輸出が日本経済の中心ではない （TPP問題をめぐって）

　　

TPP（環太平洋戦略的経済連携協定）に参加するか参加しないかをめぐって、以前いろいろ資料を集めました。「TPP」でブログ内検索をかければ出ますが、まずこれ。

■農業をめぐる資料を集めて、「TPP（環太平洋経済連携協定）」に反対する。
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-2230.html

その中の資料の一つに、「農文協（農山漁村文化協会）」がTPPをめぐる俗論に反論した『TPP反対の大義』を紹介した記事がありました。

何度でも思いだして記憶しておかなければならないことですが、日本で主に経済を支えているのは輸出ではありません。むしろ、日本の経済は内需が中心となって支えているわけです。私自身も日本は輸出大国であるというイメージをなんとなく持っていました...経済統計を見てデータで確認するまでは。

その内需をさらに弱めるのが、ここしばらくお財界様がお政府様の協力のもとで推進してきて、今も主張している、「国際競争力」のための雇用の不安定化や縮小であり、賃金引き下げであり、消費税上げです。内需を拡大するための方法は、賃上げ、つまり経済活動の果実の分かち合い以外にありません。

2007年にすでに書かれていた飯大蔵さんのこんな記事。2011年の今、数字は古くなっていますが、傾向は変わりません。事実を知ることって、俗論やダマシに引っかからないためにも大切ですね。自戒を込めて、そう思います。

●飯大蔵の言いたい事
「日本は輸出立国である」は正しいのか
http://iitaizou.at.webry.info/200709/article_5.html
2007/09/06 00:42

（前略）
　この歴史を教えられ、日本経済での貿易が重要不可欠だと思っていた。日本の経済成長は貿易主導型だと思っていた。

　ある本を読んでいたら日本の成長は「内需主導型」であると書いてあった。データーを見て納得した。
　ここに日本の輸出依存度のグラフがのっている。
　ここに各国の輸出依存度がのっている。
　日本の輸出依存度は１０％から１５％でグローバル化の進んでいる現在は急上昇しつつある。
　輸出依存度が１５％以下の国は数えるほどしかない。日本の他はインド、アメリカ、ギリシャだ。ユーロ圏は各国は１５％を超えているがグループでは１５％程度だ。

　経済成長期を通じて日本の輸出依存度は各国に比べ低い。内需主導の成長であった事を確認した。

　日本に資源がなく、貿易は必須だと教えられてきた事は、今の新自由主義の伏線だったのだろうか。

　日本の輸出、輸入の品目と金額が次の表にある。
輸入、輸出
　日本の活動に必須で国内では生産できないものは次の通り
食料品５．５兆円、原料品（鉄鉱石など）３．５兆円、鉱物性燃料（石油など）１４．５兆円
合計２３．５兆円だ。
輸出では一般機械１３兆円、電気機械１４．５兆円、輸送用機器１５兆円、合計４２．５兆円だ。輸入は十分まかなえる。
ちなみに日本の国民総所得は５１１兆円だ。

　内需主導の経済であるならば、必要な資源を輸入できるだけの輸出を行えば、経済は成り立つ事を意味する。それ以上の輸出入は何のためにあるのか？今急速に増えている輸出は何のためにやっているのか。
　今の経済成長は輸出依存で、輸出が増えるから雇用も回復する。同時に工業製品の輸入も増え国内の雇用を奪っている。その結果勤労者の給与は増えず、内需も増えない。そして貧困者が増えてきている。
　増加している輸出入は何のためのものなのか？大企業の利益を増し、国民のためにもならない輸出入は外国のためにもなっているのだろうか？

　「日本は輸出立国である」は間違っている。その幻想を抱き、グローバル化を進めても我々の幸せは来ないと確信した。

（転載ここまで）

最近スタートした、再分配を重視する市民の会のブログ、鍋党のブログにもその指摘があります。

●Nabe Party ～ 再分配を重視する市民の会
法人税（３）　国際競争力とは？
http://nabeparty744.blog111.fc2.com/blog-entry-7.html
2011/02/04 (Fri) 06:00

（前略）
そもそもこの「国際競争力」とはなんだろうか？
マスコミはTPP（環太平洋戦略的経済連携協定）に参加しなくては、国際競争に乗り遅れると言う。特におとなり韓国を強く意識しているようにぼくには見て取れる。
2008年にノーベル経済学賞を受賞した国際経済学者、ポール・クルーグマンは、国際競争力というものはペテンだということを言っている。国際競争力をつけなくてはいけないからと賃下げするのは愚の骨頂だと主張してきたのだ。アメリカは貿易依存度は1割程度で内需が9割の国なのに、そんな国で労働者の賃金を下げていったらマーケットが小さくなって経済がだめになるというのがクルーグマンの考えである。国際競争力信仰の危うさを看破した画期的な人なのだ(*1)。

それでは日本の場合はどうなのだろうか？
ある人からメールで教えてもらったのだが、

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先年暮れに発表されたOECD加盟国の経済指標からの引用ですが
GDPにおける外需の貢献度（つまりは外需依存度）は
韓国 ４５％
そして加盟国中トップです。
欧州は軒並み３０％台。独は４０％以上
対して日本は
１４％
たったの１４％。しかも数十カ国中下から三番目。

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ぼくもすっかり日本は「外需主導型経済」とばかり思い込んでいたのだが、この人に言われて初めて「日本は完全な内需主導型経済」だということがわかった。つまり韓国がTPPに参加するのは外需主導型であり、そもそも人口が日本の半分程度のマーケットであることを考えると、韓国にとってはTPPは選択の余地がなかったのであろう。しかし、それと日本を一緒に考えているのはたいへん危険なことだ。TPPでのアメリカへの更なる輸出増強をすれば、さらに貿易黒字となり円高になるのではなかろうか？日本企業は自分の首を絞めるようなことにならないのであろうか？あまったドルでアメリカからたくさん米（こめ）を買えと言われても日本の農家が困るというものだ。

今この時期に政府がやるべきは、「財政再建のための消費税増税」ではない。
将来、消費税増税が必要だと百歩譲って賛成したとしても、いまこの大不況時に、消費税増税はありえない。今この時期に消費税増税をすれば、内需はさらに落ち込み日本市場（マーケット）はさらに小さくなるだろう。政府がやるべきは、大企業に雇用と納税の社会的責任をしっかりと迫ることである。

（転載ここまで）

積極的にTPPに参加しようとする輸出比率の高い韓国と、内需中心の経済の日本とでは、全く事情が違うことを無視することはできません。それを無視してTPP参加を強行しようとするのは、「誤り」や「検討不足」でなければ「詐欺」、「暴力」という領域に入る行いです。

重要な事実を隠したまま、あるいは事実に反した主張で報道を埋め尽くすことによって一般人をだますダメダメ国日本のお政治家様やお政府様やお財界様やおマスコミ様の、ほとんど犯罪的とも言える世論誘導ぶりです。

お政治家様やお政府様やお財界様やおマスコミ様の中にも、尊敬できる立派な仕事をしている人はいますし、そのような人たちに出世してもらいたいという願いを持っていますが、まずは、尊敬できないダマシの仕事をする首脳部に退いてもらいたいと思います。



↑『たかしズム「ネトウヨ、バカウヨ、ネット右翼、恥さらし、売国奴、日本の恥」を語るための、たかしのブログ』さん作。税制についての当秘書課の記事は、「カテゴリ : 税制、税金、財政」から。

築地市場の豊洲移転に反対して食の安全を守りたい。
●Like a rolling bean (new) 出来事録
■2011-01-31 反・築地市場の官製地上げ：「築地移転 予算執行の差止め監査請求」に向けた今後の計画（概略速報）
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10785201382.html

■2011-02-04
2/13は日本科学者会議（研究会）・日本環境学会WG共催「築地市場移転問題総合シンポジウム」です
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10789675422.html

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身近な一歩が社会を変えるきまぐれな日々の中でそこに存在する良き人生と生活への切実な望みを民主党にわからせるために、低気温のエクスタシーの中のアブナイ日本が壊れる前に、生まれてきて良かったと感じられる社会にしたいけどとりあえずどうしたらいいかkimeraれない人と、イル・サンジェルマンの散歩道のくろすろーどにあるアダージォな午後のカフェの窓辺でお茶にクリーム入れてみんななかよく鍋パーティーして、世界の片隅で税制についてのニュースやルンペン放浪記やペガサス・ブログ版や転成仁語やイラク・ホープ・ダイアリーや広島瀬戸内新聞や虹の日記やvanacoralの日記や黙然日記やフランス語の練習帳や「ユニオン」と「労働ニュース」のアーカイブや琉球新報や沖縄タイムスや辺野古浜通信や高江の現状を読んで、沖縄問題と北アイルランド問題を同じように考えてみようと思って、消費税と社会保障と国家予算についてのマスコミに載らない海外記事を1947年教育基本法の理念の今日行く審議会とスーパー小論文ハイスクールとアジア連帯講座と内田樹の研究室で超左翼おじさんと見て、大脇道場と言ノ葉工房と内田樹の研究室と知られざるアフガン・イラク・北朝鮮と日本とカナダde日本語をはげしく学び、はげしく遊んだところで、労働組合ってなにするところだろうとか、どうしたら湯浅誠さんや戸倉多香子さんや保坂展人さんのために団結は力ですくらむ組んで多世代交流のブログ広場の多文化・多民族・多国籍社会で「人として」転がるひよこ豆のように情報流通を促進できるかとか、明日も晴れの空と風と、月と、星のもとで白砂青松の雪裏の梅花やブーゲンビリアや古い寺を多く見て日常で思った事、感じた事をつらつら好き勝手に書きながら国会議員定数削減・比例削減に反対するInternet Zoneのサイバー政治団体秘書がシジフォスにも負けたくないと「どこへ行く、日本。」とつぶやくおしごと日誌。
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