長崎平和宣言が心配。

　　

今年の長崎平和宣言は「意思が足りない」ものになるのではないかととても心配になってきたのでこの記事を書きます。まず報道から。

●毎日ｊｐ(毎日新聞)
長崎平和宣言：「脱原発」は盛らず　田上市長発表
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110729k0000e040013000c.html
2011年7月29日

　長崎市の田上富久市長は２８日、「長崎原爆の日」（８月９日）の平和祈念式典で読み上げる平和宣言の骨子を発表した。福島第１原発事故を受け、焦点となった原発問題について「脱原発」の文言は盛り込まず、将来的に安全な社会に転換するために原子力に代わる再生可能なエネルギー開発の必要性を訴える。また、東日本大震災の犠牲者への哀悼の意と、被災地に向けた復興へのメッセージを表明する。
　会見で田上市長は「再びヒバクシャをつくらないのが私の思い」と説明。宣言文を練る起草委員会では「脱原発」に踏み込むよう求めた委員も少なくなかったが、田上市長は「原発は一市長がどうこうというのではなく、世界的なテーマ。『脱原発』にとらわれることなく、原発に依存してきた社会からより安全な方向へ変えるのが私の考え。産業や市民生活など社会を壊さないようにすることが重要で、急ぐと混乱を招く」と慎重姿勢を貫いた。
　式典には露、英、仏の核保有国を含む過去最多の４９カ国が参列予定。平和宣言では、各国に核兵器禁止条約の締結を、日本政府に非核三原則の法制化を求める。【下原知広、釣田祐喜】

毎日新聞　2011年7月29日　10時34分（最終更新　7月29日　11時25分）

（転載ここまで）

●龍～なが　長崎新聞ホームページ
田上長崎市長が平和宣言の骨子を発表　原発の在り方問う
http://www.nagasaki-np.co.jp/kiji/20110729/02.shtml
2011年7月29日

　長崎市の田上富久市長は２８日、「長崎原爆の日」（８月９日）の平和祈念式典で読み上げる平和宣言の骨子を発表した。福島第１原発事故を踏まえ、放射線被害への危惧を表明。より安全なエネルギー社会の実現に向け、原子力に代わる再生可能エネルギー開発への努力を訴える。長崎市の平和宣言で原発の在り方に具体的に踏み込むのは初めて。

　市役所で記者会見した田上市長は、個人的見解と断った上で「被ばく者を再び生み出さないことが被爆地長崎の思いだとすれば、行き着く先は『原発ゼロ』ということになる。ただ（産業や市民生活など）社会が壊れないように徐々にシフトしていくことが極めて重要だ」と述べ、原子力行政などをめぐる議論の必要性を強調した。

　宣言は冒頭、福島第１原発事故の放射線被害に触れ、▽社会の在り方をめぐる根本的な議論▽より安全なエネルギーを基盤とする社会への転換▽再生可能エネルギーの開発－の３点を主張。事故による放射線の恐怖の体験から想像力を広げ、核兵器を故意に住民の上に落とすことの脅威と非人道性を警告する内容も盛り込んだ。

　核保有５カ国や日本政府に対し、核兵器禁止条約の早期締結に向けた交渉開始を要請。米政府の相次ぐ臨界前核実験を「核兵器のない世界」に逆行する行為と批判し、核兵器廃絶に向けたリーダーシップを求める。日本政府にはさらに非核三原則の法制化や高齢化する被爆者の実態に即した援護充実も働き掛ける。

　今年の平和宣言をめぐっては、３回の起草委員会とその後の小委員会で、原発の是非にどこまで踏み込むかが焦点となったが、「脱原発」の直接的な表現は見送られた。市長は「脱原発という言葉にはさまざまな受け止め方がある。それをあえて使うという意見はなかった」と指摘。「放射線や核が身近な存在となっている今、これまで届かなかった人たちにも伝わるメッセージにしたい」と語った。

　宣言文は９カ国語に翻訳して世界に発信する。

（転載ここまで）

これらの報道がすべての事情を報じているのかどうかは現時点ではっきりわかりません。

しかし、8月9日の長崎原爆の日に毎年行なわれている平和祈念式典で読み上げる今年の長崎平和宣言に、『福島第１原発事故を受け、焦点となった原発問題について「脱原発」の文言は盛り込まず、将来的に安全な社会に転換するために原子力に代わる再生可能なエネルギー開発の必要性を訴える』予定であるというところにひっかかります。起草委員会が最終的な宣言の全文をどのようなものにするかは現時点ではわかりませんが、少しでも強いアピール性のある平和宣言になることを願って、私の考えを書かせていただこうと思います。

まず一番重要なこと。原子力に代わる再生可能なエネルギー開発の必要性を訴えるのはもちろん良いと思いますが、「脱原発」もはっきりと盛り込むべきだと思います。原子力ムラを含むいろいろなところとの「大人の付き合い」の関係上、「脱原発」という言葉を盛り込めないという事情なのでしょうか。そうだとしたら腰が引けているように見えます。「脱原発」の意思をはっきりした言葉で盛り込むべきだと私が思うその理由は次の通りです。

長崎市長は「再びヒバクシャをつくらないのが私の思い」ということですが、原発作業員は通常時ですら被ばくしながら作業をしています。まして、事故の起こった福島原発では今たいへんな被ばくをしながら作業をしています。あるいは、高い放射線量のせいで作業が滞りがちです。つまり、原発作業員が被ばくしながら作業しなければ原発は運転できないということ自体がすでに正常な状態ではないことは今、多くの人が知るところとなりました。それならば、現実に被ばく者を常に生み続けながら行なう原子力発電を一刻も早くやめるように個人レベルでも自治体レベルでも国政レベルでも世界レベルでも努力しましょう、という意思を、「再びヒバクシャをつくらない」ことを願う長崎市が平和宣言として世界に呼び掛けることをためらってはいけません。

「被爆」と「被曝」と、同じ発音の「被ばく」という単語であっても日本語の言葉としては別々のものとして区別されているわけですが、「核」も「原子力」も物質として、原理としては同じものではないでしょうか。

長崎市長の説明は、「原発は一市長がどうこうというのではなく、世界的なテーマ。『脱原発』にとらわれることなく、原発に依存してきた社会からより安全な方向へ変えるのが私の考え。産業や市民生活など社会を壊さないようにすることが重要で、急ぐと混乱を招く」というものです。しかし、それを応用すると、「核兵器廃絶は一市長がどうこうというのではなく、世界的なテーマ。『核兵器廃絶』にとらわれることなく、核兵器の抑止力に依存してきた社会からより安全な方向へ変えるのが私の考え。（兵器）産業や市民生活など社会を壊さないようにすることが重要で、急ぐと混乱を招く」と、核兵器廃絶にブレーキをかける言い訳だっていくらでも作れてしまいます。そのような言い訳をさせないように毎年原爆被爆地として宣言することが重要だと思っていましたが、「急ぐと混乱を招く」と言っていたら、重要性が薄まって伝わらない宣言文になってしまわないか、とても心配です。

ついでに言えば、「急ぐと混乱を招く」という言葉にも問題があります。「混乱」って具体的になんでしょうか。実体のない言葉です。本当に「具体的に描写可能な大規模な」混乱が予想されるというなら、混乱が起こらないような知恵、混乱が起こっても収束させるような知恵を出すことが求められるのです。もし人間の知恵は限られているので混乱を起こすことを防げないし混乱が起こったら対策は何もない、と言うのなら、それは人間の知性や行動力や意思の不足ということです。混乱を起こさない知恵や混乱に対処する知恵すらあらかじめ出せないのなら、そんな腰が引けた者には核兵器を廃絶する知恵など出せるわけがないのではないでしょうか。さらに言えば、そんな腰が引けた者には脱原発に向かう知恵すら出せないということにもなります。

さらに一言付け加えるなら、「混乱」が起こると言うのなら、あえて言えば、今まさに福島原発の事故で日本は十分に混乱しています。今の日本の状況を混乱と見ないでおいて、脱原発を急ぐと混乱を招く、というのもおかしな話だと思います。すでに小出裕章氏はじめ多くの人がデータとともに指摘していますが、原発をやめても、夏の電力消費ピーク時という限られたタイミングで注意するだけで電力不足は起こらないようにできるのです。

次に、「産業や市民生活など社会を壊さないようにすることが重要」とも言いますが、福島原発事故では、すでに福島の事故地やもっと広範囲の放射性物質到達地の産業にも市民生活にも重大な影響が出ています。すでに社会が壊れているのです。「東日本大震災の犠牲者への哀悼の意と、被災地に向けた復興へのメッセージ」が長崎平和宣言に盛り込まれることはよいと思うのですが、核に安全がないように原発にも安全はありえない、ということを日本はいやというほど今回の福島原発の事故で知ったはずであり、その認識なしで核廃絶を訴えてもメッセージの説得力が落ちると思います。まさに「原発」で社会は壊れるのです。たとえ原発事故が起こらなくても、原発建設地のコミュニティが壊れた例はいくらでもあるということも思いださなければなりません。

まさに、「『脱原発』にとらわれることなく、原発に依存してきた社会からより安全な方向へ変えるのが私の考え」という長崎市長のどことなくあいまいな言い分を聞くと、「脱原発したいと思っているのかいないのか、どっちなんだ！」と言いたくなってしまうのです。

田上・長崎市長には失礼なことを申したかもしれません。しかし、市長は原子力産業や原子力ムラをも代表して宣言を発信する立場なのではなくて、被爆も被曝も含めた過去と現在と将来の被ばく者という一般市民を代表してもっと高度に人道的な立場から明瞭な意思と決意を発信する立場にあると思いますし、そのことは十分知っているはずなのに、「脱原発」を盛り込まないという報道に残念なものを感じます。

私の心配が杞憂に終わればいいのですが...。

築地市場の豊洲移転に反対して食の安全を守りたい。
●Like a rolling bean (new) 出来事録
■2011-07-25
専門家の名前なき「専門家の見解書」と汚染対策工事公告で東京都は築地官製地上げにアクセル全開！
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10964293668.html

↑『がけっぷち社長』さん作。また、税制についての当秘書課の記事は、「カテゴリ : 税制、税金、財政」から。

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虹とモンスーンの下の弱い文明のきまぐれな日々では身近な一歩が社会を変えるのだからと、イルコモンズのふたの下のフォーラム自由幻想と市民社会フォーラムのそこに存在する良き人生と生活への切実な望みを民主党にわからせるために、低気温のエクスタシーの中のアブナイ日本が壊れる前に、生まれてきて良かったと感じられる社会にしたいけどとりあえずどうすべきかkimeraれない情報の海の漂流者と一緒に、イル・サンジェルマンの散歩道のくろすろーどにあるアダージォな午後のカフェの窓辺でお茶にクリーム入れて福島老朽原発を考える会（フクロウの会）でみんななかよく鍋パーティーして、世界の片隅で税制についてのニュースやルンペン放浪記やペガサス・ブログ版や転成仁語やイラク・ホープ・ダイアリーや広島瀬戸内新聞や虹の日記やvanacoralの日記や黙然日記やフランス語の練習帳や「ユニオン」と「労働ニュース」のアーカイブや社会科学者の時評や琉球新報や沖縄タイムスや辺野古浜通信や高江の現状を読んで、沖縄問題と北アイルランド問題を同じように考えてみようと思って、消費税と社会保障と国家予算についてのマスコミに載らない海外記事を1947年教育基本法の理念の今日行く審議会とスーパー小論文ハイスクールとアジア連帯講座と内田樹の研究室で超左翼おじさんと見て、大脇道場と言ノ葉工房と内田樹の研究室とアフガン・イラク・北朝鮮と日本と山口県上関町の祝島と地元紙で識るオキナワと海鳴りの島と知られざる晴天のカナダで虹のカヤック隊も一緒に沖縄・辺野古海上基地の問題を中心にはげしく学び、はげしく遊んだところで、「どこへ行く、日本。」とか、労働組合ってなにするところだろうとか、どうしたら小出裕章先生や京野きみこさんやさとうしゅういち（佐藤周一）さんや湯浅誠さんや戸倉多香子さんや保坂展人さんやテルヤ寛徳（照屋寛徳）さんのためにレイバーネットの団結は力ですくらむ組んで多世代交流のブログ広場の多文化・多民族・多国籍社会で「人として」日本ジャーナリスト会議で転がるひよこ豆のように情報流通を促進できるかとか思いながら、明日も晴れの空と風と、月と、星のもとで白砂青松の雪裏の梅花やブーゲンビリアや梨の木や薔薇、または陽だまりの猫や古い寺を多く見て日常で思った事、感じた事をつらつら好き勝手に書きながら国会議員定数削減・比例削減に反対するInternet Zoneのサイバー政治団体秘書がシジフォスにも負けずにウェブにはびこるネトウヨどもを滅多切りして「Apes! Not Monkeys! 　本館」と「Apes! Not Monkeys! はてな別館」と「フランス西部放射能検査協会」と「放射能研究広報独立委員会」と「フランス放射線防護原子力安全研究所」と「フランス・原子力安全局」と「フランス・脱原発ネットワーク」と「原子力資料情報室」に立ち寄りながら、「人々に力を!!」、「民主主義を今！」、「なんくるないさぁ～やってみれ～♪」とCLick for Anti War 最新メモを読む・考える・書くおしごと日誌。
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