
貧困問題に取り組む人たちによる、「このまますすむと困っちゃう人々の会」。毎週水曜日夕刻に首相官邸前でスタンディングアクションをおこなっていることを何度か紹介してきました。
●水曜夕暮れ官邸前。 《このまますすむと困っちゃう!!》アクションhttp://komacchauhito.blog.fc2.com/8月29日のアクションを報じるしんぶん赤旗のウェブ記事を読みました。
●しんぶん赤旗
7回目 官邸前で怒りの行動
困っちゃう人々の会
「友人は進学断念」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-08-30/2012083015_02_1.html
2012年8月30日(木)
(写真)消費税増税や生活保護費削減反対などを訴える反貧困スタンディングアクション参加者たち=29日、首相官邸前
貧困問題に取り組む人たちでつくる「このまますすむと困っちゃう人々の会」は29日、「生存権を守れ」「命を削る政治をやめろ」と訴えて、首相官邸前で「スタンディングアクション」を行いました。今回で7回目。
自立生活サポートセンター・もやいの稲葉剛さんは「消費税増税、社会保障制度改革推進法案を強行した3党合意をすべて白紙に戻すよう要求し、官邸に私たちの声を届けよう」と呼びかけました。
仕事帰りに初めて参加した女性(40)=東京都板橋区=は「納得のいく説明がないまま消費税増税を押しつけようとしている。市民の声を聞かないのが当たり前の政治になってしまった」と憤ります。
インターネットで知り初めて参加した女子大生(22)は、経済的な問題で大学に進学できなかった友人を見てきました。「地元で生活の苦しい人たちがいることを身近に感じていたので、今日ここに来ている人たちの思いを自分の肌で感じてみたかった」といい、マイクでリレートークする参加者の声にじっと耳を傾けていました。
(後略)
(転載ここまで)
経済的な問題で大学に進学できなかった友人の話...。うちでも日本での『奨学金』という名の貧困ビジネスについて何度か記事を書いてきましたが、「あそぶログ」のあそびたりあんさんの「奨学金残酷物語」という記事を今回は読んでいただきたいと思うのです。
「奨学金残酷物語」というタイトルは素晴らしいものだと思います。その一方で、記事を読み進めていくと、「学費の心配をしなくてよい家庭の子どもたちがそのまま官僚や政治家になり、自分や自分の家庭が学費の心配をしなくてもいい特権を自分たちだけのために確保するために政策を立案しているかのようにすら思えてきます。そのように、学費が出せない家庭を教育からさらに遠ざけておくために、奨学金という一見親切そうだけど実は残忍な貧困ビジネスを拡大しているようにも思えてきてしまいます。
日本での高等教育における学費の高さ。世界とはちがって日本で特殊な性格を持つ「奨学金」という残酷な制度。日本社会で本当に教育を必要としている人たちが教育を受けられないまま長い年月が過ぎることによって、日本社会が経済的にも知的にも脆弱なものにさせられていくプロセスが私には見えます。
●あそぶログ
奨学金残酷物語
http://d.hatena.ne.jp/asobitarian/20120427/1335538763
2012-04-27
奨学金制度の拡充と教育の無償化を求めて、労働者・教職員・学生・父母の団体・個人が集まって結成された「奨学金の会」(国民のための奨学金制度の拡充をめざし、無償教育をすすめる会)というのがあるそうだ。その「奨学金の会」事務局次長の岡村稔氏が『現代思想』2012年4月号に「奨学金はどこへ行く――憲法と金融のはざまで」という論文を書いている。これを読むと、現在の日本の奨学金制度が貧困学生を借金漬けにして債務奴隷にする貧困ビジネスと化し、「返したくても返せない」人を犯罪者扱いしている暗澹たる現実が浮かび上がってくる。以下に、岡村論文と、『現代思想』の同じ号の大内裕和×児美川孝一郎対談「キャリア教育を問い直す」の中から、特にお金と教育に関わる事実関係を中心に簡潔にまとめ、理念と現実、現状、歴史の順に整理する。
1.理念と現実
本来、国の奨学金制度は、憲法第26条「教育を受ける権利」を受けて定められた教育基本法の第4条第3項により「国及び地方公共団体は、能力があるにもかかわらず、経済的理由によって修学が困難な者に対して、奨学の措置を講じなければならない」という義務として規定されているものだ。
国際人権A規約(経済的・社会的・文化的権利に関する国際規約)でも、中等・高等教育の漸進的無償化を定めている(第13条2項(b),(c))が、なんと日本は、国際人権規約を批准している160カ国中、マダガスカルとともにこの条項に留保し続けているわずか2カ国のひとつなのである。OECD(経済協力開発機構)加盟31か国中、大学授業料が有料で、かつ給付制奨学金がない国は日本だけになっている。家計への教育費の公的補助のうち、給付制奨学金の割合は平均で58.8%だが、日本はゼロである。これだけでも唖然とする現実だが、次に奨学金をめぐる現状をまとめよう。
2.現状
奨学金を受けている大学生(昼間部)の割合は、1998年には23・9%であったのが2010年には50.7%にまで上昇した。実数で見ると、98年の約50万人から2011年には127万人へと増加している。一方、2000年から2010年までの10年間に、学費は5万円増加したのに対して、生活費は28万円も減少し、10年前の3分の2の水準にまで低下した。これは、家計からの給付額が2000年の156万円(全収入の72.4%)から123万円(61.7%)へと激減したのが影響している。東京の自宅外通学者の場合、仕送り額は2000年の11万9300円から2010年には9万1600円に減少した。大学生の生活を支える親の経済力が、低下し続けているのである。その分、奨学金は18万円(8.5%)から40万円(20.3%)に増加し、働かなくては修学困難な学生が37.6%から40.7%に増加する反面、家計からの収入のみで修学可能な学生は39.9%から32.8%に減少した。
このように今や学生の生活にとって必要不可欠な存在となった奨学金であるが、日本の奨学金の約9割に当たる奨学金事業費を運用している日本学生支援機構の奨学金はすべてが貸与制である。しかも政府はこの約10年、奨学金制度の改悪を続け、一般財源による無利子枠は拡大せずに有利子枠のみ約10倍に拡大させた結果、有利子枠の比率は75%を占めるまでに至っている。このため、無利子貸与の申請者の約8割が不採用になるという。有利子貸与は3万、5万、8万、10万、12万(大学院は15万円、法科大学院は22万円まで)からの選択制だが、仮に有利子奨学金を毎月12万円、4年間借りた場合、貸与金額は576万円で返済総額は775万円(金利3%で計算)となり、毎月3万2297円ずつ20年間かけて返済しなければならない。つまり、20代の平均年収の約3倍の借金を卒業時に背負うことになるのである。高校から大学院卒業まで借りたある相談者は、返済総額が2000万円、毎月の返済額が7万5000円に上り、「家賃より高い」と頭を抱えていたという。
文科省はこれを「返済能力の範囲内」と位置づけているが、終身雇用・年功序列を柱とする日本型雇用が崩壊し、大卒の内定率も就職率も低下し、若者の失業が長期化するなかで、親も本人ももはやその負担を担い切れないのが現状である。奨学金返還者の中には、祖母の年金から返済している例もあるという。
また、ある公立大学に入学してきた授業料や生活費を全く支払うことのない学生は、日本学生支援機構の有利子奨学金を月12万円ずつ借りているが、卒業後の返済が心配で鬱病になってしまったという。「なぜ学費が払えないのに入学したのか」とカウンセラーが聞くと、高卒では就職先がないのだという。実際、高卒者の求人数は1992年の168万件から2003年にはわずか20万件と87%も激減しているという。高校卒業後の就職先がないから大学に行かざるを得ない構造が生まれているのである。
また、精神疾患で会社を辞めた相談者は、「医者から長時間の仕事は無理といわれ短時間のアルバイトで月5万円の収入で生活しています。現在、返済猶予を受けていますが、その5年の期限がまもなく終わります。食べていくだけでもやっとの生活なのに月2万円の奨学金の返済はできません。奨学金を借りたことでこれほどつらい思いをするとは思いませんでした」と語っている。
返済が困難になった場合、返済を猶予する制度はあるものの、猶予期間は最大で5年間にすぎず、猶予を打ち切られ延滞者となると年利10%の延滞金が加算される。正規雇用に就けなかった場合は、「返したくても返せない」という返済困難に陥ることは容易に想像できるが、今や大学を卒業しても4割が正規採用されないという。近年の新自由主義的「構造改革」によって低賃金・不安定雇用が拡大し、年収200万円以下の労働者が1000万人を超えた。奨学金の延滞6カ月以上の者のうち「年収300万円未満」の者の割合は、過去3年で、84%から87.5%に上昇した。しかも、なんとか返済し続けている無延滞者にも低所得層が広がり、約半数が年収300万円以下という。
3.歴史
日本の奨学金制度は1943年の大日本育英会制度の創設に始まったそうだ。1942年2月、「公的奨学金設立のための連盟」会長・永井柳太郎衆院議員は帝国議会で、「日本国民の大多数が貧富の如何を問わず、ひとしく高級な教育を受け、その天賦の良智、良能を発揮しうる教育制度を確立することが急務中の急務」であり、奨学金で教育を保障することは「単に、人材の育成にたいする国家の要求に応えるだけでなく、国家の政治を、正義の上に確立することになるもの」だと訴え、翌年の大日本育英会の創設につながった。ただし、当時は太平洋戦争真っ最中で、戦費による財政難から無利子貸与制奨学金として始まった。
ところが、日本が高度経済成長によって経済大国となり、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」などともてはやされていた1980年、大蔵省は、貸与制から世界の常識である給付制へと移行するどころか、①奨学金の有利子化、②返還免除制度の廃止、③返還期間の短縮――といった方針を打ち出した。バブルがはじけた後の1997年、日米規制緩和協議で米国が金融の量的緩和を要請し、「奨学金ローン化」の流れが強まると、同年7月には社会経済生産性本部の社会政策特別委員会が「奨学ローン」構想を提言した。
2004年3月31日、60年間にわたり日本の公的奨学金を担ってきた日本育英会が廃止され、独立行政法人・日本学生支援機構に事業が引き継がれた。育英会が廃止されたのは、「今、大学へ進みたいという意欲と能力のある者にとって大学に進むことが、経済的事情によって困難であるということはほとんどあり得ない」という、奥島孝康「新たな学生支援機関の設立構想に関する検討会議」座長(元早大総長)が示したほとんどあり得ないような現実離れした認識(2003年5月13日参院)の下に、「日本育英会が民間金融機関と競合している(民業を圧迫している)」(2001年、石原伸晃行革担当大臣)という理由に基づくものであった。
2007年、日米年次改革要望書で米国が個人信用情報機関の活用を要請すると、同年10月、政府は「奨学金の返還促進に関する有識者会議」を設置し、翌08年6月に出された同会議の報告書は「滞納3カ月で個人信用情報機関に通報」「初期の延滞債権回収の民間委託」「法的措置の早期化」「延滞率の高い大学名の公表」などを明記した。09年10月には初期延滞者への督促架電の民間委託が導入され、10年2月、債権回収業者による債権回収(新規延滞3カ月~8か月)委託が開始され、法的措置への移行も延滞12カ月から9カ月へと早期化した。さらに同年4月には延滞3カ月以上の者の個人信用情報機関への通報制度が導入されるなど、奨学金のローン化と様々な金融的手法の導入が矢継ぎ早に行われた。
しかし、2008年10月のリーマンショック以降、同年末の「年越し派遣村」の出現など「貧困と格差」が可視化されるようになると、09年5月の「教育再生懇談会」報告に給付制奨学金の創設が盛り込まれ、同年8月の衆院総選挙ではすべての政党が「教育無償化」と「奨学金の拡充」をマニフェストに掲げて選挙に臨んだ。総選挙後、政権交代で政権についた民主・社民・国民新3党は、日本政府が留保している国際人権A規約第13条2項(b)(c)【中等・高等教育の漸進的無償化】について、「留保」を撤回し、無償化の報告に踏み出すと、奨学金の会のアンケートに回答したそうである。12年度の予算概算要求には「大学等」給付制奨学金創設の予算が初めて盛り込まれた。全体の事業規模の1%(原資147億円、月5万円、2万人等)という極めてささやかな予算規模であったが、財務省の強い抵抗にあい、本予算には盛り込まれなかった。
2012年2月9日、玄葉外務大臣は衆院予算委での答弁で、国際人権A規約の中等・高等教育の無償化条項の留保問題について、「撤回にむけて手続を行うよう事務方に指示した」と発言した。これを受けて「奨学金の会」は2月24日、文科省に対し、①給付制奨学金を実現すること、②経済的返還困難者に対する猶予5年の上限をなくすこと、③長期の債権については減免・償却する制度をつくること――が先決であると要請したが、文科省は「検討できない」と回答したという。理由は、財源がないことと、進学者と非進学者の税負担の公平性だという。しかし、世界有数の経済力を持つ日本が先進国では常識である給付制奨学金等を実現できないのは財源の問題ではなく、政治的意志の問題の問題にすぎず、貧乏人は大学進学をあきらめろというような制度――大学進学を断念する理由のトップが「学費等を払えない(63.7%)」である――は公平であるどころか、憲法にも教育基本法にも違反する人権侵害である、ということが文科省には全くわかっていない。その背後には、高等教育は「自己への投資」だとする「受益者負担論」があると岡村氏は指摘しているが、貧富の如何を問わず、高等教育を受ける権利を奨学金で保障することが「国家の政治を正義の上に確立することだ」という70年前の帝国議会で受け入れられた認識が、広範な人権を保障した戦後憲法体制の下で、はるかに後退してしまったのは情けない限りである。
世界の中でも大学の学費は圧倒的に高く、そのため日本の高等教育における私費負担比率は67.8%と、OECD諸国平均の27.4%を大きく上回る一方で、給付制奨学金が存在しないなど貧困すぎる奨学金制度をさらに改悪して、貧困学生を食い物にするという奨学金制度の貧困ビジネス化という、これほどひどい状況にも関わらず、現状を抜本的に変革するような議論が大きくならない原因として大内氏は、急速に貧困化する若者を家族が必死に支えている現状があること、日本社会で美徳として広く受け入れられている努力主義が新自由主義の「自己責任」へと結びつく回路があること、受験体制が教育の商品化と市場化を全面的に推し進めた結果、教育における「私事化」をもたらしたこと、を挙げている。言い換えれば、日本においては社会問題が「私事化」される土壌があるということだろう。皮肉なことに、高度経済成長を支えた日本人のメンタリティーは、バブルと日本型雇用が崩壊した90年代以降の新自由主義的「改革」に抵抗できない要因になっているのかもしれない。
日本国憲法第26条
① すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
② すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。
教育基本法第4条
③ 国及び地方公共団体は、能力があるにもかかわらず、経済的理由によって修学が困難な者に対して、奨学の措置を講じなければならない。
経済的・社会的・文化的権利に関する国際規約第13条
1. この規約の締約国は、教育についてのすべての者の権利を認める。締約国は、教育が人格の完成及び人格の尊厳についての意識の十分な発達を指向し、並びに人権及び基本的自由の尊重を強化すべきことに同意する。さらに、締約国は、教育がすべての者に対し、自由な社会に効果的に参加すること、諸国民の間及び人種的・種族的又は宗教的集団の間の理解・寛容及び有効を促進すること、並びに平和の維持のために国際連合の活動を助長することを可能にすべきことに同意する。
2. この規約の締約国は、1の権利の完全な実現を達成するため、次のことを認める。
(a) 初等教育は、義務的なものとし、すべての者に対して無償のものとする。
(b) 種々の形態の中等教育(技術的及び職業的中等教育を含む。)は、すべての適当な方法により、特に、無償教育の漸進的な導入により、一般的に利用可能であり、かつ、すべての者に対して機会が与えられるものとする。
(c) 高等教育は、すべての適当な方法により、特に、無償教育の漸進的な導入により、能力に応じ、すべての者に対して均等に機会が与えられるものとすること。
【5月2日追記】
(後略)
(転載ここまで)
『文科省はこれを「返済能力の範囲内」と位置づけている』とありますが、官庁の官僚になるような人たちは経済的に裕福な家庭の出身者たちが多いですから、『終身雇用・年功序列を柱とする日本型雇用が崩壊し、大卒の内定率も就職率も低下し、若者の失業が長期化するなかで、親も本人ももはやその負担を担い切れないのが現状である』ことなど見えていないし、見せられても見ようともしないのでしょう。...まるで、
証拠を突きつけられると目を閉じて「私には証拠は見えないから証拠は存在しない」と言い訳にもならない言い訳をする犯罪者のようにすら彼らが見えてしまいます。
『日本が高度経済成長によって経済大国となり、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」などともてはやされていた1980年、大蔵省は、貸与制から世界の常識である給付制へと移行するどころか、①奨学金の有利子化、②返還免除制度の廃止、③返還期間の短縮――といった方針を打ち出した。』という説明にも考えさせられます。経済的に裕福な家庭の出身者たちからなる官僚が、自分の受けることのできた教育の成果を社会に還元して国民全体のための政治をするのではなくて、自分の受けた教育を自分の利益のためだけに利用し、一般国民を教育から遠ざけようとする「見えない社会的な力」が政策の中にあらわれた瞬間だったのでしょう。
『2012年2月9日、玄葉外務大臣は衆院予算委での答弁で、国際人権A規約の中等・高等教育の無償化条項の留保問題について、「撤回にむけて手続を行うよう事務方に指示した」と発言した』のは一つの救いではありますが、民主党が分裂し弱体化した状態になってしまいましたから、民主党大臣が中等・高等教育の無償化条項の留保の撤回を文部科学省に迫る力はますますなくなってしまったでしょう。
それはおくとしても、そのような教育費の軽減の要請に対して文科省が「検討できない」と回答したというのは心の底から失望させられる話です。
自分が出世しさえすれば社会全体に教育を受ける権利がいきわたらなくてもよいという人間が量産される見えない教育的メカニズムが日本にはあるようで、そのようなメカニズムで教育された自己中心的な人間が多く官僚になっているからとしか、この文科省の後ろ向きな態度は説明できません。
まるで、日本の文科省は、教育を受ける機会を特に貧困な層から徐々に奪うことによって、日本の若者の未来を閉ざすためにあるかのようにすら思えてくるのです。
asobitarianさんの記事の中にある、『日本社会で美徳として広く受け入れられている努力主義が新自由主義の「自己責任」へと結びつく回路があること、受験体制が教育の商品化と市場化を全面的に推し進めた結果、教育における「私事化」をもたらしたこと』という指摘に深く考えさせられました。
『高度経済成長を支えた日本人のメンタリティーは、バブルと日本型雇用が崩壊した90年代以降の新自由主義的「改革」に抵抗できない要因になっている』がゆえに、それは日本の滅びを推進する力ともなっているのでしょうか?どこかで歯止めをかけなければならないのですけど...。
こう書いてきて、仏フランソワ・オランド大統領の今年の大統領選の時の演説を思い出します。
■フランス大統領選 : 社会党フランソワ・オランド候補、2012年1月22日の選挙戦開始演説全文訳
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-3377.html
(前略)
若年層が成功できるようにあらゆる手段をとること。それは、若年層自身のためではなく、若年層が一つのカテゴリーだからでもなく、彼らにおべんちゃらを言いたいからでもありません。両親、祖父母である人々にも未来の中の希望、成功の中の誇りを再び取り戻してもらって、「いったい、私たちはこれからの世代に何を残すことができるだろう?私たちの子どもたちや孫たちにどのような社会を引き継ぎたいと私たちは望んでいるのだろう?」と問うてもらうことができるからなのです。これからの世代に残したいのは、失業の社会、不安定な非正規雇用の社会、不安の社会、崩壊の社会でしょうか。それとも、逆に、チャンスが与えられ、成功の条件が示されて、「私はもうすぐ定年退職する。あるいは、もうすぐ人生最後の大きな旅立ちをするかもしれない。しかし、少なくとも結局、私自身は得られなかった成功が可能だと次の世代のために伝えることができた。」と思える社会でしょうか。
そして、みなさんの前にいる私は大統領選の候補者として、もしこの国の次の大統領任期を任せていただけるなら、私のことはただ一つの目標によって判断してほしいと望みます。それは、フランスのみなさんが望んで私に与えられた大統領任期の最後の2017年に、若者たちの暮らしが今の2012年よりも良くなっているかどうか、という基準です。私のことはこのただ一つの行動によって、この唯一の真実によって、この唯一の約束によって評価していただきたいと思います。若者たちの生活を変えることは私にとっての誇りとしては最も大きいものです。私がしているのはお気軽な約束ではありません。この課題について国全体を動かすためなのです。
(後略)
(引用ここまで)
私はこういう演説を日本の政治家の口から日本語で聞きたいのです。私はこういう政策が日本の官僚によってすすめられる様子を見たいのです。
現実に実現するには困難もあるし時間もかかるにしても、こういう政治的意思が日本にたいへんに薄いことに、日本の衰退の原因の大元があると私には思われます。
●国会議員への投書のための「議員名簿」→
http://www.eda-jp.com/link/link1.html●マスメディアへの投書のための「News for the people in Japan」マスメディア問い合わせ用リンク集→
http://www.news-pj.net/link/media.html●他の社会系ブログに行くにはうちの「私的リンク集 (適宜更新)」経由で→
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-136.html
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今回の文書の内容はこの恫喝発閉口強制ではなく任意であるはずの #マイナンバーカードの義務化に反対します #保険証廃止はありえない #保険証廃止の閣議決定に抗議します (2)自民党の十八番自民党の十八番
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思い出されるのは1999年に成立した国旗国歌法、大日本閉口WHO(世界保健機関)が日本人事務局長を人種差別的言動を理由に解任人種差別発言あれこれ 葛西健の人種差別発言とは,
フィリピンにある事務局での地元フィリピン人スタッフに詰問。
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引っ越しだ何だと便利だからと言って「一生のうちにどれだけ必要なんだ」、「手続きの為にアンドリュー・バルトフェルド維新の嘘の例。維新の悪政を漂白して維新ロンダリングをする不甲斐ない報道業者。 #維新に騙されるな #マスメディアへの不満 #マスメディアへの不信No title教育の無償化をはじめこれ程維新が嘘をついてるとは思いませんでした。yoshiウィシュマ・サンダマリさんたちを死なせた責任もとらずに自民党政府がめざす入管法改正は入管法改悪である入管収容施設の実態とは アムネスティ調査員の山口かおるさんの報告を紹介します。
2022年10月後半から11月中旬まで元被収容者・現被収容者30人ほどにインタビューをしました、2022年10月末時Takeshi自民党政権のもと、先進国から脱落し続ける日本自民なるも、の、の呪縛は解けないのか何度もスミマセン
先月、私の住む自治体の首長選挙がありました。
残念ながら現職の非自民系の候補が落選してしまいました。
また、自民なる、コンクリートと廃棄物と、月乃兎放送法の解釈を自民党政権のメディア統制に都合のよいように自民党政権が変更したことについて、小西ひろゆき参院議員による追及つけたし>氏の中日新聞=東京新聞のコラム
>氏も自民党にとっては
の「氏」は田中優子氏の事です月乃兎自民党政権のもと、先進国から脱落し続ける日本No title>民主党((補足:)当初は ・社民連立)政権の間に改善が見られた指標はいくつかありました。
確かに「マニフェスト」には再分配重視が掲げられていましたし、「こども省月乃兎梅毒の感染例増加における、男女別・年齢別の非対称性について (メモ)No titleようやく(遅すぎ…)梅毒の感染増加をNHKが扱いましたか…
(「ニュース」番組でないので「「報じる」の語は使いません)
HIV感染も、日本という社会は「(いわゆる)先進国」月乃兎放送法の解釈を自民党政権のメディア統制に都合のよいように自民党政権が変更したことについて、小西ひろゆき参院議員による追及つけたしトピズレですが…原田医師のことを書きこんだ「ついで」といってはなんですが(この「ついで」って書き方に苦痛を感じますが)
石牟礼道子氏や原田氏は水俣の公害被害・MINAMA月乃兎自民党政権のもと、先進国から脱落し続ける日本> ewkefc さん民主党政権の間に改善が見られた指標はいくつかありました。いくつかの経済指標も民主党政権の間は改善していました。その意味で、民主党政権は自民党とは良い意味で違うと村野瀬 玲奈第五福竜丸の史実を平和教育の教材から消して、生徒に伝えないようにする広島市教育委員会。広島は反核の地ではなくなっているのか。No title 『はだしのゲン』に続いて第五福竜丸に関する記述も削除して一体何が残るのか?現在の日本やアメリカの権力層に不利益な内容は根こそぎ排除しようとしていると疑われてもクテシフォン日本国と日本人が大日本帝国軍性奴隷制度(従軍慰安婦制度)という蛮行の史実を記憶して二度と繰り返さないために反省しないなら、日本人以外の人々がかつての日本の蛮行を記憶する。虐殺否定罪,慰安婦否定罪の成立が必要。 2012年1月23日,フランス国民議会でトルコによるアルメニア人虐殺否定罪を成立させました。アルメニア人虐殺を否定する意見を公言した者は禁固1年と45000ユーロの罰金をTakeshi埼玉県 #草加市議会 の #河合ゆうすけ 市議会議員のヘイトスピーチと市民団体への妨害行為 (メモ)No title とどまるところを知らないColaboへの攻撃。その発端からゲーマーゲート事件(アメリカでゲームおける女性の描き方をフェミニズムの観点から批判した研究者達にゲームマニクテシフォン放送法の解釈を自民党政権のメディア統制に都合のよいように自民党政権が変更したことについて、小西ひろゆき参院議員による追及No title>「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」
なら、政府・大企業と意見の対立する「反/脱原発」「反リニア」等も大きく月乃兎