「子供たちのすべての権利」 イヴ・デュテイユ

　　

■子供たちのすべての権利　Tous les droits des enfants

　イヴ・デュテイユ　Yves Duteil

きみがとっておきたかったその花を
大人がきみをだまして取り上げたんだね
だからきみは泣いている
そのとき、きみはわたしなんだ

わたしの血の少しが
きみの血管をながれている
もしきみが悲しむなら
わたしも痛みを感じるんだ

いちばん役に立つ言葉、つまりいちばん大切な言葉を
時の石に刻みこんでおかなければならないなら
長く考えることはない
初めにくる言葉は「正義」と「自由」だと思う

「真実」もその先か後にくるはず
罪ある者はそれを気に病み、犠牲者はそれを待っている
いくつかの言葉には驚くほどの力がある
その言葉の中だけに子どもたちのすべての権利がまとめられている

わたしはそれらの言葉を地上のみんなにささげたい
恐怖と苦悩と戦争の中でも生きつづける言葉
ある日これらの言葉の力のおかげで
平和とやさしさと愛に向かう地平線をひらくことができるのだから

白い紙に黒々と書かれたそれらの言葉
きみにそれらが読めるなら
幸福ときみが吸う空気と心の中の太陽を
自分のものにする権利がきみにあることになる

もちろん、法律家が重さを量る賢者の言葉だから
たいくつでむずかしくて少し悲しいときみには思えるかもしれないね
だけど、きみたちにとってこれはなによりもまず、愛の言葉
狼から羊を守るために書かれた言葉なんだ

これらの言葉は
恐怖を無垢の心に閉じ込める沈黙の壁をぜんぶ破れるのだろうか
忘却に向かって戸を開けるただ一つの言葉
何もできずに夜の中に沈んでしまった子どもたちのために

これらの言葉をたばねる花束が必要だった
どこの国の子どもであっても、こう言ってあげたい
強者の声はいつも最善の声とは限らないと
いつの日にか自分の声をひとに聞かせられるように
子どもたちには幸福追求の権利がある

きみが泣くとき、きみはわたし
だけどきみが歌うとき、きみが笑うときも、きみはわたし
きみには自分の人生を生きる権利がある
きみには自分の人生を生きる権利がある
きみには自分の人生を生きる権利がある

（翻訳引用ここまで）

これは、フランスのシンガー・ソングライターであり政治家でもあるイヴ・デュテイユという人の2004年の作品です。昨年2010年秋に「ああChanson Cri」さんがすでに訳して取り上げていて先を越されたのですが、私も自分の言葉で訳しておきたくてこうして取り上げてメモする次第です。曲を聞きたい方のために、「ああChanson Cri」さんの記事からリンクを拝借します。フランスで作られたシングルのジャケットも見ることができます。いいジャケットデザインだと思います。

●ああChanson Cri
イヴ・デュテイユ : Tous les droits des enfants 子どもたちのすべての権利
http://blog.livedoor.jp/aara/archives/51684452.html
2010年11月19日19:31

http://www.jiwa.fm/#artist/28509
↑が不調の時はコチラで

▼製作風景
http://www.youtube.com/watch?v=0GfOr6Y1Ct0

（転載ここまで）

この歌「子供たちのすべての権利」は、「子どもの権利条約」（「児童の権利に関する条約」）の精神を子どもに理解させるために、当時のフランスの家庭大臣がシンガーソングライターで政治家でもあるデュテイユに依頼して作られた歌。そのへんの事情が次の名古屋みずほ大学の安藤はる子先生の記事で説明されています。（→pdfファイル）

■イヴ・デュテイユ：「子供たちのすべての権利」
名古屋みずほ大学　人間科学部　人間科学科　安藤はる子
http://amc.mizuho-c.ac.jp/hp/image/pdf/kiyo/no01/amckiyo-no01-22.pdf

以前の記事で紹介したことを思い出しながら書いておきたいことがあります。それは、この歌「子供たちのすべての権利」は、意見が対立する政策課題についてお政府様の考えだけを一方的に宣伝する官製キャンペーンソングとは正反対の歌であるということです。人類の長年の歴史と英知から導き出されてきた、すべての子どもの幸福な成長を後押しするための基本原理と呼ぶことのできる子どもの権利条約（児童の権利に関する条約）の精神を子ども向けにかみくだいた内容なのです。子どもの権利条約はいまだに対立のある政策課題なのではなくて、普遍的な価値観として広め、具体化してゆくべき内容だからです。（ああ、こういう美しい歌を前に、なんて野暮な説明だろう...。）


なお、それから、この歌が入ったCDアルバムは以前日本でも発売されたことがあり、興味のある方はこちらで買うことができます。（アフィリエイトじゃないですよ！）

http://www.amazon.co.jp/%E5%BE%85%E3%81%9F%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%A7-%E3%82%A4%E3%83%B4%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%A5%E3%83%86%E3%82%A4%E3%83%A6/dp/B0001E3E1M/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1304501034&sr=8-1

なんとこの歌は日本語ヴァージョンも制作され、この日本版CD「待たないで」に収められています。聞きたい方は（中古になりますが）上のリンクからCDを買いましょう。

それから、次のDailymotionのリンクは、インドのタミル・ナドゥ州の教育機関に行ったフランス人が現地のインドの子どもに聞かせた様子を撮った映像のようです。インドの子どもたちにはたぶんフランス語の歌詞はわかっていないと思いますけど、コンピュータの画面を見ながら聞いています。

http://www.dailymotion.com/video/xgohk8_apres-school-autour-de-tous-les-droits-des-enfants_travel


さらに、デュテイユについての参考リンクもあったので貼っておきます。
http://www.parissai.com/?m=diary&a=page_detail&target_c_diary_id=233
http://la-chansonet.com/cgi_cagaze/hitorigoto/hitorigoto.cgi?page=21

子どもたちが幸福になれる社会をつくること、不幸の罠に落ちないようにすることは大人の役割です。今、日本の大人はその役割を果たせているでしょうか。社会全体に責任を持つ立場にいる政治や経済の世界にいる大人たちにそのことを私は何度でも問いたい。一般市民の大人としても、子どもの権利条約に示された原理を改めて心に刻みたいと思います。

子どもの権利条約全文は、うちのこちらの記事に転記しました。

■「子どもの権利条約」に立ち返る　（教育における管理と厳罰化への疑問）
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-222.html


最後に、昨年2010年の5月5日、子どもの日のうちの記事です。まだご覧になっていなかったら、あわせてどうぞ。

■「世界中の子どもたちのために」　イヴ・デュテイユ　（不定期連載「世界の反戦歌・反戦詩から」）
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-1749.html

築地市場の豊洲移転に反対して食の安全を守りたい。
●Like a rolling bean (new) 出来事録
■2011-05-03
フライデー5/6号記事「築地市場の移転先大液状化」があぶり出した、都の隠蔽とごまかしと恫喝の体質
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10879672419.html

↑『がけっぷち社長』さん作。また、税制についての当秘書課の記事は、「カテゴリ : 税制、税金、財政」から。

---

　　
虹とモンスーンの下の弱い文明のきまぐれな日々では身近な一歩が社会を変えるのだからと、イルコモンズのふたの下のフォーラム自由幻想のそこに存在する良き人生と生活への切実な望みを民主党にわからせるために、低気温のエクスタシーの中のアブナイ日本が壊れる前に、生まれてきて良かったと感じられる社会にしたいけどとりあえずどうすべきかkimeraれない情報の海の漂流者と一緒に、イル・サンジェルマンの散歩道のくろすろーどにあるアダージォな午後のカフェの窓辺でお茶にクリーム入れて福島老朽原発を考える会（フクロウの会）でみんななかよく鍋パーティーして、世界の片隅で税制についてのニュースやルンペン放浪記やペガサス・ブログ版や転成仁語やイラク・ホープ・ダイアリーや広島瀬戸内新聞や虹の日記やvanacoralの日記や黙然日記やフランス語の練習帳や「ユニオン」と「労働ニュース」のアーカイブや社会科学者の時評や琉球新報や沖縄タイムスや辺野古浜通信や高江の現状を読んで、沖縄問題と北アイルランド問題を同じように考えてみようと思って、消費税と社会保障と国家予算についてのマスコミに載らない海外記事を1947年教育基本法の理念の今日行く審議会とスーパー小論文ハイスクールとアジア連帯講座と内田樹の研究室で超左翼おじさんと見て、大脇道場と言ノ葉工房と内田樹の研究室とアフガン・イラク・北朝鮮と日本と山口県上関町の祝島と地元紙で識るオキナワと海鳴りの島と知られざる晴天のカナダで虹のカヤック隊も一緒に沖縄・辺野古海上基地の問題を中心にはげしく学び、はげしく遊んだところで、「どこへ行く、日本。」とか、労働組合ってなにするところだろうとか、どうしたらさとうしゅういち（佐藤周一）さんや湯浅誠さんや戸倉多香子さんや保坂展人さんやテルヤ寛徳（照屋寛徳）さんのためにレイバーネットの団結は力ですくらむ組んで多世代交流のブログ広場の多文化・多民族・多国籍社会で「人として」日本ジャーナリスト会議で転がるひよこ豆のように情報流通を促進できるかとか思いながら、明日も晴れの空と風と、月と、星のもとで白砂青松の雪裏の梅花やブーゲンビリアや梨の木や薔薇、または陽だまりの猫や古い寺を多く見て日常で思った事、感じた事をつらつら好き勝手に書きながら国会議員定数削減・比例削減に反対するInternet Zoneのサイバー政治団体秘書がシジフォスにも負けずにウェブにはびこるネトウヨどもを滅多切りして「Apes! Not Monkeys! 　本館」と「Apes! Not Monkeys! はてな別館」に立ち寄りながら、「なんくるないさぁ～やってみれ～♪」とCLick for Anti War 最新メモを読む・考える・書くおしごと日誌。
国会議員やマスメディアに意見を届けるために下記を自由にご活用ください。引用、転載、転送、歓迎。
■各種国会議員名簿のポータルページ　http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-86.html
■官庁への意見送付先について　http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-51.html
■新聞、雑誌　読者の意見を伝える窓口（未整理）　http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-49.html
■テレビ報道番組のご意見窓口（「わんばらんす」から）　http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-50.html
●News for the people in Japan　マスメディア問い合わせ用リンク集　http://www.news-pj.net/link/media.html