外国人看護師・介護士の日本招へい政策に思う

　　

外国人看護師を日本に連れてこようという「政策」について、日経に社説が出ていました。

●日本経済新聞
外国看護師らを定着しやすく
http://www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A96889DE1E3E0E7E6E1E1E2E0EBE2E4E0E2E3E38297EAE2E2E2
2011/6/29付

　政府は経済連携協定（ＥＰＡ）に基づく看護師や介護士候補者の受け入れについて、ベトナムを新たに対象とする方針を決めた。タイ、インドからの受け入れ要請は国内状況を踏まえ改めて検討するとした。
　経済のグローバル化が進み日本が人口減少期に入るなかで、専門技術を持つ外国の人材の受け入れは欠かせない。看護師・介護士の確保は高齢化する社会の緊急課題でもある。広く人材の受け入れを進め、定着してもらうことが重要である。
　2008年度からインドネシア、09年度からはフィリピンの看護師・介護士候補が1000人以上来日した。働き続けるには看護師は３年、介護士は４年以内に日本の国家資格を取らなければならない。難解な日本語が壁となり、09年度の看護師国家試験の合格者は３人だけ。日本人の９割が合格した資格試験で、外国人の合格率は１％にとどまった。
　10年度試験から難しい漢字に読みがなを付けたり、病名に英語を併記したりしたが、合格者16人、合格率４％となお少ない。政府は一定の条件を満たせば１年の滞在延長を認めるとしたが、ハードルの高さに嫌気がさして帰国する人も相次いだ。
　３年の実務経験が必要な介護士の国家試験には、来年１月の試験が初挑戦となる。日本人の合格率も約５割という難しい試験だが、４年の滞在期限で一度だけしか受験が認められておらず、多くの人が帰国を余儀なくされる可能性がある。
　これでは形だけの開国と思われても仕方がない。高齢者施設で働く外国人の介護士候補は「明るく親身にお年寄りに接してくれる」と評判がいい。政府は現地での日本語教育強化や帰国した人たちの再挑戦支援などを打ち出したが、なお不十分だ。
　候補者は母国で看護師資格を取った人、大学を卒業し介護研修を受けている人だ。意思疎通できる日本語能力は要るとしても、日本人と同じ試験を課す必要があるだろうか。
　政府の試算では、看護職は11年度の141万人から25年度に172万～205万人、介護職は140万人から213万～244万人に増やす必要がある。国ごとに年数百人に限っている受け入れを増やすとともに、定着促進に力を入れるべきだ。

（転載ここまで）

看護師や介護士不足に悩む病院や施設の事情や、現場で頑張る外国人看護師と介護士の努力を無視するわけではないですが、ちょっと割り切れないところもあります。それを疑問という形で書きたいと思います。現実に即した意見をお持ちの方がいればお聞きしたいと思います。

まず、日本が人口減少期に入るからといって、また、日本で看護師や介護士が足りなくなるからといって、インドネシアやフィリピンから日本に連れてくると、現地の看護師や介護士が足りなくなることにはならないのでしょうか、ということ。

実際に、数的にも矛盾というか無理があるように思います。2011年度から2025年度までに看護職と介護職も数十万人単位で増やさなければいけないということです。2011年度から2025年度までに約15年をかけて看護職は30万人から60万人増やしたくて、介護職は70万人から100万人増やしたいそうです。つまり、看護職を一年あたり約2万人から約4万人ずつ増やし、介護職を一年あたり約4万人から約7万人ずつ増やすということでしょうか。そして、そのうちのある程度の人数をインドネシア人やフィリピン人に頼らなければいけないというなら、合格率を考えたら、いったい何万人、何十万人の介護職・看護職候補をインドネシアやフィリピンから毎年連れてこなければいけないのでしょうか。たとえば、数万人、数十万人もインドネシアやフィリピンから人を連れてきたら、インドネシアやフィリピンで介護士・看護師不足になってしまうのではないでしょうか。そこまで考えたうえで日本政府や日経は人材を外国から日本に連れてこようとしているのでしょうか。そういう疑問を持ちました。

また、候補者が母国で看護師資格を取った人だということですが、そこまでその人が育つための手間や費用はインドネシアやフィリピン側の負担で、日本側は手間をかけずに人材だけを日本にいただこうという、ずいぶんと植民地的な横取りの発想ではないのでしょうか。そういう疑問もあります。

そもそも、人口減少期に入るといったって日本人の若者がゼロになるわけではないのだし、日本生まれの日本人に看護師、介護士としての教育を提供して、十分な待遇で働いてもらえばいいはずです。雇用対策にもなるではないですか。そのことに一言も触れずに外国人の招へいだけをすすめるのは、何か変だという疑問も持ちました。

さらには、『外国人の介護士候補は「明るく親身にお年寄りに接してくれる」と評判がいい』という書きぶりも、日本人介護士をずいぶんと軽視していると思わずにはいられません。日本人にはそういう人がいないわけでもないでしょうに。

付け加えるなら、日本での介護士の待遇は重労働なのにあまりよくないわけで、その改善について一言も触れていないのもどうかと思う、という疑問も持ちました。

いえ、そもそも、看護や介護専門の専門的マスメディアがこのことについて看護師や介護士の立場から語るのならわかります。でも、「経済」新聞が外国からの介護士や看護師の招へいについてここまで力説すると、なんだか海外生産のロボットを日本に輸入する話を聞いているみたいで、違和感をぬぐえません。

病院や施設にも事情はあると思いますし、個々の介護士や看護師のがんばりは尊いものだと思いますし、それらの人に文句をつけるつもりは一切ありません。だけど、こういう疑問を持ったのです。

実際に、こういうサイトでいろいろなニュースが載っています。

●一般社団法人　外国人看護師・介護福祉士支援協議会
http://www.bimaconc.jp/index.html

ヤフーニュースにもカテゴリーがありました。

●Yahoo!ニュース
外国人看護師･介護福祉士
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/domestic/foreign_nurses/

ここに、「看護師不足 ⇒ 看護師は多忙 ⇒ 看護師が退職 ⇒ 看護師不足に拍車」という悪循環があるという指摘があります。実際にそうなのだろうと思います。ではなぜ、看護師や介護士に十分な待遇を用意することによって看護師不足を解消しようとしないのか、その根本的なところを解決しようとしているようには見えません。お金をけちれば人は集まりません。

看護師や介護士の待遇改善からすべては始まるのではないかと思うのですが、どうでしょうか。看護師や介護士の待遇改善をさぼって発展途上国からの看護師・介護士を日本に連れてくるというやり方はおかしくはないでしょうか。（外国人看護師や介護士の待遇は日本人と同じなんでしょうか？給料が安いということはないですよね？）日本全体の問題として、政府、医療界、福祉界全体で看護師や介護士の待遇改善から取り組むべきだと思いました。

日経が上のような社説を書けば書くほど、「要するに看護費用、介護費用をけちって、医療をもうかるビジネスにしたいだけなんでしょう、日経さん？」としか思えなくなってくるのです。

個々の病院や施設の現状は別として、私がここで書いたような疑問は普通に誰もが抱くものだと思います...。

築地市場の豊洲移転に反対して食の安全を守りたい。
●Like a rolling bean (new) 出来事録
■2011-06-29
【6/30は傍聴を！】裁判長の異常な訴訟指揮に異議。豊洲汚染土壌廃棄（証拠隠滅）差止め訴訟公判
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10937755967.html

■2011-07-04
先週の豊洲新市場予定地汚染土壌サンプル廃棄（証拠隠滅）差止め訴訟公判の報告・都議会動向
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10942843870.html

↑『がけっぷち社長』さん作。また、税制についての当秘書課の記事は、「カテゴリ : 税制、税金、財政」から。

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虹とモンスーンの下の弱い文明のきまぐれな日々では身近な一歩が社会を変えるのだからと、イルコモンズのふたの下のフォーラム自由幻想と市民社会フォーラムのそこに存在する良き人生と生活への切実な望みを民主党にわからせるために、低気温のエクスタシーの中のアブナイ日本が壊れる前に、生まれてきて良かったと感じられる社会にしたいけどとりあえずどうすべきかkimeraれない情報の海の漂流者と一緒に、イル・サンジェルマンの散歩道のくろすろーどにあるアダージォな午後のカフェの窓辺でお茶にクリーム入れて福島老朽原発を考える会（フクロウの会）でみんななかよく鍋パーティーして、世界の片隅で税制についてのニュースやルンペン放浪記やペガサス・ブログ版や転成仁語やイラク・ホープ・ダイアリーや広島瀬戸内新聞や虹の日記やvanacoralの日記や黙然日記やフランス語の練習帳や「ユニオン」と「労働ニュース」のアーカイブや社会科学者の時評や琉球新報や沖縄タイムスや辺野古浜通信や高江の現状を読んで、沖縄問題と北アイルランド問題を同じように考えてみようと思って、消費税と社会保障と国家予算についてのマスコミに載らない海外記事を1947年教育基本法の理念の今日行く審議会とスーパー小論文ハイスクールとアジア連帯講座と内田樹の研究室で超左翼おじさんと見て、大脇道場と言ノ葉工房と内田樹の研究室とアフガン・イラク・北朝鮮と日本と山口県上関町の祝島と地元紙で識るオキナワと海鳴りの島と知られざる晴天のカナダで虹のカヤック隊も一緒に沖縄・辺野古海上基地の問題を中心にはげしく学び、はげしく遊んだところで、「どこへ行く、日本。」とか、労働組合ってなにするところだろうとか、どうしたら小出裕章先生や京野きみこさんやさとうしゅういち（佐藤周一）さんや湯浅誠さんや戸倉多香子さんや保坂展人さんやテルヤ寛徳（照屋寛徳）さんのためにレイバーネットの団結は力ですくらむ組んで多世代交流のブログ広場の多文化・多民族・多国籍社会で「人として」日本ジャーナリスト会議で転がるひよこ豆のように情報流通を促進できるかとか思いながら、明日も晴れの空と風と、月と、星のもとで白砂青松の雪裏の梅花やブーゲンビリアや梨の木や薔薇、または陽だまりの猫や古い寺を多く見て日常で思った事、感じた事をつらつら好き勝手に書きながら国会議員定数削減・比例削減に反対するInternet Zoneのサイバー政治団体秘書がシジフォスにも負けずにウェブにはびこるネトウヨどもを滅多切りして「Apes! Not Monkeys! 　本館」と「Apes! Not Monkeys! はてな別館」と「フランス西部放射能検査協会」と「放射能研究広報独立委員会」と「フランス放射線防護原子力安全研究所」と「フランス・原子力安全局」と「フランス・脱原発ネットワーク」と「原子力資料情報室」に立ち寄りながら、「人々に力を!!」、「民主主義を今！」、「なんくるないさぁ～やってみれ～♪」とCLick for Anti War 最新メモを読む・考える・書くおしごと日誌。
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