更生支援が犯罪の抑止力になることを示した2009年の犯罪白書

　

2009年版の犯罪白書。これを報道する記事を読み比べて、何に重点を置いて記事にしているか、どのような見出しをつけているかをくらべてみると面白いです。

再犯率の増加を目立たせる記事もありますが、更生協力者が再犯防止につながることを目立たせる記事を私は高く評価します。犯罪者に石を投げることが関心の中心になっている記事よりも、再犯防止に効果のある具体的取り組みを知らせる記事の方が、犯罪についての冷静な対処をうながすという意味で、社会にとって有益だからです。

犯罪を減らすにはどうしたらいいのかというヒントを盛り込んだ犯罪白書を作った法務省。こういう仕事をいつもしているのであれば、「法無省」と批判をする必要はないのです。更生協力者が再犯抑止のはたらきをするという当たり前だけど重要なことを白書にした法務省の白書担当者と、そのことを正当に強調した報道機関に敬意を表します。

犯罪白書については過去にいくつか記事を書いてきました。よろしければ参照してください。

では、今年の犯罪白書について報道するいろいろな新聞記事をどうぞ。（その引用の後でもう一言感想を書きます。）

●東京新聞 (TOKYO Web)
更生協力者が再犯抑止　窃盗と覚せい剤　保護観察も効果　犯罪白書
2009年11月13日 夕刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2009111302000219.html

　法務省は十三日、二〇〇九年版「犯罪白書」を公表した。今回は同様の犯罪を繰り返す傾向が高い窃盗と覚せい剤取締法違反事件に焦点を当て、初犯で執行猶予判決を受けた人を対象に、その後の再犯の有無を追跡した実態調査を特集。更生に協力する家族や雇用主がいる場合は再犯率が低かった。調査を行った法務総合研究所は「更生に本人の努力は必要だが、周囲の援助が再犯リスクを抑制する」と指摘している。
　白書によると、調査は、東京地検や横浜地検が処理し、二〇〇四年に一審で確定した窃盗六百九十一人、覚せい剤取締法違反五百十九人を分析した。
　そのうち、四年以内に前科と同じ再犯に及んだのは、窃盗で２３％の百六十二人。覚せい剤取締法違反で２４％の百二十八人。
　家族や雇用主が本人の更生を監督する「監督誓約」がある場合の再犯率は、窃盗罪で１３・５％、覚せい剤取締法違反で１８・９％と、それぞれ誓約がない場合の３４％、４４・８％を大きく下回った。
　また、保護観察がついた場合も再犯率が抑えられた。保護観察は生活環境や更生条件が劣悪で、再犯リスクの高い人につくことが多いが、保護観察がつくと、保護観察が不要と判断された人たちと同水準まで抑制された。
　執行猶予判決のうちで保護観察がついた「保護観察率」は一九六三年の２０・６％をピークに、二〇〇八年は過去最低の８・３％となったが、同研究所は「保護観察は再犯抑止に効果がある」として、保護観察付き執行猶予の活用を強調する。
　一方、交通事故による業務上過失致傷などを除く刑法犯は六年連続で減少したが、六十五歳以上の高齢者の検挙数は四万八千八百五人と増加傾向。人口比での伸び率は他の年齢層に比べて高く、二十年前の一九八九年に比べて三・七倍に上昇している。

（引用ここまで）

●毎日ｊｐ(毎日新聞)
犯罪白書：保護観察付き猶予率８．３％で過去最低
2009年11月13日 11時2分　更新：11月13日 11時10分
http://mainichi.jp/select/today/news/20091113k0000e040031000c.html

　保護観察を付ける判決が０８年、執行猶予判決全体の８．３％にとどまり過去最低になったことが、法務省が１３日に公表した犯罪白書で分かった。一方、執行猶予者を対象にした調査では、窃盗罪で保護観察を付けた場合、再犯が抑止されていることも判明。白書は「再犯可能性を的確に見極めて保護観察を付けることも再犯防止の方策」と提言している。
　執行猶予に保護観察が付く率は、６０年代には２割前後で推移していたが、８０年代以降は減少傾向で、０３年に初めて１割台を割り込んだ。結果の重大性に加え、家庭環境や生活状況などから再犯可能性が高いと判断される場合に出ることが多いとされるが、法務省は低下の原因は「複数の要因が絡んでいるとみられ、必ずしも明らかでない」と話している。
　法務省は、窃盗と覚せい剤取締法違反（使用か単純所持）で０４年に執行猶予判決が確定した１２１０人を対象に、その後４年間の再犯の有無を追跡調査した。窃盗罪では保護観察なしの場合の同罪の再犯率は２３．９％に上ったのに対し、保護観察付きでは１９％に抑えられた。また住居不定や無職、監督者不在のケースでは、保護観察なしの再犯率が保護観察付きの再犯率を上回った。白書は「保護観察が再犯抑止に効果を上げている証拠」と指摘している。【石川淳一】
　【ことば】保護観察
　犯罪者や非行少年を社会の中で生活させながら、保護観察官やボランティアの保護司らの指導で改善更生を図る制度。刑務所仮釈放者や家裁で保護観察処分を受けた少年などが対象となる。住居の報告や定期的な面接のほか、起こした犯罪によっては特別順守事項として薬物離脱や暴力防止などのプログラムを受ける。
　◇覚せい剤事件　６割弱が再犯
　犯罪白書は、薬物犯罪の再犯率が他罪と比べて著しく高く、薬物の常習性が強い実態を指摘した。精神的依存が再犯に結びついているとして、受刑中や保護観察中に依存離脱のプログラムを受けるなど、特別な処遇が必要としている。
　白書によると、０８年に覚せい剤取締法違反で検挙された１万７７６人のうち、５７．１％が過去に同法違反で検挙歴がある再犯だった。交通事件を除く一般刑法犯で前科があった率は２９．６％だった。
　一方、就労先の確保や監督者が存在している場合に再犯が一定程度抑止できていた。白書は「誘惑を断ち切ることが再犯防止のカギ」と指摘。就労支援や保護観察による監督のほか、交友関係を良好にすることも処遇の要点としている。【石川淳一】

（引用ここまで）

●NIKKEI NET（日経ネット）
窃盗・覚せい剤犯、家族と同居で再犯率半減　09年犯罪白書
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20091113AT1G1300V13112009.html

　再犯率が高い窃盗と覚せい剤取締法違反について有罪判決の確定者を追跡調査したところ、安定した職に就いたり、生活の監督をする家族と同居すれば、そうでない場合に比べ再犯率が半分近くに抑制されることが、法務省が13日に閣議報告した「2009年度版犯罪白書」で分かった。白書は「犯罪者が社会復帰に向け職に就くのには様々な障害があり、就労を支援する措置が必要」と指摘している。
　今回の白書のテーマは「再犯防止施策の充実」。東京都と横浜市で2004年中に有罪判決が確定した約1200人について追跡調査を実施。再犯の有無や居住・就労状況などとの関連を調べた。
　その結果、執行猶予付きの有罪判決を受けた後に４年以内に再び何らかの罪を犯した割合は、無職だった場合、窃盗で34.4％、覚せい剤取締法違反で37.8％だったが、安定した職に就いていた場合はそれぞれ、19.3％、17.9％。(11:31)

（引用ここまで）

●YOMIURI ONLINE（読売新聞）
再犯者は４２％で１２年連続の増加…「犯罪白書」
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20091113-OYT1T00372.htm

　法務省は１３日、２００９年版「犯罪白書」を公表した。

　０８年に犯罪を犯して検挙された人のうち、再犯者の占める割合は４２％で、１９９７年以降、１２年連続の増加となった。
　覚せい剤取締法違反で検挙されたのは１万７７６人で、このうち再犯者は５７％に上り、薬物犯罪の常習性の高さが浮き彫りになった。今年は芸能人による薬物事件が相次ぐなど世論の関心も高まっており、再犯防止策の重要性を指摘している。
　０８年の再入所者１万５４４３人の罪名別の割合は、窃盗が最多の３６％、覚せい剤取締法違反が２６％で続いた。白書は、生活が不安定なほど再犯の危険性は高くなると分析、更生の余地が大きい初犯者や若年者に対し、早い段階で適切な処置を取ることが重要だとした。
　２００４年中に窃盗と覚せい剤取締法違反で執行猶予判決を受けた計１２１０人（窃盗６９１人、覚せい剤５１９人）を調査したところ、定職者の再犯率は窃盗１５％、覚せい剤１７％と低かったのに対し、無職の人の再犯率は窃盗２８％、覚せい剤３０％と高かった。就労状況が不安定なほど、再犯率が高まる傾向が見られた。
　居住状況別に再犯率を見ると、窃盗、覚せい剤ともに、家族や友人と同居している人よりも、住所不定やホームレスの人の方が高かった。
　白書は保護司らが執行猶予者らの生活指導を行う保護観察が再犯に及ぼす効果にも言及した。保護観察を受けた場合と受けなかった場合で、再犯率がどう変わるかを調べたところ、窃盗の再犯率は保護観察を受けた人が１９％で、受けなかった人（２４％）より低かった。
　一方、０８年の刑法犯の認知件数は２５３万３３５１件（前年比６％減）で、６年連続で減少。検挙者数は１０８万１９５５人（同９％減）、検挙率は５１％（同１ポイント減）だった。
（2009年11月13日11時05分 読売新聞）

（引用ここまで）

●Yahoo!ニュース - （時事通信）
覚せい剤事件、再犯が約6割＝社会復帰支援の拡充を－犯罪白書
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091113-00000039-jij-soci

2009年11月13日8時59分配信 時事通信
　千葉景子法相は13日午前の閣議で、2009年版犯罪白書を報告した。覚せい剤事件の検挙者の6割近くが2度以上の再犯であるとの統計を示した上で、再犯防止対策の重要性を指摘。薬物依存を断ち切るための指導や、就労促進などの社会復帰支援策を拡充させるよう求めた。芸能人絡みの事件が相次いだことで薬物犯罪への関心は高まっており、白書の内容は社会への警告となりそうだ。
　白書によると、08年に覚せい剤取締法違反で検挙されたのは1万776人で、このうち再犯者は57．1％に上った。覚せい剤に次ぐ再犯率だった窃盗の20．1％と比べ、薬物犯罪の「常習性」の高さが浮き彫りとなった。

（引用ここまで）

●47NEWS（よんななニュース）
執行猶予者の保護観察率過去最低　８・３％、０９年版犯罪白書
http://www.47news.jp/CN/200911/CN2009111301000147.html

　刑事裁判で執行猶予付き判決を受けた人のうち、保護観察を付された人の割合（保護観察率）が昨年は８・３％となり、統計が残る５７年以降最低を更新したことが、１３日公表された法務省の０９年版犯罪白書で分かった。
　保護観察率は２０・６％だった６３年をピークに下降傾向が続いている。ただ、今年８月から始まった裁判員裁判では、執行猶予判決の大半に保護観察が付されているため、今後上昇に転じる可能性もある。
　白書によると、保護観察率は６２～６４年に２０％を超えたが、８０年代から次第に下降。０３年に初めて１けたの９・５％となり、０６、０７年は８・８％まで落ちていた。
　白書はまた、再犯率が高い窃盗と覚せい剤取締法違反の罪で東京、横浜両地検などから起訴され、０４年に一審で執行猶予判決が確定した人について、その後４年間の追跡調査結果を報告。
　窃盗（６９１人）では、同じ窃盗の再犯で有罪となった人の割合が、保護観察「あり」では１９・０％で、「なし」の２３・９％を下回り、保護観察の効果が見られた。
　覚せい剤取締法違反（５１９人）では、保護観察「あり」の再犯が２７・８％で、「なし」の２４・４％を若干上回った。
2009/11/13 09:09 【共同通信】

保護観察（2009年9月9日）罪を犯した人や非行少年の再犯を防止し、社会の中で自力の更生を助ける制度。保護観察官や保護司が定期的に面談し、生活状況を聞きながら就職などの助言をする。対象者には、管轄の保護観察所長に住所を届け出たり、引っ越しや旅行の際には許可を受けたりするなどの順守事項がある。

（引用ここまで）

●Yahoo!ニュース - （産経新聞）
刑法犯と窃盗の再犯者率過去４０年で最高　覚せい剤も高水準　犯罪白書
2009年11月13日9時59分配信 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091113-00000515-san-soci

　法務省は１３日、「平成２１年版犯罪白書」を公表した。犯罪の５割前後を占める再犯者の防止施策充実を特集、自動車運転過失致死傷などをのぞく「一般刑法犯」の検挙者３４万人のうち、再犯者は１４万人で再犯者率４２％、窃盗も再犯者７万５０００人で４３％と、ともに連続した統計のある昭和４３年以降で最高だった。覚醒（かくせい）剤事犯者は再犯者６２００人で５６％だった。

　とくに再犯性の高い窃盗と覚醒剤事犯者への特別調査では、居住・就労状況や監督者、保護観察など「人」の果たす再犯の抑止になる効果を強調した。白書は「犯罪者を改善更生させ、社会の構成員に取り込む点からも、再犯防止は国民全体の大きな利益になる」としている。

　法務総合研究所がまとめた白書では東京、横浜の地・区検が処理し、平成１６年に一審で確定した窃盗、覚醒剤取締法の執行猶予者を追跡調査。約１２００人（男１０００、女２００）のうち再犯者は窃盗は男３０％、女３３％、覚醒剤では男３２％、女２１％。再犯者の８割が前回と同一罪名で、再犯までの期間は窃盗は１年半以内、覚醒剤は２年以内が過半数だった。

　再犯防止・リスク要因として、居住・就労状況別では、窃盗で再犯が多いのは「単身（定住）・不安定就労（アルバイトなど）」で４０％、以下、「単身（住居不定）・無職」「単身（定住）・無職」で、最も再犯が少ない「家族と同居・安定就労」では８割以上が再犯に及ばなかった。覚醒剤では居住状況を問わず、「無職」が再犯に及ぶ割合が多かった。

　その他の要因では、裁判で釈放後の監督を誓約した親・親族、雇用主ら「監督者」がいた場合、窃盗の再犯は２０％、いない場合は４０％に、覚醒剤では２５％と５０％に。「保護観察」があるかないかでは再犯割合に大差なく、制度の趣旨（リスクが高い者につける）からすれば、相当の抑止効果があるとした。一方、覚醒剤では女子の場合、「共犯」がいた場合の再犯は３３％、いない場合は１５％と、人の影響を受けやすい実態もわかった。

（引用ここまで）

●Yahoo!ニュース - （産経新聞）
犯罪白書　更生の鍵握る「就労」と周囲の「人間」
2009年11月13日9時51分配信 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091113-00000513-san-soci

　「再犯の要因を把握し、実情に応じて対策を講じることが肝要」－。１３日公表された「犯罪白書」では窃盗、覚醒（かくせい）剤事犯者の実態調査などから各種再犯抑止要因を分析した。保護観察対象者の聞き取り調査から再犯抑止・更生のきっかけはさまざまだが、出所後の「就労」と周囲の「人間関係」が更生の鍵を握るといえそうだ。

　たとえば、５０歳代の女性は《夫が勤労意欲を失い、生活が困窮。知人宅から通帳を盗むなどし、執行猶予判決を受けたが、困窮が続き》再犯で実刑に。だが、その受刑中にヘルパーの資格取得やパソコンの講習を受け、「出所後の就労（老人ホーム）に大いに役立った」と話す。

　《少年時からゲーム感覚で万引を繰り返し、２０歳のころから遊興費を得るため、仲間と侵入窃盗を重ねた》２０歳代の男性は保護観察付き執行猶予４年の判決。「拘留中に面会に来た２歳の長男が、自分の顔を忘れていたことにショックを受け、更生を決意」。すでに３年半がすぎている。

　《２０歳代半ばから覚醒剤を使用し、３０歳のころ執行猶予判決を受けたが、約２年後に再び使用し、実刑判決を受けた》３０歳代の男性は仮釈放され、すでに刑期も終了した。「実刑で自分はもう終わったと思ったが、雇い主が面会に来て激励してくれた。出所後はがんばって職場を引っ張っていこうという気持ちになれた」と話している。

　家族、雇用主らの存在による再犯抑止、冒頭の５０歳代女性のような、受刑中の職業訓練にしても、有効求人倍率などを参考に就労に役立つ資格を探す刑務官らの配慮が効いている。

　再犯要因の把握や実情に即した対策では、保護観察が「再犯防止に効果」と白書は保護観察付き執行猶予の活用を提言。実際の保護観察率は年々下がり、２０年は８・３％だったが、現在、法制審議会で審議中の「刑の一部の執行猶予」制度などでも、保護観察の役割が期待される。

　ただ、担当の保護司はボランティアで、現在４万９０００人と定数（５万２５００人）に足りず、平均年齢も６３・２歳に上昇。今後人員確保などのケアも課題になる。

　「本人のがんばりはもちろん、広く受け入れ、支えてくれる人、社会の理解と協力が必要。受け入れ側が景気の影響を受け、なかなか厳しい時代ですが」と研究員。

　実際、「金融危機等で社会的な不安感が増大し、犯罪が増加することも懸念」と白書。２０年の一般刑法犯の認知件数は１８２万件と戦後最多の１４年から１００万件減ったものの、「なお楽観視できない」というだけに、再犯防止の必要性はより高まっている。

最終更新:11月13日11時17分

（引用ここまで）

●YOMIURI ONLINE（読売新聞）
出所者就労に不況の風、社会復帰難しく
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20091113-OYT1T00830.htm

　生活が安定しているほど、再犯の危険性が低くなる傾向を明らかにした今年の犯罪白書。

　再犯防止には、犯罪に及んだ人が生活基盤を築けるような社会復帰支援が必要と改めて指摘した。国は様々な角度から刑務所出所者らの支援に取り組んでいるが、不況の影響もあり、道のりは平坦ではない。
　◆「ここ１、２年は特に」◆
　「やる気はあるのだが、こうも仕事が見つからないと焦りが募る一方です」
　ホームレス生活を送っていた時に万引きをして服役、９月に刑期を２か月残して仮出所し、埼玉県の更生保護施設「清心寮」に入った男性（６０）はそう語る。
　福祉関係、製造業など約４０社に採用を申し込んだが断られ続け、就職が決まらない。「もう満期も近い。施設の空きを待っている人も大勢おり、早く自立資金をためて出ないといけないのですが……」と力なくつぶやいた。
　藤本信次施設長も「ここ１、２年は特に就労が難しくなった」と話す。今年の犯罪白書によると、２００４～０８年に刑務所などに窃盗罪で２回目の入所をした受刑者のうち、７６％は犯行当時、無職だった。
　法務省も出所者の就労支援に取り組むが、不況の影響もあり就職は簡単ではない。出所者を積極的に雇う「協力雇用主」への登録企業は、今年４月時点で全国で７７４９社。
　０７年と比べ約２０００社増えたが、実際の雇用人数は４３５人と、０７年から２５０人減った。また、登録企業の半数が建設業と偏りがあり、業種の幅を広げることも課題だ。
　◆障害者・高齢者は◆
　厚生労働省は、身元引受先がない障害者や高齢者の出所者の受け入れ先を調整する「地域生活定着支援センター」を、各都道府県に設置することを目指している。
　しかし、負担増などを懸念して様子見の自治体も多く、設置されているのは全国でまだ５県のみだ。
　滋賀県から委託を受け、センター業務を行う滋賀県社会福祉事業団は、これまで滋賀刑務所の出所者ら７人の調整にあたったが、県内出身の１人のケース以外は他府県との連携が必要だった。
　担当者は「センターがある和歌山県との調整は円滑にできたが、そうでない県に出所者が移った場合はアフターケアもこちらが配慮しなければならないなど負担も大きい」と、各地への早期設置を望んでいる。
（2009年11月13日17時35分 読売新聞）

（引用ここまで）

「厳罰を与えよキイキイ」という声だけでは犯罪を減らすことはできず、更生協力者が再犯抑止のはたらきをするということをはっきりと意識する人が増えてほしいと心から願います。

犯罪白書について過去に書いた記事から、これをもう一度読んでいただけるとうれしいです。

■犯罪白書から新自由主義の傷跡が見える
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-989.html

また、再犯防止のために何が必要なのかを現実に沿ってていねいに考えるこちらの記事も必読です。

●女子リベ 　安原宏美--編集者のブログ
■「犯罪者」を受け入れている人たち～司法と福祉の連携～
http://ameblo.jp/hiromiyasuhara/entry-10370694034.html

■「2円で刑務所、5億で執行猶予」浜井浩一著　前編
http://ameblo.jp/hiromiyasuhara/entry-10366820789.html

■「2円で刑務所、5億で執行猶予」浜井浩一著　後編
http://ameblo.jp/hiromiyasuhara/entry-10369877036.html

築地市場の豊洲移転に反対して食の安全を守りたい。
●Like a rolling bean (new) 出来事録
■2009-11-05　お東京都様が、築地移転計画に千数百億円の予算を！
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10381265674.html

■2009-11-06　詳細：東ガス工場跡「汚染の沼地」買収に1000億円以上の大枚を投じる東京都（痛くも痒くもある）
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10381786159.html

■2009-11-08　日本最大の汚染の沼地（今回は東京ドーム5個分）に1260億円を投入などできるはずがないでしょう
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10383260754.html

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