少数派だからこそ

　　

4月2日になりました。エイプリルフールも終わりました。

4月1日の記事で言いたいことの一つは、日本の政治がだめなのは、選挙制度のせいでもなく、政界再編成ができていないからでもなく、議員定数が多すぎるからでもないということです。

日本の政治がだめなのは、言葉の高貴な意味での民主主義の精神が日本の政治家や官僚や経済人に理解されていないことにあり、実際に民主主義を具体化して実践する法律や習慣が日本社会になかなか根付かないということにあるということです。そして、さらにそれをさかのぼると、民主教育が学校の中で原理的にも実践的にも根付いていないからだと思う、ということです。

その具体的なあらわれの一つが、選挙で勝てばどんなに粗雑で乱暴で自己中心的な政治をしてもそれは民意であるという一種の「多数決万能信仰」。ほとんどカルト宗教のようです。実際に、「多数決万能」を信仰する人は多いように思います。

しかし、そもそも、選挙で勝っても、得票数が全選挙民の半分以上あるということは少ないです。

また、仮にそうであったとしても、政治の中で超えてはいけない一線というのは確実にあって、それは日本国憲法や世界人権宣言のような基本法や国際的な合意文書、つまり「ルール」に示されているのです。

多数決でさえやってはいけないことが政治の中にはあるのです。

その枠をはみ出ることは民主政治の危機を意味します。しかし、自分が勝手にこしらえたルールを人に強制したがるのに、もっと高所から政治家に課せられているルールを無視する自分勝手な人間がいつのまにか日本の多数派になってしまっているのだとしたら、日本の危機は深いです。しかも、そのような自分勝手な人間の中に何人かの弁護士がいて、率先して権力の座で自分勝手をやっているのですから。

そうなってしまったら、人類が長い間かけて築き上げてきた法の支配も基本的人権も人間の尊厳も何もなくなってしまいます。

日本では日本国憲法や世界人権宣言に書かれていることの価値を信じてそれを具体化しようという考えが少数派であり、そう考えない勢力によって、当たり前のようにある意味「迫害」され始めている、というのが日本の現状のように思われてなりません。もしそうならそれはたいへんに異常な事態です。

しかし、それでも、天動説が多数派によって信じされていて、地動説を唱えていた者が迫害されていた中世の時代に、理論と根拠にもとづいて信念をもって地動説を説いた科学者が天文学を進歩させていったように、民主主義の大義を追求し続けるつもりです。

深く考えないままになんとなく多数派でいることで安心するのではなく、ましてや、多数派であるというだけで少数派を積極的に迫害し、あるいはその迫害を傍観し容認することを私は意識的に拒否したいのです。

少数派としての筋を通し、理を追求していこうと私は改めて思います。



「多数派」ということが陥る誤りを鋭く風刺したギャグ番組を紹介した関連記事。
■フランスのTV番組のギャグに学ぶ戦争遂行のプロセス
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-2211.html

築地市場の豊洲移転に反対して食の安全を守りたい。
●Like a rolling bean (new) 出来事録
■2012-02-19
【追加募集：2月28日消印☆】「築地市場移転予定地の取得に関する監査請求」にご協力を！
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-11169418853.html

↑『がけっぷち社長』さん作。また、税制についての当秘書課の記事は、「カテゴリ : 税制、税金、財政」から。

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