一票の格差の放置は、選挙区差別政策であり、不正選挙だと思う。

　

複数の１票格差訴訟で、合憲判決と違憲判決が立て続けに出ました。

一票の格差の放置は、選挙区差別政策の固定化という誤りだと何度繰り返せば、政治はこの抜本的是正に乗り出すのでしょう。一票の価値を誰にとっても平等にしないということは、民主政治の価値を下げることになるのです。これは、発展途上国にあるような選挙の不正と同じことだと私の目には映ります。

こういうことは何度も書いてきましたが、さらに何度でも書きます。当たり前のつまらないことしか書かない村野瀬の真骨頂です。笑

一票の価値の格差が何倍までは合憲（だから議会は是正のための努力を何もしないでよい）とか、何倍までは「違憲状態」で、何倍からは「違憲」かを法廷で延々と論じ続けることにはもはや意味がありません。税金の無駄遣いです。議会は一票の価値の格差をすぐにでも一倍に限りなく近づけなければいけない、それ以外はずばり「違憲」、だと私は思います。

特に日本のことに詳しいわけではなく、特に政治の話題が好きでもないフランス人に、「日本の国会では10万票で当選する人もいれば、50万票で落選する人もいるんだよ」と言ったら、「なにそれ。おかしいよ」と一言のもとに言われたことが私にはあります。こういうシンプルで公平な判断を実行に移すことができないから、日本の政治はいつまでも迷走しているのだと思います。

以下、新聞の記事をどうぞ。

●東京新聞(TOKYO Web)
１票格差訴訟　理由なき合憲憤り
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2010111702000189.html
2010年11月17日 夕刊

　「五倍の格差に誰が納得できるのか」。今年七月の参院選の最大五倍の「一票の格差」を合憲と判断した十七日の東京高裁判決に、原告からは不満が漏れた。参院は選挙制度見直しの“器”は作ったものの、動きはあまりに遅い。それを追認する形となった今回の司法判断。原告は「定数の不均衡は国会では治せない病だ」として、最高裁への期待を口にした。　

　「やっぱり駄目だった」。原告でもある山口邦明弁護士は判決後に記者会見を開き、「昨年の衆院選では各高裁でいろいろ意見が出て参院で新しい判断が出ると内心期待していたが、判決理由を読んでも何も書かれていなかった」と落胆をあらわにした。

　山口弁護士は「判決は、格差五倍は憲法違反ではないと言うが、判決には一つもその理由がない。衆院選は一九九四年に抜本的な改正をしたが、その時、参院選は暫定的措置で過ごした。以後、なんの改正もされず十六年たった。その評価を裁判所はしていない」と不満を並べた。

　山口弁護士は、六〇年代から一票の格差訴訟を主導してきた故越山康弁護士の弟子にあたる。昨年十一月に死亡した越山弁護士の遺志を継いで今回の訴訟に臨んだ。

　今訴訟では「格差の是正には、選挙制度の枠組みを変えるために選挙区の大きさを変更し、都道府県の合区を進める必要がある」と主張。「定数の不均衡は、国会では癒やすことができない病。裁判所に違憲立法審査権の発動を求めたい」とも訴えてきた。

　会見では参院の選挙制度改革の動きについても批判の声が上がった。原告代理人の国部徹弁護士は「昨年九月に最高裁判決で抜本的見直しを求められてから一年以上経過しているのに、参院は改革の具体案も示していない」と述べた。

（転載ここまで）

●asahi.com（朝日新聞社）
参院選、格差是正促す　東京高裁「７月の選挙は合憲」
http://www.asahi.com/national/update/1117/TKY201011170136.html
2010年11月17日15時6分

　最大５倍の「一票の格差」が生じた今年７月の参院選（選挙区）は法の下の平等を定めた憲法に違反するとして、弁護士グループが東京と神奈川の選挙区を対象に選挙の無効を求めた訴訟の判決が１７日に東京高裁であり、岡久幸治裁判長は「著しい不平等状態といえず、国会の裁量権の限界を超えたともいえない」と述べ、「合憲」とする判断を示した。無効の請求も棄却した。

　ただし、「投票価値の平等の観点からはなお大きな不平等が存する状態で、国会で、喫緊の国民的な課題として速やかに適切な検討が望まれる」と、格差是正を促した。

　弁護士らは「なぜ５倍でもいいのか説明しておらず不満だ」として上告する方針。

　今年の参院選をめぐっては、別の弁護士らのグループも、１４の高裁・支部で同様の訴訟を起こしており、１７日午後に東京高裁の別の担当部が判決を出す予定。一審の高裁で実質的な判決が出たのは今回が初めてとみられ、各地の高裁判決が出そろった段階で最高裁が判断を示す。

　７月１１日の選挙当日の各都道府県選挙区の有権者数を定数で割って議員１人当たりの有権者数を比べると、約２４万人で最小の鳥取と約１２１万人で最大の神奈川には、５．００倍の「一票の格差」があった。東京とは４．３７倍だった。

　憲法は選挙制度の決定を「国会の裁量権」に委ねている。最高裁判例は、一票の格差の視点で違憲と言えるのは、人口の変動で投票価値に著しい不平等が生じ、それが相当な期間続いているのに是正しないことが「国会の裁量権の限界を超える」場合と規定。「６倍未満は合憲」とする判断が定着してきた。

　今回の判決は、「４増４減」とした２００６年の公職選挙法改正を受けた前回０７年と今回の選挙の最大格差が、それぞれ４．８６倍、５．００倍で、改正前の０４年選挙の５．１３倍より縮小したことなどを挙げ、「５．００倍は、違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態であるとまではいえない」とした。

　そのうえで、０７年選挙に対する０９年の最高裁判決にならい、「現行の選挙制度の仕組み自体の見直しが必要になることは否定できない」としたが、検討には時間がかかると判断。参院の改革協議会が１３年の次回選挙をにらみ１１年中にさらに改正案を提出する方針であることも考慮し、「国会の裁量権の限界を超えたともいえない」とした。
（久木良太）

（転載ここまで）

●西日本新聞
１票の格差判決　国会に選挙制度改革迫る
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/210565
2010年11月18日 10:55

　選挙区の「１票の格差」が最大５・００倍となった今年７月の参院選を「憲法違反」とする司法判断が、きのう東京高裁の判決で示された。

　選挙自体については「公の利益に著しい障害が生じる」として無効にしなかったが、判決では格差を放置してきた立法府の不作為を厳しく指摘し、選挙の違憲状態を解消するよう求めた。

　参院は２０１３年の次回参院選に向けて、定数是正など選挙制度の改正議論を始めているが、今回の違憲判断によって小手先の手直しでなく、現行選挙制度の仕組み自体を見直す抜本的な改革を迫られることになった。

　７月の参院選の「１票の格差」をめぐっては、東京高裁でこの日、もう１件の判決があった。こちらは「憲法違反とまでは言えない」との判断を示したが、判決では格差の現状を不平等と指摘し、格差縮小に向けて「喫緊の課題として国会での速やかな検討」を促した。

　違憲、合憲の違いはあっても、二つの高裁判決は「投票価値の平等は憲法上の要請」とし、格差縮小へ選挙制度自体の改革を求めている点では同じだ。

　国会は二つの判決を重く受け止め、直ちに「制度の仕組み」見直しを含めた現行選挙制度の改革に着手すべきだ。

　そのための与野党協議を早急に本格化させなければ３年後の参院選に間に合わず、憲法違反の選挙が行われることになる。国会の「正統性」を損なうような、そんな事態は避けなければならない。

　参院選の「１票の格差」をめぐっては最高裁が昨年の大法廷判決で、最大格差４・８６倍だった０７年参院選について合憲としながらも、「平等であるべき投票価値に大きな不平等が存在しており、現行選挙制度の仕組み自体の見直しが必要」と異例の指摘をした経緯がある。

　今回、合憲とした高裁判決も、これから一歩踏み込み「格差の縮小が求められる中で格差は前回選挙よりも拡大している」と指摘し「定数振り替えでは大幅な格差縮小は困難」との認識を示した。

　現行制度の枠組みを維持したままで、人口増減に応じて定数をいじっても、その場しのぎの是正にしかならない。それでは、いつまでも「違憲の疑い」がつきまとう。そう言っているのである。

　現行の参院選挙制度は、都道府県単位の選挙区選挙と全国単位の非拘束名簿方式による比例代表選挙の組み合わせだ。衆院選挙制度と大同小異のこの組み合わせのままでいいのかどうか。

　昨年夏の衆院選についても、裁判所の「違憲」判断が相次いでいる。両院ともに制度改革の好機である。この際、参院の役割や「二院制」の是非を含め、国会と選挙制度のあり方を一から議論し直したらどうだろうか。

　選挙制度は議会制民主主義の根幹を成すものでもある。昨年来の司法の指摘を機に、国民の多様な声を最も反映できる選挙制度を実現したい。

＝2010/11/18付 西日本新聞朝刊＝

（転載ここまで）

●時事ドットコム
７月参院選は違憲状態＝格差５倍「著しい不平等」－２例目、無効請求は棄却・広島
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2010121000500
2010/12/10-14:59

　議員１人当たりの有権者数を選挙区間で比べた格差（１票の格差）が最大５．００倍だった７月の参院選の定数配分は、「憲法が規定する選挙権の平等の保障に反する」として、広島県内の女性が県選挙管理委員会を相手に選挙無効を求めた訴訟の判決で、広島高裁（小林正明裁判長）は１０日、「格差は憲法上著しい不平等状態にある」と指摘、違憲状態と判断した。
　選挙無効の請求は「改正には相応の時間を要し、選挙までに改正しなかったことが国会の裁量権を超えるとは言えない」と述べ棄却した。
　７月の参院選をめぐっては、同様訴訟が全国１４の高裁・支部で計１９件起こされているが、「違憲」または「違憲状態」とした判決は２例目。
　東京高裁で１１月１７日に５件の判決があり、４件は合憲と判断したが、１件は「国会における格差是正に向けた試みは事実上停滞している。国会の裁量権の限界を超えた」として、違憲の判断を示していた。年内にさらに３件の判決が予定されている。（2010/12/10-14:59）

（転載ここまで）

●47NEWS（よんななニュース）
１票の格差「違憲状態」、広島　７月参院選、最大５倍
http://www.47news.jp/CN/201012/CN2010121001000466.html
2010/12/10 14:29 【共同通信】

　７月の参院選（選挙区）で最大５・００倍の「１票の格差」が生じたのは、憲法の定める選挙権の平等に違反するとして、弁護士グループらが全国各地で選挙の無効を求めた訴訟のうち、広島県の有権者が原告になった訴訟の判決で、広島高裁の小林正明裁判長は１０日、「違憲状態」との判断を示した。選挙無効の請求は棄却した。

　参院選定数訴訟では、東京高裁が１１月、原告が異なる別々の訴訟の判決でそれぞれ「違憲」と「合憲」の判断を示している。選挙制度改革をめぐる議論で、投票価値の格差是正を求める声がさらに強まりそうだ。

　最高裁はこれまで参院選で５・８５倍までの格差を合憲、６・５９倍の格差を違憲状態と判断。

（転載ここまで）


重要な参考記事。

●Ａｆｔｅｒｎｏｏｎ　Ｃａｆｅ
一票の格差が参議院選の民意を歪めた？
http://akiharahaduki.blog31.fc2.com/blog-entry-472.html
2010/07/18 09:00

（前略）
朝日新聞の社説を引用しましょう。

一票の格差―選挙結果ゆがめた深刻さ

　全選挙区での総得票数と議席数を比べてみても、深刻さが浮かぶ。
　民主党は２２７０万票で２８議席を得た。一方、３９議席を獲得した自民党は約１９５０万票にすぎなかった。
　民主党は「軽い一票」の都市部での得票が多く、自民党は人口が少なくて「重い一票」の１人区で議席を積み上げた。票数と議席数の関係のゆがみは一票の格差の弊害そのものだ。
　選挙区でも比例区でも民主党を下回る票しか集められなかった自民党は、果たして本当に勝者と言えるのか。そんな疑問すら抱かせる結果である。

（中略）

一票に格差があると得票率が少ない方が議席を多く獲得するという逆転現象がおこる可能性があるのです。

（引用ここまで）



↑『たかしズム「ネトウヨ、バカウヨ、ネット右翼、恥さらし、売国奴、日本の恥」を語るための、たかしのブログ』さん作。税制についての当秘書課の記事は、「カテゴリ : 税制、税金、財政」から。

築地市場の豊洲移転に反対して食の安全を守りたい。
●Like a rolling bean (new) 出来事録
■2010-12-12
★都民の皆様、東京都に住民監査請求のXmasプレゼントを！（24日まで豊洲移転予算差止監査延長）
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10734540928.html

■2010-12-16
イシハラ都知事「来年度の築地移転予算案否決なら都議会の解散探る」と恫喝（日経のインタビュー）
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10738197183.html

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身近な一歩が社会を変えるきまぐれな日々の中でそこに存在する良き人生と生活への切実な望みを民主党にわからせるために、低気温のエクスタシーの中のアブナイ日本が壊れる前に、生まれてきて良かったと感じられる社会にしたいけどとりあえずどうしたらいいかkimeraれない人の役にたちたくて、イル・サンジェルマンの散歩道のくろすろーどにあるアダージォな午後のカフェの窓辺でお茶にクリーム入れながら世界の片隅で税制についてのニュースや広島瀬戸内新聞やマスコミに載らない海外記事や虹の日記やフランス語の練習帳や「ユニオン」と「労働ニュース」のアーカイブを読んで、消費税と社会保障と国家予算についての『知られざる真実』を1947年教育基本法の理念の今日行く審議会とスーパー小論文ハイスクールとアジア連帯講座と内田樹の研究室で超左翼おじさんに学んで、大脇道場と言ノ葉工房と内田樹の研究室とカナダde日本語を学んだ後で、労働組合ってなにするところだろうとか、どうしたら戸倉多香子さんや保坂展人さんのためにみんななかよく団結は力ですくらむ組んで多世代交流のブログ広場の多文化・多民族・多国籍社会で「人として」転がるひよこ豆のように情報流通を促進できるかとか、明日も晴れの空と風と、月と、星のもとで白砂青松の雪裏の梅花やブーゲンビリアや古い寺を多く見て日常で思った事、感じた事をつらつら好き勝手に書きながら国会議員定数削減・比例削減に反対するInternet Zoneのサイバー政治団体秘書がはげしく学び　はげしく遊ぶおしごと日誌。
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