お日経様は、自分の儲けには熱心だけど、社会全体を支える負担が大嫌い。 （B型肝炎訴訟和解）

　　

「B型肝炎訴訟和解協議から逃げる政府のテクニックをとくとご覧ください。」という2010年10月18日の記事で、お政府様が患者への補償から逃げようとするやり方の不誠実さについて書きました。

患者への補償は当然必要です。全部でいくらかかるか、何年で補償するか、毎年いくらかかるか、どのようにお金を手当てするか、このような事態につながった政治の失敗を繰り返さないために必要な措置をどうするか、これらに一つ一つ丁寧に取り組み、患者から行政から納税者まですべての関係者の納得を得ながら善後策をとることが政治家の仕事です。いますぐに納税者に補償に必要な金額を全額出させてそれを今すぐに患者に配るわけではないことを考えたら、一般納税者の負担を大きくしすぎることなくできる方法はいくらでもあるはずです。

このように被害補償のための予期せぬお金が必要な時に、政治家から個人に至るまで、まるで自分だけがスリに多額の現金が入った財布を盗まれたかのような反応を示すことが日本には多いような気がして、いただけません。日本人にはこういう時に冷静になる知恵と冷静さはないのでしょうか、と、悲しみとともに思います。このような政治を許した責任、政治の誤りを正せなかった政治家を選んでしまった責任は国民全体に広くあるということだって言えます。

「B型肝炎患者の救済方法は、政治と国民（と日経）の質を問うている。」という2011年1月28日の記事でもそういう趣旨で書きました。日経の社説も俎上に乗せながら。

そうしたら、お日経様がその数日後にまたまた社説で見過ごせないことを書いたので、それも斬っておきましょう。

●日本経済新聞
「和解金増税」を軽々に言うな
http://www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A96889DE0E0E4EAE4E4E4E2E2E0E2E0E0E2E3E38297EAE2E2E2
2011/2/2付

　Ｂ型肝炎訴訟が全面解決に向けて動き出した。全国原告団と、被告である国がともに、裁判所の示した和解案の受け入れを決めた。
　集団予防接種の注射器使い回しが原因でＢ型肝炎に感染したとして、患者と遺族が全国10地裁で国に損害賠償を求めてきた。危険防止の責任がある行政の怠慢不作為がもとで、多くの人が慢性肝炎や肝がんなどにかかり、死者もでた。未発症の感染者は発症の不安にさいなまれている。早期の和解は望ましいことだ。
　和解となれば、子どもたちの世代まで負担を背負うことになる巨額の和解金の財源をどうするのか。
　和解金などの支払いで、今後30年間に最大で3.2兆円が必要という。政府内には所得税の増税で賄う案があると聞くが、「財源がないから増税」と軽々しく増税を連発しないでもらいたい。和解金支払いの義務が生じた原因は、基本的には旧厚生省の行政過誤であるからだ。
　1948年施行の旧予防接種法はジフテリアや百日ぜきなどの予防接種を国民に義務付けた。予防接種が子どもの健康を守り、感染症のまん延を防いだのは確かだ。
　しかし、旧厚生省が注射針と筒を１回ずつ交換するよう通知したのは88年になってだ。すでに日本は経済大国となり、先進国では使い捨て注射器の使用が常識だった。これほど長く危険な注射器の使い回しを放置した点で、厚生行政の過誤が問われなければなるまい。
　不幸にも予防接種で感染した人を救うため国民全体で負担を分かち合う考え方には一定の理がある。結果的には、ある程度の増税は避けられないかもしれない。だが増税で国民に負担を求めようとするなら、その前にすることがあるはずだ。
　問題を引き起こした政府自身が、不要な施設の売却や意義の薄れた事業の打ち切りなどで、まずもって資金を捻出するのが筋である。
　長い間にわたって、注射器の使い回しを放置した旧厚生省の幹部は責めを免れないし、現場で接種に携わった医師や医療機関も救済への姿勢を示してしかるべきではないか。行政や医療界がこうしたことをしないで、国民に税の負担を求めても、納得は得られない。

（転載ここまで）

最初に、Ｂ型肝炎訴訟とは関係ないですが、他人を犠牲にして自分だけが儲けを追求することを行動原理とする、ある種反社会的なお日経様に対しては、『「和解金増税」を軽々に言うな』と言うなら、「消費税増税」を軽々に言うな、とまずは言わせてもらいたいです。「和解金増税」を軽々に言うな、という発想が出てくるということは、日経が代表している高所得層は、低所得層には増税するのが好きなくせに自分たちへの増税はいやだということなのでしょう。あまりの賤しさに軽蔑するのもエネルギーの無駄、という気になってしまいます。

「子どもたちの世代まで負担を背負うことになる巨額の和解金の財源をどうするのか」とお日経様が言うなら、今の大人の世代でだけ和解金を調達すればいいじゃないですか。そのような政治の失敗を許してしまった愚かさの代償として、集団予防接種の注射器使い回しが原因でＢ型肝炎に最初に感染した時点に有権者だった世代以上の納税者たち全員に、その担税力に応じた応能負担で増税して財源を調達し、一気に患者に払ってしまえば、子どもたちの世代まで負担を背負うことはないわけです。

お日経様はそれが嫌だというのなら、お日経様のこの発想は、政治の失敗を社会の一員として自分の責任として引き受ける態度がないということを意味します。自分がこの問題の解決にかかわろうとする姿勢がないのを、「子どもたちの世代」をダシにしてごまかしているにすぎません。このことは、お日経様が法人税減税を熱烈主張しているという事実と軌を一にします。社会からの利益をよこせと要求しながら、社会を支える負担は嫌だという強欲なお日経様思考です。

そして、『「財源がないから増税」と軽々しく増税を連発しないでもらいたい。』ともお日経様は言います。お日経様は恥ずかしくないのでしょうか。「社会保障の財源がないから消費税増税」と軽々しく連発しているのは他ならぬお日経様ではないですか。

さらに、「だが増税で国民に負担を求めようとするなら、その前にすることがあるはずだ」という次にお日経様が持ち出すアイデアが、『問題を引き起こした政府自身が、不要な施設の売却や意義の薄れた事業の打ち切りなどで、まずもって資金を捻出するのが筋である』というものです。

政府自身の努力も必要でしょうし、当時の責任者一同に負担を求めることもひとつの考え方でしょう。ひょっとしたら、「不要な施設」をお財界様の大企業が安く買い取って、新たなビジネスを起こして儲けようと考えているのではないでしょうね？それなら、そこで大企業が「儲けさせていただいた」ということで、その儲けから患者救済資金を出すというのも一つのアイデアではないでしょうか。

こういうお日経様の自己中心的な社説を読むと、本当に精神が腐る思いがします。日本をダメにしている勢力の筆頭にお日経様があげられるのではないかとすら思います。

築地市場の豊洲移転に反対して食の安全を守りたい。
●Like a rolling bean (new) 出来事録
■2011-02-21
築地市場移転での廃業には財政的支援も、と推進派理事長候補。まさに非実在札束で頬を叩く官製地上げ
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10808172324.html

■2011-02-23
イシハラ都知事不出馬？東京に埋め込まれた地雷とトロイの木馬との闘いが続きます
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10810258278.html

↑『がけっぷち社長』さん作。また、税制についての当秘書課の記事は、「カテゴリ : 税制、税金、財政」から。

---

　　
身近な一歩が社会を変えるきまぐれな日々の中でそこに存在する良き人生と生活への切実な望みを民主党にわからせるために、低気温のエクスタシーの中のアブナイ日本が壊れる前に、生まれてきて良かったと感じられる社会にしたいけどとりあえずどうしたらいいかkimeraれない人と、イル・サンジェルマンの散歩道のくろすろーどにあるアダージォな午後のカフェの窓辺でお茶にクリーム入れてみんななかよく鍋パーティーして、世界の片隅で税制についてのニュースやルンペン放浪記やペガサス・ブログ版や転成仁語やイラク・ホープ・ダイアリーや広島瀬戸内新聞や虹の日記やvanacoralの日記や黙然日記やフランス語の練習帳や「ユニオン」と「労働ニュース」のアーカイブや琉球新報や沖縄タイムスや辺野古浜通信や高江の現状を読んで、沖縄問題と北アイルランド問題を同じように考えてみようと思って、消費税と社会保障と国家予算についてのマスコミに載らない海外記事を1947年教育基本法の理念の今日行く審議会とスーパー小論文ハイスクールとアジア連帯講座と内田樹の研究室で超左翼おじさんと見て、大脇道場と言ノ葉工房と内田樹の研究室と知られざるアフガン・イラク・北朝鮮と日本とカナダde日本語をはげしく学び、はげしく遊んだところで、労働組合ってなにするところだろうとか、どうしたら湯浅誠さんや戸倉多香子さんや保坂展人さんのために団結は力ですくらむ組んで多世代交流のブログ広場の多文化・多民族・多国籍社会で「人として」転がるひよこ豆のように情報流通を促進できるかとか、明日も晴れの空と風と、月と、星のもとで白砂青松の雪裏の梅花やブーゲンビリアや古い寺を多く見て日常で思った事、感じた事をつらつら好き勝手に書きながら国会議員定数削減・比例削減に反対するInternet Zoneのサイバー政治団体秘書がシジフォスにも負けたくないと「どこへ行く、日本。」とつぶやくおしごと日誌。
国会議員やマスメディアに意見を届けるために下記を自由にご活用ください。引用、転載、転送、歓迎。
■各種国会議員名簿のポータルページ　http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-86.html
■官庁への意見送付先について　http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-51.html
■新聞、雑誌　読者の意見を伝える窓口（未整理）　http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-49.html
■テレビ報道番組のご意見窓口（「わんばらんす」から）　http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-50.html
●News for the people in Japan　マスメディア問い合わせ用リンク集　http://www.news-pj.net/link/media.html