村野瀬玲奈の秘書課広報室

　

菅直人・民主党政権がいよいよ「法人税引き下げ」に向けて、ジミントー政治と同じような新自由主義的な本性をあらわしてきました。

当秘書課広報室でも、「カテゴリ : 税制、税金、財政」の記事で法人税減税をずいぶん批判してきました。しかし、最近の報道を読んでも、私が書いてきたことを超える内容は民主党政権からは何も示されておらず、手垢のついた決まり文句の繰り返しにすぎないようです。まず、報道の引用から。

●NHKニュース
■法人税“引き下げ 検討指示”
http://www.nhk.or.jp/news/html/20101013/k10014548801000.html
2010年10月13日 12時23分

菅総理大臣は、衆議院予算委員会で、来年度の税制改正で焦点の一つとなっている法人税の見直しについて、「事業所の国外への移転を促進する危険性が現実にあり、税率を引き下げる方向で検討するよう、政府税制調査会や党に指示している」と述べました。
この中で菅総理大臣は、法人税の見直しについて、「各国との法人税率の比較で、事業所の国外への移転を促進してしまう危険性が現実にある。このため、法人税については、課税最低限の拡大とあわせて、引き下げる方向で検討するよう、政府税制調査会や党に指示している」と述べました。具体的な税率について菅総理大臣は「今、数字を申し上げる段階にない」と述べました。また、円高がいっそう進んでいることについて、野田財務大臣は「為替相場の過度な変動や無秩序な動きは、経済や金融の安定に望ましくない。引き続き、市場の動向を重大な関心を持って注視し、必要なときには断固たる措置を取っていきたい」と述べました。さらに、日銀の白川総裁は「デフレから脱却し、持続的な成長軌道に復帰することは、きわめて大事な課題だ」と述べたうえで、さきに創設を決めた３５兆円規模の基金を活用した金融緩和策も含め、機動的な金融政策でデフレ脱却を目指していく考えを示しました。一方、高校の授業料の実質無償化の対象に朝鮮学校を含めるかどうかをめぐって、菅総理大臣は「文部科学省の検討や民主党内の議論などを踏まえ、高木文部科学大臣が関係閣僚との意見交換を行って、対象を決める際の基準を決める」と述べました。

■法人税の引き下げ効果 検証へ
http://www.nhk.or.jp/news/html/20101015/t10014595081000.html
2010年10月15日 4時23分

政府税制調査会は、来年度の税制改正の焦点の一つとなっている法人税の扱いについて、税率を引き下げた場合、雇用面などにどの程度の効果が見込めるのか検証するとともに、財源をどう確保するのか本格的に検討することになりました。
来年度の税制改正では、実質的に４０％と、世界で最も高い水準にある法人税の税率を引き下げるのかどうかが焦点の一つになっています。経済産業省は、日本企業の国際競争力を高めるため、法人税の税率を５％引き下げるよう求めていますが、政府税調が１４日夜に開いたプロジェクトチームの初会合では、税率を引き下げた場合の効果が明確でないという指摘が出されました。このため政府税調は、税率の引き下げによって、正規雇用や企業の設備投資の増加がどの程度見込まれるのか効果を検証するとともに、税率を５％引き下げるのに１兆円以上必要とされる財源をどう確保するのか、経済産業省に対して具体的に説明するよう求めることになりました。政府税調は、このうち税率を引き下げた場合の効果については、今月末までに回答するよう経済産業省に求めており、法人税をめぐる議論がこれから本格化します。

（転載ここまで）

まず、法人税値下げが先にあって、そこから財源を検討していくんだそうです。それならば、私は、法人税を下げる代わりの財源として、上場企業の役員の所得にかける「上場企業役員税」を新設することを提案します。（笑）また、高額所得者に所得税をかける、キャピタルゲインへの課税を欧米並みに引き上げるのも古典的ですが必要です。国際通貨取引に低率の課税をするというトービン税でもいいですね。（...って、トービン税はちょっと違いますけど。）

それらができないのであれば、この際、お民主党様・お政府様ははっきり言っちゃえばいいじゃないですか、「法人税減税の財源は消費税」だと。もしお民主党様・お政府様が本当に「財源は消費税」だと言い出したら、「カテゴリ : 税制、税金、財政」の記事で批判してきた通りの展開になって、私の主張の正しさとお財界様の強欲さがはっきりと証明されることになりますから、それも悪くありません。爆

さらに報道記事を読むと、法人税減税の効果を検討するらしいですけれど、今の法人税率でも大企業内に利益がたまり、内部留保が増え続けている現状からして、雇用や賃金を増やすことを法で義務付けることなくただ単に法人税減税をしただけでは、雇用にも賃金にも何の効果もないのではないでしょうか？

あ、ちなみに、法人税減税の財源は平然と検討するのに、B型肝炎訴訟和解協議では、「和解案では２兆円、原告の主張通りなら８兆２千億円かかる」との試算を政府が出して原告に圧力をかけています。さらに、財源確保のため増税もあり得る、と示唆する発言が閣僚からも相次いでいるそうです。そのことを「B型肝炎訴訟和解協議から逃げる政府のテクニックをとくとご覧ください。」という記事で批判したばかりですし、次のような過去記事でもそのような政府の態度に釘を刺しました。

■「財源はどこに？」　（不定期連載『決まり文句を疑う』）
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-1337.html

■「ある中学生の素朴な疑問～そもそも何故財源がないの？」　（ブログ「Ａｆｔｅｒｎｏｏｎ　Ｃａｆｅ」と「晴耕雨読」から）
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-1431.html

話を戻します。ただ単に法人税減税をするのではなく、法人税減税をしたらその減税率に応じて新規雇用をこれだけ創出しなければならない、とか、非正規雇用をこれだけ正規化しなければならない、とかいう法的な義務付けをしないと意味がないとはっきり思います。もちろん、減税率が多ければ多いほど、雇用を多く創出しなければならないということです。

「非国民通信」さんの次の記事を読んでもそう感じさせられます。

●非国民通信
豚に真珠
http://blog.goo.ne.jp/rebellion_2006/e/2208f9b432b3bdaf24e381c41c7e78aa
2010-10-12

不況と称して賃金水準の引き下げが続けられる中でも企業は利益を増やしてきた、現預金もまた増やしてきた、そうであるにも関わらず「守りの経営」に逃げ込もうとしているわけです。あり余る資金を活用して打って出るより「内部留保が増えていると言っても現金で持っているわけではないのだ」と強弁して、これまた守りに入ることを好んできたのは、雇用や労働の問題を抜きにしても大いに批判されるべきでしょう。
（中略）
　とかく家計のアナロジーで国家財政が語られがちな昨今ですけれど（これは日本特有のことなのでしょうか、それとも万国共通なのでしょうか）、本来ならば経済に理解があってしかるべき企業経営者や投資家もまた、家計のアナロジーで会社経営を考えているように思えてなりません。保有している資本をいかに有効に活用し、それを拡大していくかではなく、いかに支出を切り詰めて貯蓄を積み増していくか、そういう基準で経営が評価されてはいないでしょうか。攻めのリスクを冒すよりも、守りに入って賃下げで利益を微増させる、そうやって売上の減る中でも内部留保を増やしていく、こういう経営が是認されているとしたら、それは覇気のなさとか草食系云々で済まされる域を超えているような気がします。

　ともあれ、全体的に見て日本の企業は手持ちの資本を有効に活用できていないわけです。企業に余分な金を持たせるのは、猫に小判、豚に真珠と言ったところでしょうか。これが仮に国内企業が適確に有効な投資先を見いだし、資金があれば次々とビジネスを拡大させていく、その結果として新規雇用が生み出されていくような状態であれば、法人税減税にも意味は出てきます。しかるに資金があっても何もできない守りの経営に終始するとしたらどうでしょう？　元より赤字の企業は法人税を払っていませんから、法人税が減税になっても意味がありませんし、儲かっている企業は法人税減税によって純利益が増えますが――いくら利益が上がって手元の資金が増えたとしても有効な投資先を見つけられない以上、使われずに滞留する金が増えるだけです。こういう状況であれば、むしろ法人税を引き上げて政府や自治体が活用してやった方が経済面だけを見てもプラスになるというものです。

（引用ここまで）

それにしても、本当に日本国内の雇用を守りたい、日本国内の企業が外国に移転することを本当に防ぎたい、というなら、円高対策の方がずっと重要だと思うのですがどうでしょう。あ、でも、企業は円高になったら工場を海外に移転するから円高対策なんか要らない、と思っていたりして？笑

法人税減税を実現するために「雇用が海外に逃げるぞ」という脅しを使うお財界様のテクニックを批判したこんな記事もお読みいただけるとうれしいです。

■企業が外国に安易に「逃げる」理由はなさそう。
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-1125.html

■派遣が増えても税金が減っても工場は海外に移転していた　（「五十嵐仁の転成仁語」から）
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-1602.html

■法人税をあまり払っていない大企業はかなりある。
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-1860.html

お民主党様・お政府様の法人税減税論と消費税増税論の有害さをこれからもじっくり見させていただきます。



↑『たかしズム「ネトウヨ、バカウヨ、ネット右翼、恥さらし、売国奴、日本の恥」を語るための、たかしのブログ』さん作。税制についての当秘書課の記事は、「カテゴリ : 税制、税金、財政」から。

築地市場の豊洲移転に反対して食の安全を守りたい。
●Like a rolling bean (new) 出来事録
■2010-10-08
とんでもない！イシハラ都政大暴走『築地市場の豊洲移転、都が決断　用地予算、年度内執行へ』
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10670567458.html

■2010-10-09
昨日の築地移転予算の都知事専決を匂わすリーク記事はこの前振り？大卸などが移転要望の大報道
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10671435805.html

■2010-10-16
都知事はチリ落盤事故救出劇を見て「人間の技術は人間が信じなきゃ」→豊洲新市場の問題も同じと！
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10678171433.html

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身近な一歩が社会を変えるきまぐれな日々の中でそこに存在する良き人生と生活への切実な望みを民主党にわからせるために、低気温のエクスタシーの中のアブナイ日本が壊れる前に、生まれてきて良かったと感じられる社会にしたいけどとりあえずどうしたらいいかkimeraれない人の役にたちたくて、イル・サンジェルマンの散歩道のアダージォな午後のカフェの窓辺でお茶にクリーム入れながら世界の片隅で税制についてのニュースや広島瀬戸内新聞や虹の日記やフランス語の練習帳や「ユニオン」と「労働ニュース」のアーカイブを読んで、消費税と社会保障と国家予算についての『知られざる真実』を1947年教育基本法の理念の今日行く審議会とスーパー小論文ハイスクールとアジア連帯講座と内田樹の研究室で超左翼おじさんに学んで、大脇道場と言ノ葉工房と内田樹の研究室とカナダde日本語を学んだ後で、労働組合ってなにするところだろうとか、どうしたら戸倉多香子さんや保坂展人さんのためにみんななかよく団結は力ですくらむ組んで多世代交流のブログ広場の多文化・多民族・多国籍社会で「人として」転がるひよこ豆のように情報流通を促進できるかとか、明日も晴れの空と風と、月と、星のもとで白砂青松の雪裏の梅花やブーゲンビリアや古い寺を多く見て日常で思った事、感じた事をつらつら好き勝手に書きながら国会議員定数削減・比例削減に反対するInternet Zoneのサイバー政治団体秘書がはげしく学び　はげしく遊ぶおしごと日誌。
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