橋下徹サン、そこまで言うなら、自治体首長が子どもを持つことを禁ずる条例制定でも呼びかけたら？

　

自治体首長が育児休暇をとることの「是非」が「論争」状態になっていることに改めて驚きます。

問題は簡単なことではないでしょうか。

育児を社会全体の問題として考えて解決しようとする意思が定着していないように見える日本では、育児休暇を男女問わず官民、勤務先規模にかかわらずとれるようにすること。すでにある法制度を人々が使いやすいようにさらに改善すること。育児休暇の取得を後押しする実践を積み重ねること。企業社会への浸透をさらにはかること。社会全体の理解を促すことを続けること。これに尽きると思います。

たとえば、湯崎英彦・広島県知事が育児休暇をとったことを橋下徹・大阪府知事が批判していることや一部の有権者から批判があることを一部のマスメディアが報道しています。報道日時順にいくつか見てみましょうか。

それにしても、以下の記事に登場する橋下徹氏と高橋はるみ氏は歴史の進歩、社会の発展を逆行させようとしているのでしょうか？？

●YOMIURI ONLINE（読売新聞）
「イクメン」首長…批判８割　育休に論争
広島県知事らトップの手本に、有権者「民間は取れない」
http://job.yomiuri.co.jp/women/wlb/wl_10102801.htm
2010年10月28日

育児休暇取得に意欲を示す湯崎英彦・広島県知事

　自治体の首長が「育児休暇」を取得する動きが広がっている。「育休取得の機運を醸成したい」「妻の負担軽減を」。そんな思いを語る首長に対し、有権者からは「民間では取れないのに、首長は特別か」などの否定的な意見も寄せられている。積極的に育児に参加する「イクメン首長」として男性の手本となっていくのか、行政トップとしては無責任な態度なのか――。論争は続きそうだ。
　「ああ、ちっちゃいなと思いましたね」。２６日、広島県庁で報道陣に囲まれた湯崎英彦知事（４５）は、この日生まれた第３子の次男と対面した時の様子を振り返り、表情をほころばせた。

湯崎・広島知事　初の育児休暇は４０分

育児休暇を取得している大阪・箕面市の倉田哲郎市長

　湯崎知事は広島市内で講演を終えた午後３時頃、秘書から誕生を聞き、病院へ。生まれたばかりの次男を抱き上げ、「ありがとう」と妻をねぎらった。この間の移動を含めた約４０分間が、初の育児休暇となった。
　昨年１１月に就任した湯崎知事は通産省（現経済産業省）出身で、今年２月の県議会で「『イクメン』を目指す」と宣言。１週間以上の育休を男性社員に取らせた中小企業に奨励金を支給する制度を設けるなど、男性の育休取得を促してきた。
　長男（７）と長女（４）の誕生の際は育休が取れず、「トップが行動で示さなければ職場に許す雰囲気は生まれない」と、１９日に育休取得を宣言。２７日以降も、公務に支障がないように時間単位で休暇を取るという。
　２０日に次男が誕生した大阪府箕面市の倉田哲郎市長（３６）は総務省出身。２１日に約２週間の育休に入って以降、妻に代わって長男（３）の世話に励み、「食事も作るが、栄養のバランスが難しい」と笑う。
　休暇中も対外的な公務に出席し、必要ならメールで指示するという倉田市長は「男性の取得の雰囲気醸成に役立つなど、悪い面はないと思う」と言う。

「育児休暇」を取った主な首長
東京都文京区　成沢広修（44）　4月3日～15日の13日間
長野県佐久市　柳田清二（40）　6月5日～9日の5日間
茨城県龍ヶ崎市　中山一生（47）　10月18日～22日の5日間、年内にも再取得の予定
三重県伊勢市　鈴木健一（34）　10月19日、26日、11月1日の3日間
大阪府箕面市　倉田哲郎（36）　10月21日～11月5日の16日間
広島県　湯崎英彦（45）　10月26日から1か月間の予定

育休取得率、男性１・７％…厚労省

　厚生労働省によると、２００９年度の育休取得率は、女性が８５・６％に対し、男性は１・７２％に過ぎない。
　そんな中、今年４月に育休を取ったのが東京都文京区の成沢広修区長（４４）。区民の賛否は分かれたが、５月に区の男性職員が初めて８日間の育休を取得。区内の企業でも取得者が出るなど、育休取得の雰囲気作りが進んでいるという。
　首長の「育児休暇」宣言以降、広島県と箕面市に届いた意見のうち、８割以上は批判的な内容だった。
　広島県には、湯崎知事が取得を表明した１９日夜から、電子メールや電話などで県民から意見が届くようになった。大阪府の橋下徹知事が２１日、「世間を知らなすぎる」「公務員や首長は最後に育休を取るのが筋だ」と批判したことを受けて、意見の数はさらに増えた。

県民の声１６５件中、１４０件は否定的

　２６日午前９時現在で１６５件を数え、うち１４０件は「中小企業では取得したくてもできない」「危機管理上、問題だ」など否定的な意見だった。
　「一歩を踏み出せないでいる男性への励みになる」「誰かがやらないと変わらない」など歓迎する声もあった。湯崎知事は「意見はきちんと受け止め、今後の施策に生かしたい」としている。
　箕面市でも、２６日までに２５件の電話やメールが届き、うち２２件が否定的な意見。「民間で育休は取れないのに、市長は取れるのか」といった内容がほとんどで、「庶民感覚を持ってほしい」「橋下知事の言う通り」というメールもあった。

有識者は支持「体験を施策に生かせ」

　父親の育児支援を行うＮＰＯ法人「ファザーリング・ジャパン」理事を務める小崎恭弘・神戸常盤大学短期大学部准教授（児童福祉）の話「首長が今後、育休を取得した体験をどう施策に反映させるかが大切。有権者はしっかりチェックし、次に投票する際の判断材料の一つにしてほしい」

　前三重県知事の北川正恭・早稲田大教授（自治行政）の話「首長が育休取得の見本を示す意義は大きい。これを機に議論は活発化するだろう。批判も出るだろうが、正しいことは社会に定着していくはずだ」
（2010年10月28日 読売新聞）

（転載ここまで）

●北海道新聞
高橋知事「知事に育休ない」　橋下知事発言を支持
http://www.47news.jp/news/2010/10/post_20101029115929.html
（10/29 08:40、10/29 10:51 更新）

　高橋はるみ知事は２８日の定例記者会見で、広島県の湯崎英彦知事が「育児休暇」を取得したことについて「そもそも知事に育休自体があり得ない」と疑問視し、湯崎知事を「世間を知らなさすぎる」などと批判している大阪府の橋下徹知事に「賛成する」と述べた。
　知事は長男と次男を育てた自身の経験を踏まえ「少子化問題を解決するために、育児休暇を取りやすい社会環境にすることは不可欠」としながらも、知事の職務には「２４時間、道民の生命と安全を守る責務がある」と強調。「災害があれば陣頭指揮を執らなければならない知事が、育休を取るというのは、ちょっと違うのではないか」と指摘した。

（転載ここまで）

●47NEWS（よんななニュース）
広島知事の育休取得に宣伝効果　厚労相が期待表明
http://www.47news.jp/CN/201011/CN2010110201000270.html
2010/11/02 11:31 【共同通信】

　細川律夫厚生労働相は２日の閣議後記者会見で、広島県の湯崎英彦知事が「育児休暇」を取るなど、自治体首長の育休取得が相次いでいることについて「宣伝効果があるのでお勧めしたい。公務に差し支えない形で取っていただきたい」と述べた。その上で「育休は大事な制度だが、取得しない男性も多い」とし、男性の育休取得の後押しになることに期待を表明した。
　首長の育休をめぐっては、今年４月以降、東京都文京区長や三重県伊勢市長らが相次いで取得。橋下徹大阪府知事が「世間を知らなすぎる」と苦言を呈したのに対し、湯崎知事が「大きなお世話だ」と不快感を示すなど、首長の間で論争を呼んでいる。
2010/11/02 11:31 【共同通信】

（転載ここまで）

現在、民間でなかなか育児休暇がとれるようになっていないなら、官民あげて取れるように知恵をしぼって実践すればいいことです。「自治体首長だけではなく民間でも育児休暇を取れるようにすることを強く要求する」と言うならまだしも、「民間では育児休暇がとれないから公務員も取るな」と民間人が言うのは、社会の進歩を否定するように私の眼には映ります。お政府様が育児休暇制度を作ってもそれを積極的に社会に定着させようとする努力をしないのもいけないんじゃないでしょうか。だけど、制度ができたんだから、民間人はもっと堂々と制度を利用する努力をすべきです。そのような努力が社会を進歩させるのですから。

育児休暇を取る自治体首長を批判する発言を見ていると、日本では子どもを持つことは罪悪なのだとすら思わされてしまい、とても不愉快です。日本人の権利放棄競争の習慣、足の引っ張り合いの風習の良いサンプル、いえ、悪しきサンプルでもありますね。

この「論争」（？）の火付け役としての橋下徹氏の主張について言うなら、湯崎・広島県知事の育児休暇の取り方はむしろ遠慮がちであり、特に批判されるものでも何でもなく、現実に公務にも何の支障も生じていません。他人の家庭の事情にキイキイ言う、全くの見当外れの「余計なお世話」です。

だいいち、公務時間中にスポーツクラブに行ったり、自分の子どものために公務中に有名人のサインをもらったりする人物がそういう「余計なお世話」をすることが馬鹿げているのです。

以下は参考として。

●毎日ｊｐ(毎日新聞)
大阪・箕面市長：ただいま「育休」中　家事に奮闘
http://mainichi.jp/life/edu/child/news/20101028ddf041040018000c.html
2010年10月28日

　◇妻「そんなこと考えてたの」／夫「取らないと社会変わらず」
　市長はただいま「育休モード」－－。自治体首長の「育児休暇」取得について是非論争が過熱する中、次男誕生で２１日から１６日間の「育休」を取っている倉田哲郎・大阪府箕面市長（３６）が毎日新聞の取材に応じた。慣れぬ家事に苦労しつつも、充実の暮らしぶりとは。【反橋希美】
　２５日午前、同市内の大型商業施設。「こうやってお魚釣るんじゃない？」。散歩途中で寄ったおもちゃ屋で、倉田市長と長男（３）がゲームに興じていた。走り回る長男を追う市長のＴシャツは汗でびっしょり。「もうドロドロ」と苦笑した。
　決断は次男が誕生した２０日当日。２５日に退院した妻香織さん（３８）の実家は同府吹田市で、義母に手伝いに来てもらえるが毎日ではない。遊び盛りの長男の世話を考えた。
　料理のレパートリーは目玉焼き、ラーメンぐらいだが、栄養を考え野菜を入れる。寝汗をかいた長男にシャワーを浴びさせ、１日３回洗濯機を回す。市長就任後は土日も公務で、家事育児にかかわれなかった。長男と接する時間が増え「素直な子供に教えられることも多い」と話す。
　１６日間中９日間は東京出張を含め出勤。家でも職員とメールでやり取りする。「急ぎの案件でも子供は待ってくれない。時間をコントロールできないのが大変」。「休み」の響きを嫌い、今を「育休モード」と表現する。
　２６日までに市に届いた意見３７件のうち、９割が「民間は取れないのに市長は取れるのか」などの反対意見。だが「取得できる状況で（その家庭にとって父親の分担が）必要であるなら、取らなければ社会は変わらない」の信念は変わらない。「１０年後、こんな議論もあったなぁというぐらいになってくれたら」
　妻香織さんの話　言われた時は「そんなこと考えてたんだ」と驚いた。出産前から「長男のことは自分が大切にする」と言っていたので、その実現と理解した。少しでも男性が育児参加するのは、社会全体にとってもプラスになると思う。
【関連記事】
育休：広島知事が４０分「取得」　第３子と対面
学童保育：初の事故統計　半年で１人死亡１０４人大けが
待機児童対策：一部前倒し実施…「現物重視」野党に配慮
育児休暇：箕面の３６歳倉田市長も取得へ　次男誕生で
育児休暇：広島知事が取得へ…知事で初
毎日新聞　2010年10月28日　大阪夕刊

（転載ここまで）

ハシモトシやタカハシシが正しいと思う方には、とりあえずこちらの記事をご案内。^^

●迎春閣之風波
決定！！！ブログ迎春閣認定、ネグレクト推進自治体首長(｀∀´)(｀∀´)(｀∀´)
http://ameblo.jp/voodoo32kpci/entry-10691107154.html



↑『たかしズム「ネトウヨ、バカウヨ、ネット右翼、恥さらし、売国奴、日本の恥」を語るための、たかしのブログ』さん作。税制についての当秘書課の記事は、「カテゴリ : 税制、税金、財政」から。

築地市場の豊洲移転に反対して食の安全を守りたい。
●Like a rolling bean (new) 出来事録
■2010-10-28
公判後の取材に「原告は言いがかり」と東京都・コアサンプル廃棄（証拠隠滅）差止訴訟の第７回公判記録
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10689687851.html

■2010-11-03
築地東卸（水産仲卸組合）の移転賛成理事長らが組合債権特定調停での不適正手続きで監事から責任追及！
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10695570296.html

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