「維新の会」の英訳名は「王政復古党」の意味

　　

代表である橋下徹の承認が無いと、たとえ橋下以外の党員全員が求めることであっても何一つ決められない個人政党であるハシモ党、別名「日本維新の会」の英語名が、"Japan Restoration Party"と決まったそうです。実はこれは「日本王政復古党」という意味になります。日本の民主主義を廃止して王政に戻そうという主張があらわれた党名ということになります。初代国王が橋下徹ということでしょう。

...と言うと、「いや、"Restoration"とは辞書を引けば『維新』と書いてある、つまり、新しくすることなのだ、改革という意味だよ」と思う人もいるかもしれません。

しかし、政党名を英語にするということは、政党名とその内容を国際的に知らせたいという動機のあらわれのはずです。単に、ハシモ党にかっこいい英語名をつけて日本人向けに箔をつけたいというのでなければ。

政党名とその内容を国際的に知らせたいのであれば、重要なのは、日本人が『維新』という日本語にいだくカイカク幻想を日本人の間だけで持ち続けることではなくて、この"Restoration"という語を英語圏の人々と国際社会が見た時にこれがどう解釈されるかということなのです。だって、英語なのですから、そこに意味を読み取るのは日本人（の自己流の解釈）ではありません。英語を使う人々の解釈に従わなければなりません。

日本を「王政に復古させたい」と思う人が日本の一部にいることを妨げることはできません。しかし、それを政党として組織して、国民的な人気を集めるというのは、「日本は民主主義国ではない。日本には民主主義が全く根付いていない。」ということを国際的に宣伝することと同じことになります。ハシモ党、別名日本維新の会は国際的感覚がゼロであることを象徴的にあらわした英語名だと言えます。

ついでに言えば、日本人全般の国際感覚、民主主義感覚、人権感覚の弱さを間接的に表現した政党名でもあります。

次の二つのツイッターがそれを端的に指摘していますのでお持ち帰り。

日の丸を彷彿とさせるデザインの中に尖閣と竹島を含んだ日本地図で大日本的なナショナリズムを煽る維新のロゴマーク。しかし一番下にわざわざ政党の名を英語で記すところが笑えてしまう twitter.com/akiharahaduki/…

— 秋原葉月 (@akiharahaduki) 9月 17, 2012

にゃご@クハ201-89さんのご指摘。「日本維新の会」はわざわざロゴに英名を載せてるけどJapan Restoration Party って、日本王政復古党だよ、何がどう新しいの（笑）？みんなで「日本維新の会」ではなく「日本王政復古党」「日本復古党」って広めましょう(^^)/

— 秋原葉月 (@akiharahaduki) 9月 24, 2012

「日本王政復興党」、「日本復古党」という名前を広めるというアイデア、いいと思います。賛同します。『英語名日本王政復古党、別名ハシモ党、別名橋下徹の会、別名橋下徹真理党、通称日本維新の会』と言えばいいでしょうか。（長いよ！）

次の記事も重要ですね。

●Infoseek ニュース
「維新の会」の英訳に外国人は「？？？」- ゲンダイネット（2012年9月28日10時00分）
http://news.infoseek.co.jp/article/28gendainet000175966
日刊ゲンダイ2012年9月25日掲載

　　橋下新党「日本維新の会」が今月１２日、政党のロゴを発表したが、そこに書かれていた英語名「ＪＡＰＡＮ　ＲＥＳＴＯＲＡＴＩＯＮ　ＰＡＲＴＹ」に、外国人から疑問の声が上がっている。

　「ＲＥＳＴＯＲＡＴＩＯＮと聞いて、英語圏の人がすぐにイメージするのは、英国史における『王政復古』です。ＲＥＳＴＯＲＡＴＩＯＮの本来の意味は、復古や復活のこと。橋下新党を『日本復古の会』と読んでしまう外国人も多いのではないか」（英国人記者）

　「維新」を広辞苑で引くと、「物事が改まって新しくなること」「政治の体制が一新されること」だが、「明治維新」は天皇親政の“復活”だったことから、「ＭＥＩＪＩ　ＲＥＳＴＯＲＡＴＩＯＮ」と英訳されている。そこから、日本維新の会も「ＪＡＰＡＮ　ＲＥＳＴＯＲＡＴＩＯＮ　ＰＡＲＴＹ」と訳したようだが、米国を中心に取材活動をしているジャーナリストの堀田佳男氏も、こう指摘する。

　「リストア＝修復という言葉の通り、『ＲＥＳＴＯＲＡＴＩＯＮ』だと古いものを元に戻す、というニュアンスになります。明治維新の直訳をそのまま使うのは、あまりいい訳とは言えませんね。まして、これから新しいものを作っていこうという日本維新の会だけに、奇異に感じている外国人は多いと思います」

　　実は、維新の会にも同様の問い合わせがあるという。事務局の担当者は困惑気味に言う。

　「確かに、英語の解釈では『王政復古』の意味になるのではないか、という声が寄せられています。ただ、この名称は執行部が決めたことですので何とも……」

　　右傾化が目立つ維新の会は、名が体を表しているように見える。

　（日刊ゲンダイ2012年9月25日掲載）

（転載ここまで）

水島朝穂先生の指摘も紹介します。

●早稲田大学・水島朝穂のホームページ
今週の直言
権力者が芸術・文化に介入するとき――大阪市長と大阪フィル
http://www.asaho.com/jpn/bkno/2012/0917.html
2012年9月17日

　ところで、『日本経済新聞』9月5日付一面コラム「春秋」には、「僕」についてこんな記述がある。「『僕』という一人称は幕末動乱期に志士たちが使いはじめ、世に広まったという。昨今、ひんぱんに『僕』を口にする人といったら橋下徹大阪市長だ。維新だ八策だと志士みたいな橋下さんだから『僕』はお似合いで、『僕の感覚』なる言い回しもしばしば飛びだす」と。

　今後、無邪気な「僕」たちの中央政界進出により、スターリン体制下の文化担当人民委員のような「僕の感覚」により、芸術・文化の世界に対する恣意的介入が強まっていくことが危惧される。

　9月12日、新党「日本維新の会」が結党宣言を行った。英語表記はJapan Restoration Partyだが、フランス（restauration）やドイツ(Restauration)でこれを名乗ったら「王政復古」党である。ドイツの新聞は「欲求不満の中間層の党」という見出しをつけ、「右翼ポピュリストの原発批判派橋下徹が日本で新党を設立した」としている(die taz vom 10.9.2012)。

（引用ここまで）

このドイツの新聞の記事は甘いですね。（笑）「右翼ポピュリストの原発批判派」ではなくて、「右翼ポピュリストの、財界に意向にしたがってなんとでも主張を変える、ときどき原発批判の仮面をかぶる原発推進派」と言うべきではないでしょうか。

それから、日刊ゲンダイの記事に戻ると、「これから新しいものを作っていこうという日本維新の会」というのも間違いです。

「民主主義を廃止して、橋下徹絶対国王のもとで表面的には民主主義ぽい虚飾の演出をほどこした独裁制を作り上げていくこと」を「新しいもの」と呼ぶかどうかは、日本国外の民主主義国の人々に判断してもらいたいです。

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