『
「96条改憲は憲法クーデターである」 (by あそびたりあんさん)』の記事で読んでいただいたあそびたりあんさんの、「人類普遍の原理にもとずく日本国憲法」についての記事を続けて読みましょう。
「人類普遍の原理に反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する」現日本国憲法を「排除」しようという自民党の企ては、「人類普遍の原理を排除して、自民党の原理を日本国民に強制しよう」ということです。人類普遍の原理を排除する自民党案に賛成する人も自民党議員を中心にいくらかいるのでしょうが、自民党案を「新たな」日本国憲法とすることは、「人類普遍の原理」に沿った政治を望む人々の居場所をこの日本からなくすという、独裁国家における粛清、弾圧、恐怖政治(テロ)ということです。
国政選挙で自民党に投票したり棄権したりして自民党によるカイケンを許すということは、「人類普遍の原理」を日本国は敵視しますということを国際社会に向けて宣言するということでもあります。
では、あそびたりあんさんの記事です。あそびたりあんさん、いつもありがとうございます。
●Die Zeit des Rechts
憲法前文を読み直す――日本国憲法は人類普遍の原理に反する憲法を排す
http://d.hatena.ne.jp/asobitarian/20130506/1367814322
2013-05-06
日本国憲法前文第1項を読み直してみよう。そこには次のように書かれている。
日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起こることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法はかかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
最後の一文に注目してほしい。そこには、「われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する」と書かれている。うっかりしていると読み流してしまうかもしれないが、ここで「一切の憲法(……)を排除する」と書かれていることの意味をよく考えてみたい。憲法が最高法規であることは今さら言うまでもない。憲法は98条1項で、「この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、勅令及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない」と憲法の最高法規性を明言しており、それを具体化するため、81条で、「最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である」と述べて、裁判所の違憲審査制を定めている。そうすることにより、すべての法令や規則や処分が憲法に適合することを担保しているのである。(もちろん、それは裁判所の違憲審査権が適正に機能した場合のことであって、そうでなければ憲法の最高法規性は“絵に描いた餅”となってしまい、残念ながら、日本の現実がそのようなものであることは多くの国民が知るところである。)
したがって、仮に憲法前文第1項の最後の文が、「・・・これに反する一切の法令及び詔勅を排除する」となっていたのであれば、単に憲法の最高法規性を述べたにすぎない、と解されよう。ところがここに、「一切の憲法・・・を排除する」と書かれているのは、単に憲法の最高法規性を述べたというにはとどまらない意味がある。「われらは、これに反する一切の憲法・・・を排除する」とはどういう意味だろうか。「これ」が「かかる原理」すなわち「人類普遍の原理」を指していることは明白であろう。すると、この一文は、「われらは人類普遍の原理に反する一切の憲法」を排除する、という意味であることがわかる。これは、日本国憲法が96条の改正手続きに従って改正される場合でも、「人類普遍の原理」に反するような改正は認められない、排除される、ということである。しかし、それは一体なぜだろうか。
国内法の体系においては、憲法―法律・条例―命令・規則―処分という、憲法を頂点とする位階構造が存在しており、それぞれの法規範は左の上位規範に抵触してはいけないことになっており、それが法治主義の意味するところである。では、最高法規である憲法自体はいかなる拘束も受けないのであろうか。そうではなく、憲法自身も人類普遍の原理に服さなければならない、という思想を憲法前文の当該文は表明しているものと考えられる。では、「人類普遍の原理」とは何だろうか。実はこの問題は、憲法前文の文理解釈のみからは導き得ない。「これは人類普遍の原理であり」の「これ」とは、直接的にはその前文(「そもそも国政は・・・享受する」)を指しているように読めるし、その内容は、国民主権を意味しているように読める。しかし、人類普遍の原理の内容を国民主権原理と等値してしまうのは、いささか早計である。というのは、この憲法の目的は、国民主権原理を採用することだけにあるのではないからである。日本国憲法の最大の目的は第11条と第97条に闡明されている。すなわち11条は、「この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる」と述べ、97条は、「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試練に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである」と規定している。つまり、人権保障こそが憲法制定の根本目的であって、国民主権原理の採択は、それ自体が目的であると同時に、人権保障を確実なものにするための手段であるという両面を持つものと考えられる。そして、11条でも97条でも、憲法の保障する人権は、「侵すことのできない永久の権利」であり、「現在及び将来の国民」に与えられるものであると規定しており、従って、人権保障を侵すような憲法改正は永久に認められないことを憲法自身が明確にしていることが読み取れる。さらに、憲法前文第1文は、「日本国民は、代議制民主主義を採用し、われらとわれらの子孫のために、平和主義と人権保障の成果を確保し、政府の行為によって再び悲惨な戦争を引き起こすことのないようにすることを決意し、ここに主権在民を宣言し、この憲法を制定する」と読み替えることが可能であるから、このことからも、国民主権原理の採用が人権保障と平和主義を確実なものにするためである、という関係が読み取れる。
平和主義を「人類普遍の原理」に含めることができるか否かは議論の余地があるかもしれないが、人権保障と国民主権原理がそこに含まれることは明らかであろう。したがって、人権保障と国民主権原理は、憲法に先立つ上位規範であり、そこからの逸脱が許されない「人類普遍の原理」として日本国憲法も永久に拘束されることを、前文第1項のこの一文は宣言したものと考えられる。そして、人権保障と国民主権原理を確保するため、憲法を制定して国家権力を統制する、というのが立憲主義の精髄であることは言うまでもない。したがって、日本国憲法はその前文において、自らもこの立憲主義の伝統に連なる憲法たることを闡明し、それに反する憲法改正を予め禁止したのである。
(転載ここまで)
「人類普遍の原理」を排除しようとする自民党はクーデターを行なおうとしていることは、『
「96条改憲は憲法クーデターである」 (by あそびたりあんさん)』の記事で読んでいただいたあそびたりあんさんの記事でも説明されていますが、今回は11条についても比べてみましょう。
現行憲法第11条
「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。」
自民党憲法草案第11条
「国民は、全ての基本的人権を享有する。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利である。」
自民党草案では、基本的人権を国民が共有することの正当性が弱められています。実際、自民党草案では「妨げられない」という言葉が削られ、「現在及び将来の国民に与へられる」という言葉も削られています。自民党草案では基本的人権の弱体化を狙っていることはこの一条を見るだけでおのずと明らかです。それ以外の条文を見れば、具体的に基本的人権にたくさんの制約をかけているのですから、
自民党の狙いは国民の基本的人権を尊重しているふりをしながら基本的人権を無効化しようとする企みであるということは簡単に読み取れます。
さらに、先日も触れましたが、自民党草案では次の現行憲法97条が削られています。
『日本国憲法第97条
この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。』
「11条と97条は重なるから重複を避けた」とまことしやかに「解説」する人がいますが、とんでもない。第97条にある「人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果」という言葉、「過去幾多の試錬に堪へ」という言葉、「現在及び将来の国民に対し(...)信託された」という言葉が自民党草案では削られていることになります。ここでも、自民党の草案が基本的人権を無力化しようとしていることは明らかです。
基本的人権を縮小しようとする自民党の企みを国民に対する暴力という言葉以外にどう表現したらいいのか、私には思いつきません。自民党による国民へのテロリズムに反対します。
●国会議員への投書のための「議員名簿」→
http://www.eda-jp.com/link/link1.html●マスメディアへの投書のための「News for the people in Japan」マスメディア問い合わせ用リンク集→
http://www.news-pj.net/link/media.html●他の社会系ブログに行くにはうちの「私的リンク集 (適宜更新)」経由で→
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-136.html
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野党がクズだと思うのは、与党や政権をこき下ろしてけなすことに終始、国会でもただひたすらに自分だけが正しい、与党は間違っていると攻撃のみで一切建設シュン日本国民の多くは、長年の自民党政治と自民党支配下の教育・マスメディアによって臣民化させられた。日本人は現在果たして本当に民主主義国民なのか、深く問い直さなければならないと思う。No title起きていることを引き受けられない方が「クズ」でしょうに。アンドリュー・バルトフェルド自公政権が超速でこっそりと推進する、DV被害者を地獄に突き落とす #離婚後共同親権に反対します #STOP共同親権 #STOP家族法改正 #共同親権反対 の国会前デモ(2024年3月29日)も。No title反省の色が見られない連中の多さに呆れます。
どこかの将棋指しがDVやって裁判沙汰になったにもかかわらず、共同親権賛成に乗っていますからねえ。
最近だとユーチューバーアンドリュー・バルトフェルド自民党は旧・統一教会(現・世界平和統一家庭連合)と手を切ることはできない。自民党を永久に政権から追放するしか手はない。こんばんは。前のコメント欄に敬愛する坂口安吾が出典されているのを見て、思わず触発されて、コメントする無礼をお許し下さい。
坂口安吾は日本文化史論の中で、大本の出柿ノ木扇蔵「小池百合子ファーストの会」になった東京都議会の自民・都民ファースト・公明数年前の神奈川県議会より性質悪し。異議申し立てましょ!https://benitoh96.hatenablog.com/entry/2024/03/27/025918
いま、トラックバック機能がなくなっているので…たまげました。発言潰しやらかした勢力には「ふざけんな!」で伊東 勉鳥山明氏の死去と、日本の漫画界の今後についてとりとめもなく思うこと水木しげる水木しげるさんの名前を挙げるのを忘れていました。
「ゲゲゲの鬼太郎」が代表作ですが、他に自身の戦争体験を題材にした作品や南方熊楠を扱った作品など多くの優れた作品津木野宇佐儀自公政権とその取り巻きの兵器産業による #殺傷武器輸出反対自民党山口派えっ!?「公明党」って政党なんてありましたっけ?
…あ、もしかして、自民党山口派、派閥名「公明会」のこと?
選挙期間中に公明=ソーカの運動員にこう言ってやろう、と津木野宇佐儀日本国民の多くは、長年の自民党政治と自民党支配下の教育・マスメディアによって臣民化させられた。日本人は現在果たして本当に民主主義国民なのか、深く問い直さなければならないと思う。奴隷は命令に自発的には従わない「自発的隷従」という言葉もありますね
「クズ」とはいったい何を指すのか、「自発的」に考えてみるのもいいかも知れませんね。
でも、先行世代として、こうなって・させ津木野宇佐儀「小池百合子ファーストの会」になった東京都議会の自民・都民ファースト・公明КОЙКЭ小池=プーチン状態ですね
でもこれがЯпонのスタンダードになりそうなのが恐ろしいです…津木野宇佐儀日本国民の多くは、長年の自民党政治と自民党支配下の教育・マスメディアによって臣民化させられた。日本人は現在果たして本当に民主主義国民なのか、深く問い直さなければならないと思う。>シュンさん私の見立てはシュンさんとはちょっと違います。
「現状に不満が無い」のではなくて、現状への不満を自民党政治を瓦解させるほどの批判や投票行動という形で表明しないよう村野瀬 玲奈国会議員を減らすのは、政治を正す方法にはならない。定数削減は間口を狭めることにも。北上市でそうしなかった結果は…。 村野瀬さんお晩でございます。政治参加といえば身近なところでの基礎自治体選挙。近年目にしたふたつの出来事を紹介します。参考になれば幸いです。
① 北上市では昨夏伊東 勉立憲民主党から「維新のこういう理念が良い」という主張が出ないのに、維新と協力したいという欲望だけが漏れてくるのは政党としておかしい。村野瀬さんは改憲を許しても良いのですか?
次も自公維新政府なら確実に憲法改正の国民投票起きますよ。
共産党支持者と共産党党首との足並みが合っていないような?
れ冷静な目立憲民主党は利権追求の自己中心政党である維新と一緒にやるって、利権民主党になるのですか?イオンは三菱商事です。參四年前から。岡田さんがイオンなんて言う人は時代遅れ。立憲社民を貶す人も政権交代を考えない人ですよ。
田村智子さんを信じましょうよ。
リベ冷静な目立憲民主党は利権追求の自己中心政党である維新と一緒にやるって、利権民主党になるのですか?イオンは三菱商事です。參四年前から。岡田さんがイオンなんて言う人は時代遅れ。立憲社民を貶す人も政権交代を考えない人ですよ。
田村智子さんを信じましょうよ。
リベ冷静な目日本国民の多くは、長年の自民党政治と自民党支配下の教育・マスメディアによって臣民化させられた。日本人は現在果たして本当に民主主義国民なのか、深く問い直さなければならないと思う。違うと思います、国民はそこまで現状に不満が無いから選挙にも行かないのですよ。本当に追い詰められてる国は投票に行く。自分の都内の大学でも安倍さん支持している学生がシュン国会議員を減らすのは、政治を正す方法にはならない。国会議員の定数は逆に増やすべき 「金のかからない政治」の大義名分のもとに、議員定数はこれまで削減に次ぐ削減を重ねてきましたが、むしろそれは普通に人たちが政治にかかわる機会を狭めることにしかな井上 純国会議員を減らすのは、政治を正す方法にはならない。No title『国会議員を減らすのは、政治を正す方法にはならない。』に対する意見
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-9749.html
>今の日本の政治へのもっともな不満を(無記名コメント)国会議員を減らすのは、政治を正す方法にはならない。議員減らせば民意の代表も減る衆議院議員はもっと増やすべきですね
参議院は衆院の裏、でなく党派性の無いものにすべきでしょう
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2019年10月22日の「即位礼正殿の儀」で安倍晋三首相は,天皇の「お言葉」を受け,天皇が立つ「高御座(たかみくら)」を仰ぎ見ながら寿詞Takeshi社会運動「子ども食堂」の意味生活水準切り下げ運動 「草の根のファシズム」(吉見義明/岩波書店)から一部引用します。
1937年9月に開始された国民精神総動員運動は,消費節約・貯蓄奨励・軍事公債強制割当てなどのキャンTakeshi