消費税についての十分な説明とは？

　

菅直人首相は、「消費税値上げ」について説明不足だったと選挙運動期間中に認め、選挙結果が出てからの敗戦の弁でもその点について反省の弁を語っていましたね。

では、ぜひ、消費税そのものの本質について、また、消費税を導入する必要性と正当性が本当にあるのかどうかについて、すべてのポイントをひとつ残らず菅・民主党に説明し尽くしていただきましょう。

●時事ドットコム
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010070700443
消費税「説明不足だった」＝菅首相、街頭で釈明
　菅直人首相は７日昼、鳥取県米子市内で街頭演説し、消費税率引き上げの検討方針について「わたしの消費税発言で心配を掛けている。一般の人から見ると唐突のようだが、そうだとしたら私の説明不足だった」と述べた。ただ、「（消費増税を）議論することには理解いただけるのではないか」と訴えた。
　首相は６日のテレビ番組で消費増税の言及について「やや唐突に受け止められたのは申し訳なかった」と陳謝したが、街頭では「説明不足だった」と釈明にとどめた。
　一方、政府が閣議決定した新成長戦略の戦略分野に「アジア経済」を掲げたことに関連し、「日本はアジアの中で唯一の先進国だ。その優位性を生かしてこれなかったのが今までの政権だ」との見解を示した。　（2010/07/07-13:39）

（転載ここまで）

菅首相から国民に向かって、何についてどういう「説明」が必要でしょうか。一つ一つあげていきましょう。

まず第一に、消費税だけが税金ではないということについて。所得税、法人税、相続税、証券課税（キャピタルゲイン課税）などもありますから、税制改革と言いながらそれらの税金についてほとんど触れないのはまったくおかしいです。

消費税の逆進性について。消費税は担税力の弱い人からも無理矢理むしりとる税であるということについて。なぜ高額所得者が応分の負担をしているとはいえないのに、ぎりぎりで生活をしている所得の低い人たちの生活をさらに苦しめる必要があるのかということについて。消費税上げは自殺の増加をもたらすとすら考えられることについて。

今までにあがっていた消費税収分とほぼ同じ金額が法人税減税で消えたことについて。

税金は消費税だけではなく、所得税、法人税、相続税、キャピタルゲイン課税などがあり、不労所得が多いために担税力のある高額所得者や利益を貯め込んでいる法人や営利企業は日本でもかなりいるのにそれらへの課税は緩められてきたことについて。

益税や輸出戻し税が大企業や輸出企業に「利益」をもたらしていて国庫に入らないことについて。

日本では生活必需品にもぜいたく品にも単一税率が課されるのに、西欧・北欧では生活必需品に低減税率やゼロ税率が適用されていて生活への影響は少なく抑えられていることについて。

消費税を上げようというのなら、その税収でどのような福祉国家を実現するのかというビジョンと具体的なアイデアとその実現スケジュールと国民への約束を示す必要が絶対あるということについて。

福祉のためという名目で消費税が導入されてからずっと、実際に福祉を充実させて国民に安心をもたらす政策はほとんど行われてこなかったことについて。福祉制度の改革はもっぱら福祉サービスを減らすと同時に国民への負担増を求めることだけが目的だったことについて。

ヨーロッパの社会保障は消費税で支えられているわけではなく、日本より高い企業側の保険料負担で支えられているということについて。

そもそも最高税率が高い西欧・北欧諸国では福祉政策や社会保障を日本以上に充実させているのだから、それらの国をお手本とするのなら、日本で消費税の最高税率をそれらの国に近づけるだけでは許されず、それらの国とは正反対に日本ではただでさえ貧しくなっている福祉政策をさらに縮小して高負担低福祉をもたらすことは許されないことについて。

大企業はエコポイントなど税金を使った景気対策によって政府から恩恵を受けているし、実際に払っている法人税は財界側が主張するほど重くないのに、法人税をさらに減らしながら消費税を上げてほしいというのは強欲すぎるということについて。

消費税だけを上げて法人税を下げるというのは、財政再建にも福祉目的にもならず、単に国民が大企業の法人税を肩代わりするだけにすぎなくなることについて。したがって、法人税上げも必然であることについて。

「消費税増税・法人税減税」して財政破綻した国の例があることについて。

そもそも、なぜこのように財政に穴が開いたのかについて。今までの税金は本当に「国民の生活が第一」というどこかの政党のスローガンにふさわしい目的のために使われたのかについて。税金はただどぶに捨てられたに等しいのか、それとも有意義なことに使われたのかについて。税金の使途は、「国民の生活が第一」というスローガンを基本にその優先順位と意義を検討すべきであるということについて。税金が無意味にどぶに捨てられたに等しいなら、その責任は一般国民よりもむしろ、今までに政権にいた政治家や中央官僚や高禄を食む天下り官僚などが主にとるべきではないのかということについて。

日本人への社会保障のための予算措置を削減しながら、逆に在日米軍に「思いやり予算」の名目で支出されている多額のお金は税金の使い方として適切かどうかどうかについて。

税金から支出される多額の政党助成金は政治の充実のために適正で効果的な使われ方をしているのかどうかについて。キャミソールや漫画本に消えているのではないかという疑問について。

税金が官房機密費として使途も効果も示されないまま政権政党に着服されたのではないかという疑問について。

税金から自動的に政党助成金を受け取ると同時に企業献金も受け取る政党が、消費税増税で特に低所得層の国民にだけ重い負担を強いる政治を賢明な政治と呼べるかどうかについて。

まだまだありますが、このへんにしましょう。いくらおマスコミ様やお財界様が大政党が消費税上げをめざして声をそろえたとしても、ここにあげてきた一つ一つのポイントは理論的に考えたら避けて通れないものだし、確かに存在する現実でもあります。

菅首相。消費増税を「議論」したいなら、絶対にこれらすべてのポイントについて国民に具体的に広くあらゆる角度から情報を公開し周知し、国民と深く広く徹底的に議論しなければなりません。苦しい生活をおくっている国民に消費増税を一方的に押しつけるだけが目的の、お政府様にとってだけ都合よく狭い範囲でだけ設定された「議論」など、きっぱりとお断りします。

あっ、消費税を遅かれ早かれ上げたがっているすべての政党にも同じことを申し上げます。


当秘書課広報室の税制関係の記事はこちら。
■カテゴリ : 税制、税金、財政
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-category-36.html


さらに参考記事。

●Ａｆｔｅｒｎｏｏｎ　Ｃａｆｅ
消費税Ｑ＆Ａ
http://akiharahaduki.blog31.fc2.com/blog-entry-471.html



↑『たかしズム「ネトウヨ、バカウヨ、ネット右翼、恥さらし、売国奴、日本の恥」を語るための、たかしのブログ』さん作

築地市場の豊洲移転に反対して食の安全を守りたい。
●Like a rolling bean (new) 出来事録
■2010-07-02
豊洲新市場汚染土壌証拠隠滅裁判の第5回公判の内容（これからまだまだ続きます。ご支援を！）
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10579044904.html

■2010-07-07
築地移転反対の軸である鮮魚仲卸組合「東卸」のありえない強制破綻事件（第9回勉強会から）
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10583673633.html

■2010-07-12
今日、築地移転反対の旗振り役「東卸」特定調停の記者発表。報道が移転不可避論を喧伝することに大警戒
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10589152955.html

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