
http://www.deljpn.ec.europa.eu/union/showpage_jp_union.emu.php

欧州中央銀行による、ユーロ紙幣とユーロ貨幣の紹介のページ
http://www.ecb.int/bc/html/index.en.html
(紙幣については Euro banknotes から、硬貨については Euro coins から各ページに入ってご覧ください。)




ついでに、欧州連合ではすべての国で死刑が廃止されており、新たに欧州連合に加入する国は死刑の廃止が義務付けられています。そのことについても、駐日欧州委員会代表部のサイトの中に説明のページがあります。

EUと死刑
http://www.deljpn.ec.europa.eu/union/showpage_jp_union.death_penalty.php

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1件のコメント

[C1291] 大切なお知らせです。

<重大報告>
*以下は、日本郵政公社2004年3月31日発行のプレスリリースである。
*このプレスリリースは情報が間違っている。記載内容が決定される前から実施されている実態がある。
*少なくとも3社が、2004年3月31日の前から記載内容を実施している。利用者に嘘をついていることになる。
http://www.japanpost.jp/pressrelease/japanese/kani/040331j401.html

*下記は、上記のプレスリリースと関連性が非常に高いので、合わせて読むことをお勧めする。
*運用委託先が追加された際に、プレスリリースが発行されたはずだが、所在は不明である。
*なお、上記プレスリリースは、民営化を機に突如削除されている。削除前の内容は、以下の通りである。
http://youkoclub.blog87.fc2.com/blog-entry-683.html
http://youkoclub.blog87.fc2.com/blog-entry-684.html

*この内容は、一般郵政職員には民営化前に全く知らされていない。つまり、利用者にも知らされていない。
*一般郵政職員が全く知らないということは、肝心な事項の利用者への周知徹底は全く行っていないことになる。
*このプレスリリースを削除するということは、全くディスクロージャーを行っていないということである。
  • 2007-10-06
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